9月・・・それは 狭間の季節
空に残るは 夏の太陽
地より 息吹くのは 秋の景色
世界は 静かに かわりゆく
緩やかに そして確実に
ざわめく 話し声 適度な熱気
夏の大イベントが過ぎ 秋風に少し奪われていても
人の熱気は 未だ冷めずにここにあります。
そう、場所は 恒例のこみっくパーティ会場
時間は まだまだ お昼前 、休憩時間を利用して私は いま
会場の中をうろついてます。
私は ＴＶはあまり見ておりません。
ですから マンガやゲームについては よくわかりません。
わかりませんけど 即売会は 大好きです。
きっと 売り子が 本を作った方、もしくは その関係者だからでしょう。
本をいただく時と その方の真心が感じられます。
大量消費、マニュアル接待が主流となった現在において ほとんど感じられなくなった
手渡すことの ぬくもりが ここでは今でも強く残っている。
だから 私は即売会が大好きなのです。
・・・と 秋らしく物思いに（？）ふけりながら 歩いていると いつものアノ人の姿が。
他の誰とも間違えそうにない あの巨大な 黒いシルエット
間違いありません
私は 人の流れを避けながら 彼の元に向かいます。
こみっくパーティ 二次創作SS『私と 立川さん』
〜長月編〜
「・・・貴様は・・・」
「まいどっ ペンギン便です♪」
「・・・・」
「ここで会うのは お久しぶりですね☆」
「・・・うむ・・・」
「いつもどおり 千堂さんの本 頂いてきました。」
「・・・」
「郁美ちゃんから いただいた クッキーも ちゃんと 届けてまいりました」
「・・・うむ」
「郁美ちゃん、 元気に退院して よかったですね」
「うむ」
「では このまま 郁美ちゃんの所へ とどけますので・・・」
「うむ・・・ いや まて。」
「はい？」
「・・・・・・確認する。見せてみろ」
「・・・はい☆」
・・・・・・・・・・・
私たちは そのまま 会場から はなれ
いつもの駐車場に向かいました。
外の日差しはマダマダ強いけど 風は 確かに秋風に変わってました。
「・・・・・（ペラ）」
立川さんは 静かに読んでます。
そして 私は読み終わるのを待っています。
「・・・・・（ペラ）」
・・・こうしていると
立川さんに 初めて本をお渡しした日のことを思い出します。
あの時は 立川さんのことも何もわからず
だけど なぜだか見過ごせなくて
私は彼に 同人誌を手渡し、
立川さんは黙ってそれを読んでいました・・・
そう今と同じ用に・・・って
「・・・あれっ？」
ピクっ・・・！？
と、いけない 思わず声が・・・
私の声に反応して 彼のページをめくる腕も とまりました。
「・・・なんだ？」
「あ、いえ 立川さんの目が・・・」
「・・・フン、敵を見るようか？」
「いえ なんだか 穏やかになっていたので。」
そう 数ヶ月前のころと 比べると・・・
「・・・なんだと？」」
「ええ、なんというか 敵意は消えてないのですが むしろ、今は見守る目つきに変わっているような・・・」
「・・・・・・」
「すみません、失礼なこと、いってしまいましたか？」
「・・・・・・・フンッ」
彼はなにも答えず そのまま本を手渡しました。
「あ、あの・・・？」
「内容に問題ない。 では たのんだぞ」
「？ ご自身で渡されないですか？」
「貴様の役目だ 任せる。」
そして それだけをいうと、いつものように 立川さんは私に背を向け去ってい・・・・・
「・・・・・・・」
「？ どうされましたか？」
「・・・鈴香・・・貴様なにをした？」
・・・ああ、また いつもの彼の癖が・・・（＾＾；
「立川さん。質問や お願いはゆっくり 順序だてて正確に お願いいたします。」
「・・・う、うむ」
彼は 少し咳き込むようなしぐさをして、私に背を向けたまま 考えるように話はじめました
「 ・・・・・・郁美は元気になった。 入院以来 ふさぎこんでいた アイツの笑顔がよみがえった。
。俺がいない時 お前に会ってからだ。貴様の仕業だな？」
「先月の話・・・ですか？」
「だから 早く退院ができた。 感謝する。だが・・・一体なにをした？」
「えっと、その時はですね・・・」
「・・・・・・・」
「乙女同士の秘密です☆」
「むぅ！？」
「ハハハ すみません 守秘義務ですので」
「・・・・・・・・・・俺の目に狂いはなかった・・・」
「え？」
「これからも ・・・頼む」
「は、はい」
ズン・・・ズン・・・ズン・・・
そして 彼は今度こそ 立ち去っていきました。
いつもように、初めてあった時のように・・・
・・・謎の人だった 立川さん。
彼の不思議な行動、言動が なぜか妙に気になって
だから 近づくことがうれしくて・・・
あれから 半年。
謎は謎でなくなって、彼のいろいろなことがわかったけれど
でも やっぱり 立川さん は 立川さんで
だから やっぱり近づいて・・・。
季節は ゆっくり変わってく。
人も静かに変わってく。
だけど そんなことに気づくのは、やはり変わらない物が あるからで
半年後 そして一年後、
私と立川さんは どうなっているのでしょう？
何が変わり そして なにが変わらないのでしょう？
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「いけない、そろそろ 仕事に戻らないと」
私は、ゆっくりと会場に戻ります。
太陽はいまだ 高く輝き、私の行く先を照らしています。
そう・・・イベントは まだまだ これからなのです。
【長月編： 〜完〜 神無月編に続く】
あとがき
こんにちは ゴンジーと申します。
ということで 私と立川さん 第一部完（？）です。
いや やはり雄蔵さんがでていないとと 思いまして（＾＾；）
話の内容は エピローグなかんじに書いてみたつもりなのですが
・・・いかがでしょうか？（＾＾；；）
あ、ちなみに 話はまだまだ続きますので（ｗ）
「私と立川さん」の第二部は ゲームに忠実に 嵐と拳のおりなす魂の激闘の展開！
・・・になる予定です。（ｗ）
皆様 首を長くして お待ちくださいませですｍ（＿ ＿；）ｍ
（ちなみに神無月編は 2004年10月執筆予定です・・・（＾＾；））
ということで 以上 乱文で恐縮でしたが この辺で・・・
もしも 読んで 楽しんでいただけましたら幸いですｍ（＿ ＿）ｍ
それでは
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