7月・・・それは 情熱の季節
暗く塞ぎこんだ雲が消え去った空の中、
鳥達は 元気に飛び回る
どこまでも どこまでも 高く、
・・・それが永遠であるかのように・・・
「風見さん〜 いますか〜〜？」
誰かが 私を呼んでます。
時は7月 夏のなり始め、 ペンギン便は お昼のあとの休憩時間
そして その時私は 車庫で宅配車の整備をしていておりました。
あ、ちなみに 整備作業は お仕事というわけではなく 休憩時間の合間に 自主的に やっていることです。
なんで そんなことを？ と 誰かに言われたことがあるのですが、こうして こまめにチェックやメンテナンスは
車の寿命も延びますし なにより 車の走りが・・・と それは ともかく、呼ばれたからには応えなくては・・・
「はい。 なにか御用ですか？」
「受付にお客さんだよ。」
「はぁ どなたですか？」
「もちろん いつもの番長さん（ニヤり）」
少し からかわれているような気がしたのは・・・気のせいでしょうか？（＾＾；）
私は指と顔を洗いながら 受付に向います。
もちろん そこで待っていたは・・・
「・・・遅かったな」
「すみません 立川さん。それでは 今回の宅配物は・・・」
「うむ・・・・」
こみっくパーティ 二次創作SS『私と 立川さん』
〜文月編〜
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ 先月の 立川さんの妹の郁美ちゃんとの 出会いの後
立川さん兄妹の依頼は どんどんふえていきました
以前と同じ 即売会場での 千堂さんへの同人誌の宅配は もちろん、
他の即売会やイベントグッズ もろもろの入手。
千堂さん宅への 絵筆や スクリートーンセット ドリンク剤の差いれなどなど。
また、その時には 立川さんは 必ず私を指名してくるので、
周りから 「立川専属宅配人」とまで 呼ばれてしまっていたり・・・（＾＾；
・・・と 今回の宅配物は・・・。
「ＣＤ1枚を千堂さん宅ですね 金額は・・・円になります。」
「うむ 頼んだぞ」
「はい お任せください♪」
「それと・・・」
「他にもなにか？」
「うむ・・・・話がある。ついて来い」
・・・・・・・・・・・
じーわ じーわ じーわ
立川さんに 私を（会社の）塀のところまで 連れて行きました。
うう、 やはり 外は暑いですね〜 まだ梅雨は明けたばかりですのに
空からの容赦ない日差しと 私たちを照らし辺りを包む湿気は
立って居るだけで 背中をじっとりぬらしていきます。
私たちは 太陽から隠れるように 近くの木陰に入りました
「あの・・・ 受付では 駄目だったのですか？」
「人がおって話づらい。仕事の話ではないゆえ」
「はぁ・・・」
・・・そこまで気にするようなことも なかったかと思うのですが・・・
まぁ 確かに他の方々の視線は ちょっと気になりましたが
それとも 他の方には聞かれたくない話なのでしょうか・・・？
「それで どのような御用件なのでしょうか？」
「うむ・・・・・・風見鈴香よ」
「はい」
「俺と つきあえ」
[・・・・・・」
・・・・・・はい？
「え、えっと 今なんと・・・」
「俺とつきあえと言った」
「・・・・・」
・・・・・・・・こ、これって もしかして・・・こ、告，告は・・・
「・・・駄目か？」
「い、いえ そういうわけでは」
「なら よいのだな？」
「いえ、いえそういうわけでも」
そ、それは 彼は 悪い方ではないと思いますが、
そんな いきなり・・・
「はっきりせぬかっ」
「す、すこし 考えさせてもらえないでしょうか？」
「今週の土曜日までに決めろ。遅れては プレゼントの意味がない」
そ、そんなこと 言われましても わたしも初めてのことで
・・・て あれ？
「プレゼント？」
「うむ 」
「え、えっと どなたへの贈り物・・・」
「郁美に 決まっておる」
・・・・・・・・・
「・・・・あ、 あの、付き合うというのは ひょっとして
プレゼントを買い物に 付き合ってという意味なのでしょうか？」
「無論だ」
・・・・・・・・・・・・
「ハ、ハハハ（＾▽＾；）」
「どうした？ 顔が赤いぞ」
「な、なんでも ありませんっ」
「？ そうか、では頼む・・・」
といって 彼は そのまま後ろを向いて・・・・
「って ちょっと 待ってくださいっ！！」
慌てて腕・・・は太くてふかめなかったので 袖を つかみます。
そのまま 数メートル引きづられた あとで ようやく 私のことに気付きました
「・・・なんだ？」
「なんだって・・・立川さんっ その癖 よくないと思いますよっ」
「癖？」
「なにも話さずに 去っていく癖ですっ！」
「話しておる」
「言葉が足りないと 言っているのですっ！ あなたは いつもいつもソンナ感じで・・・ だから 私もつい勘違いしてーーー」
「なにをだ？？？」
「い、いえ それは・・・（コホン） ともかく！！ これから用件は私にわかるように きっちり 最後まで話してください！ 承諾するかはその後ですっ！！」
「・・・・・」
「わかりましたかっ？ 立川さんっ！！」
「・・・・う、うむ」
・・・・・・・・・・
ということで 改めて話を伺いました ところ・・・
どうやら今度の7月23日は 妹の郁美ちゃんの 誕生日ということで
その誕生日プレゼントを 一緒に選んで欲しいという ことでした。
「それでしたら 郁美ちゃんの ほしがってるものを選べば いいのでないですか？」
「アイツの欲しがってるものは いつも買っておる。」
確かに そういわれてみれば・・・
郁美ちゃんの欲しがるものは 誕生日に関係なく いつも購入してましたね。
「アイツが 欲しがっておらず かつ喜ぶものを渡したい。」
「なるほど」
「いや、お前のほうが 詳しいだろう。」
「そうでしょうか？」
「いちおう女同志だからな」
「・・・・・・」
・・・なんだか少し失礼なこと言われた気もしますが・・・ここは聞かなかったことに致ししまして･･・
「そういうことでしたらお引き受けいたしましょう 日にちは 私の休暇の日でよろしければですが」
「・・・かたじけない」
「あ、そんなに 頭を下げないで下さい。たいしたことでないですから」
まぁ これも 何だかんだで いつもご贔屓にされてます 郁美ちゃんのためですし、
もともと 休日といっても 私にはやることがないですしね。
次の日曜は 立川さんと お買い物ですか・・・・・・あれ？でも これって ・・・
「どうした？」
「い、いえなんでも それでは どこに行きましょうか？」
「まかせる。」
「では 日にちは明後日 集合時間は10時頃 場所は代々森駅前ということで よろしいでしょうか？」
「・・・ふむ ・・・駅前か・・・・・・・・」
「？？なにか 問題が？」
「まるで デートの待ち合わせだな？」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・そ、それを言ってしまいますか？立川さん！？
「どうした鈴香？」
「なんでも ありませんっ！！！」
「？なにを怒っておる？？（汗）」
「怒ってもいません！ だ、だいたいですねっ！ デートのような待ち合わせ、って言ったって、どこで どう待ち合わせをしても
同じではないですかっ？」
「・・・確かに・・・」
「わ、わかって いただけましたでしょうか？」
な、なんでしょう なんで 声を荒げてしまったのでしょうか？私。
心臓も なんだかドキドキしてますし・・・
「つまり これは俺とお前のデートということか？」
「・・・え？」
「？？違うのか？」
胸の鼓動がマスマス早くなっていきます。
デートって、違うも何も・・・デートというのは男女で どこかで出かけること・・・
・・・ということは・・・
「・・・そ、そうかもしれませんね」
「・・・・・そうか・・・」
・・・・・・・な、なにを焦っているのでしょうか？ 私は
で，デートと言っても買い物につきあうだけです。
そ、それ以上のことなどあるはずないですし・・・・・・
「・・・いいのか？鈴香」
「は、はいっ？」
「俺とつきあうのかと聞いておる。」
「さ、さっき そう言ったではないですか。ハハハ」
「そ、そうだったな・・・」
「は、はい そうです・・・」
「・・・・」
「・・・」
・・・・・う、な、なんだか 気まずい沈黙が・・・
な、なにか 話さないと・・・なにか・・・
♪ちゃらら〜 ちゃら〜
そのとき どこからか 着メロが・・・誰のでしょう？って 私のでないので・・・
「（ピッ♪）・・・・・・・・・うむ、俺だ。」
やはり 立川さんの携帯電話でしたか。
なんにせよ 助かりました・・・・・・ あのまま 沈黙が続いたらどうしようかと
思ってました。
「・・・うむ・・・・・・」
・・・それにしても 最近の携帯は おもちゃ見たいに進化したと 言われますが
彼が持つと ほんとに ソノ通りに見えてしまいますですね。
なんだか 軽く力を加えただけですぐに壊れてしまいそう・・・
・・・バキッ！
「え？」
バキバキバキッ！！
そのとき 携帯は 彼の手の中で 見る見る内にひしゃげていくでなはいですか！？
「立川さん！！ 携帯！携帯が潰れてーーー！？」
「・・・・・・・・・」
私の声で スイッチが切れたかのように だらんと 垂れ下がります。
携帯電話（だった物）が 彼の手の中をすり抜け
そのまま 音を立てて 地面に落ちました。
「風見・・・さっきの話はナシだ」
「え？いったい何故・・・？」
彼の 見る見る青ざめ 表情が激しく歪んでいます・・・こんな立川さん はじめてみますっ。
「い、一体 なにがあったのですかっ？」
「・・・・・・」
「立川さんっ！」
「・・・・・・・・・郁美が・・・」
「郁美ちゃんが？」
「・・・・・・・・郁美が・・・・倒れた。・・・」
＝ 「文月編：・・・せいてんのへきれき」完 // 次回 葉月編 に続く＝
あとがき
こんばんは ゴンジーと申します。
ということで おひさしぶりになります 鈴香さんSS 第４弾・・・
前回の神無月編から 一年以上経ってしまいましたですね〜・・・いえ これは最初から予定通りだったのですが
夏コミなどで 郁美ちゃんの誕生日に間に合わなかったのは 予定外でした（＾＾；
と そんなこんなでかきあげました 今回のお話ですが・・・う〜ん、キャラの性格が大分変わってしまったような・・・（滝汗）
まぁ 二人とも 何度も会っているうちに 何時の間にか 打ち解けてきて 好感度も上がっていたということで・・・（＾。＾：）
そして このまま 二人がラブ路線に進んでしまうのかどうかは 皆様からの反応次第ということで（・ｗ・；；）＞
ちなみに 次回の葉月編は 8月の公開になると思いますです。
内容は 病にくるしむ郁美ちゃんの心情を描いた 感動の第1部クライマックスっ！
・・・にしたいと 思うのですが どうなるのでしょうね（＾＾；）自分の執筆力では今ひとつ心配です（汗汗）
では 稚拙な文で恐縮ですが もし よんで楽しんで いただけましたら幸いです
それでは
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