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1月・・・ それは 決意の月
日々流転する世界の中 人はこの時、節目を作る
過去の傷を礎にして
新しく希望に進むために
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そう 今は 過去を振り返る時ではなく
未来に目を向けて進む時
・・・だけど その時の 私の心は・・・・
・・・彼女からメールが届いたのは
年末年始の めまぐるしいイベント行事も過ぎ去り
いつもの日常が始まった。そんな頃でした。
「私と 立川さん」睦月編
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ここは とある大学付属病院の中庭。
空は 雲ひとつ無い青空
ですが 時折肌に当たる 北風が 今の季節を物語ります。
余談ですが 千堂和樹さんは この近くの大学に通っており
すぐ側に 校舎を見ることができます。
「郁美ちゃん。 外に出歩かれても よろしいのですか？」
「大丈夫です。もうすっかり良くなりましたし。少しは外の空気に当たらないと 逆にまいってしまいます。」
立川郁美さんは 今回は ここに入院していました。
彼女は12月の末に 少し体調を崩し
そのまま 病院内で年を越したそうです。
とはいえ 本人の おっしゃる通り 今回はたいしたことはなかったのですが・・・
「でも 郁美ちゃん。だからといって あまり無理をしすぎると」
「そうですね 『この前』見たいに なってしまうかもしれませんですねーーー」
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彼女いう 「この前」とは 12/30 の冬コミの日をさします。
その日 彼女は医者たちの反対を振り切り こっそりコミパに参加
・・・しようとして 会場前でダウン。
それが 入院を長引かせる結果になってしまいました
ですが・・・
「ーーでも 大丈夫ですよ、鈴香さん。次回こそは ちゃんと最後まで参加して、
そして 今度こそ千堂さんにお会いしてみせちゃいます☆」
「・・・強くなられましたね 郁美ちゃん」
身体的にではなく 精神的に、
少なくとも 夏の頃のような悲壮な影は 見当たりません。
「・・・私 わかったんです。ただ待ってるだけじゃ ダメなんだって。
マンガみたいに 都合のいい話は・・・ううん お話の主人公だって
みんな 少しずつ行動していました。だから 私も頑張ってみます。
ドコまで できるかわからないけれど、自分のできる限り、少しづつでも前へ、
郁美！パワーアップ ですっ☆」
・・・ほんとうに 彼女は強くなりました。
8月の病院の時よりも 11月のコミパの時よりも・・・
傷ついた時もありました。 つらい出来事も ありました。
だけど 少女はソレをバネにして 前に、未来に向かって頑張っていこうとしています。
・・・それに 引き換え私は・・・
「すみませんでした。こんなことになってるなんで つゆ知らず、千堂さんの新刊は・・・」
冬コミ当日 私は 千堂さんのサークルには行きませんでした。
冬コミだけあって 仕事が忙しく 行く暇がなかったこともあります。
だけど、それより・・・
「そんな 鈴香さんは悪くないですよ、全然。千堂さんの本はマタ購入できますし
前回は お兄ちゃ・・・ん が、連絡、しなかった、せいで・・・」
・・・そう その日 彼は私の前には 現れませんでした。
その日だけでは ありません 立川雄蔵さんとは あのクリスマスの夜から一度も・・・
「雄蔵さんは・・・今日も来られていないのですね」
「あ、えっと そう、ですね、お兄ちゃんは いろいろ 忙しいみたいでーーー」
目線をそらし 周りをキョロキョロしながら 話す郁美ちゃん。
それが 私になにかを 隠してることは 明らかです。
・・・多分、雄蔵さんが居ないのは 忙しいからでなく・・・
「あ、いえ 居ないのなら いいのです 代わりに伝言をお願いできますか？
・・・あの時は すみませんでした。あなたは 郁美ちゃんの立派なお兄さんです。・・・と」
「・・・？？」
郁美ちゃんは キョトンとした顔で 私を見つめます。
あの夜の出来事は 郁美ちゃんには 詳しく話していませんから無理ありません。
「・・・それだけ 言ってもらえたら わかると思います。では 私はこれで・・・」
「あ、いえ まってください鈴香さんっ」
ソソクサと 帰ろうとした 私を 彼女は必死で引き止め、そしてたずねてきました。
「鈴香さんは お兄ちゃんのこと その・・・キライになったのでないのですか？」
「キライッ！？？ どうして そんなことが？」
「だ、だって あのクリスマスの以来 お兄ちゃん なんか落ち込んでるし
鈴香さんも あまり来なかったし だから・・・ 」
「い、いえ、私は仕事で・・・」
私のイイワケは 郁美ちゃんの 強い視線で打ち消されます。
・・・自分は 思わず苦笑します。
彼女には 隠していると思ったのは 私だけだったようです。
「・・・そうですね。確かに少しだけキライになってました・・・ 自分自身を。」
「？？どうして？ ひどいことしたのは お兄ちゃんでしょ？？」
「・・・違いますよ。 雄蔵さんは アナタのためにと思ってやっただけ。
確かに正しかったとはいえません。 暴走していたところもありました。
だけど・・・私も 少し 言い過ぎた、かも、と・・・・。」
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あの時は 彼を止めることに夢中で。
自分のことしか考えてないと 兄失格と いいました。
でも アノ時 私も考えていませんでした。
苦しみ 悩んでいる妹に
なにも助けることができなかった 兄の気持ちを・・・
「・・・ほ、本当は すぐに あやまろうと思ってたのですよ。
で、ですが あの時の雄蔵さん かなり怒ってましたし、仕事も忙しかったし、
もう少し日にちが経ってからのほうがいいかな、と 思ってましたら・・・」
「経ちすぎて かえって言い出せなくなっちゃた・・・ですか？？？」
「・・・え、え まぁ・・・」
私は コックリうなづきます。
・・・ホント なさけない話です。
郁美ちゃんも あきれたように溜息混じりに・・・
「・・・なによ、二人して 同じなんじゃない（ボソ）
「郁美ちゃん？ いまなんと？」
「・・・・ああ、もうっ！ 何時までソコにいるつもり！？」
はい？？ 引き止めたのは 郁美ちゃんでは？と 思いましたがーーー
「聞こえてるんでしょっ！！ お兄ちゃん！」
ですが そのセリフは私に向けて はなたれたものでは ありませんでした。
次の瞬間 少し離れた 背後の木陰から 姿を現したのは・・・
「雄蔵さん！？」
「・・・うむ」
え！？なぜ？ いや あえたことは 良かったですが ・・・
でも さっき 郁美ちゃんは来ないって・・・あれ？
驚きとあせりの 入り混じった私を尻目に
兄は 怒りとも 驚きとも つかない表情でにらみます
「・・・謀ったな、郁美っ」
「な〜にが 謀ったな、よっ！ これも お兄ちゃんが いつまでもグズグズしてるからっ！
私が フォローしようとおもったんじゃないっ！！」
「・・・ぐっ・・・・」
つまり 私達は 郁美ちゃんに はめられていたのですか？
・・・というより 郁美ちゃん パワーアップしすぎかも・・・
「それに 鈴香さんも 鈴香さんですっ。」
「え？私！？」
「そういうことでしたら 私にも 早く 相談してください。
私が原因で このまま別れられたら どうしようかと 心配してたのですから。」
「わ、別れるって・・・いや、これは 郁美ちゃんは 原因のわけではないですし。
それに 余計な心配させて 病気が悪化したら 悪いかと・・・」
「・・・（はぁ〜）もう 二人とも ほんと似たものどうしですよ〜。」
似たもの！？どこがっ？？
そ、そんなこと 言われたの初めてなんですが？
「では、鈴香さん。 私は 先に部屋にもどってますので 後のことは『しっかり』お願いします。
お兄ちゃんっ 『シッカリ』頼んだわよっ！」
お願いしますって なにを？
そんな 私の疑問を置き去りにしたまま 去っていく 少女。
それは 心なしか 今までみたなかで 一番強く
それでいて 足どりがこころなしか軽くみえました。
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・・・そして残された 私達はというと・・・
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「・・・・・・ど、ども お久しぶりです 雄蔵さん。」
「・・・う、うむ・・・・・」
「あっ、あけまして おめでとうござますの方が 良かったですね 少し遅いですが」
「・・・・・」
「え、えっと・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・」
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クリスマスの夜とも、それ以前とも違う 気まずい雰囲気
それは まるで 見知らぬ部屋に
突然 押し込められたような 固まったような 空気に 息苦しい雰囲気
・・・それは いつまでも続くかのように・・・
・・・だけど 実際は一瞬のことでした・・・
「・・・風見、鈴香・・・」
「・・・はい」
「・・・あの時は、すまな、かった・・・」
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・・・縁とは あやふやで もろいもの
ちょっとした 誤解や衝突で 傷が生まれ
大きなミゾに 広がります。
・・・だけど それは ただの錯覚・・・
ちょっとした きっかけで できたミゾ
だからこそ ちょっとした 言葉をかけるだけで
元に戻ることもあるのです。
「・・・私こそ、あの時はーーー」
・・・そう、それが二人の望みなら
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【睦月編： めいく ふれんど あげいん (完） 次回 如月編に続きます 】
あとがき
ご愛読ありがとうございましたｍ（＿ ＿）ｍ ゴンジーと申します。
今回のお話はタイトル通り 「仲なおり」のお話です
（和英辞書で調べたので 間違ってはいない・・・はずｗ：）
グズグズと 鬱な展開になるのは 気にいらないので
あっさり目に 進めてみたつもりですｗ
少しだけ 12月のコミパやイベントの話も織り交ぜて
（幽霊騒動の話は・・・まぁ おいてきましてｗ；）
とにかく 鈴香さんと立川さんの物語も あと少し。
もし 最後まで ご購読いただき 少しでも楽しんでいただけましたら 幸いです（＾＾；
それでは