問題：１０月３１日は 何のお祭りでしょう？
正解: ハロウィン
この問いに答えられる日本人は まだ少ないかもしれないが
どんな祭りかは 知ってる人は多いだろう
町には カボチャのちょうちんや 仮装の人々
「トリック オア トリート」 と唱えながら お菓子をもらいに 家を回る子供たち
それが 一般的 ハロウィン パーティのイメージである
そして その日本の比較的知名度の低いお祭りの日に生まれ
今年も歳を一つ増やすことになる 乙女が一人。ーーーーー
「ーーというわけで 瑞希ちゃん。 今日はキミに 祝ってもらいに来たってワケ〜〜☆」
「ごめんなさい ぜんっぜん 意味わからないのですけど！？」
同人戦隊コミレンジャー 番外編
「Halloween ｏｆ the Dark 」
＝シーン1 ＝
・・・さて、 では現在の状況を説明しよう。
場所は ご存知 コミレンジャーのリーダー コミパレッドこと 高瀬瑞希の部屋。ちなみに一人暮らし。
いつものように 学校から帰宅し、いつものように 玄関のドアを開けたのが３０秒前
部屋の中に 明らかな異変を感じたのが ２５秒前
怪盗ナントカのような格好をした あきらかな不審人物を確認したのが１０秒前
その人物が 「あ、ヤホーッ☆ おかえり〜♪」と 手を振ってきたのがつい先ほど
ちなみに 今は彼女愛用の釘バットを上段に振り上げている所である。
「だからさ〜 せっかくの私の誕生日なんだよ？ 誰にも祝ってもらえないなんて 寂しいじゃな〜い」
「いえ それ以前に どうやって 私の部屋に入ったかをですねーーー？？」
「ニャハハ、 きにしな〜い 気にしない☆ ほら蛇の道はヘビってヤツ？
ケーキは自分で用意したし、一緒に食べてくれるだけでも いいからさ？
だから ねぇ 瑞希ちゃん〜 お願〜い☆」
「・・・・・むぅ〜・・・」
しばし 瑞希は 振り上げていたバットを床おろす。
もっとも そのまま振り下ろされていたとしても 攻撃は軽々と かわされていただろうが。
・・・・・・・・・・・・・・
そう 高瀬瑞希は その不審者の正体を知っていた。
彼女の名はコミパダーク、またの名を芳賀玲子。
コミレンジャーの前に 颯爽と現れては ピンチを救って 疾風のごとく去っていく謎の女戦士。
・・・という触れ込みになってるものの今では 日常においても ちょくちょくと出没し
今では 『アンタの どこが謎やねん？』とイエローに 突っ込まれる程になっている。
ま、それは さておき
「えっ なに この紅茶 美味しい〜♪♪これ 瑞希ちゃん が作ったの？」
「う、うん 作ったというか 淹れたというか アールグレイなんだけど・・・」
「ふむふむ まろやかでいて それでいて しつこくなく、口の中でさっぱりと ひろがっていく・・・な〜んてね☆」
玲子が自分で買ってきたケーキと それと瑞希の入れた紅茶をはさみ 二人の会話がはずむ
もっとも 片方には 若干の ぎこちなさが残っているが
「もう、ケーキも どんどん食べてよ せっかく 私の誕生日祝いなんだから〜♪」
「あ、ありがとう〜 ハハハ」
いや 瑞希にとって 彼女には面識もある、好意こそあれ 敵意などは微塵もない。
むしろ 一度ゆっくり話してみたいと 思っていたぐらいだ。
・・・が、これはこれ それはそれ というか・・・
「それにしても 前もって連絡をいただけたら もっと色々準備とかできたのに・・・」
「いやいや〜 そこまでされたら 流石に 瑞希ちゃんに 悪いっしょ。 いわゆる サプライズパーティーって 感じ〜？」
「・・・それ、立場が逆。普通」
「本当 メンゴ メンゴ☆ 今年は祝ってくれる人がいなくてさ、せめて 一人で お祝いしようと思ったんだけど、
実際やると な〜んか 逆に無性に わびしくなっちゃって・・・にゃはは〜」
「えっ？」
・・・今年『は』？・・・
思わず問いかけようとした 瑞希はハッとなった
先ほどまで まぶしいほどに 明るかった玲子の笑顔に、 少しだけ影がさしている。
「芳賀さん？なにか あったのですか？」
「いや〜 そんな たいしたことじゃないんだけどね。 いつもは 美穂・・・あ、私の仲間なんだけど、
その子や みんなと集まって毎年 わいわい騒いでいたんだ。でも 今年は事情があってね。・・・」
「・・・え、えと、ゴメン 芳賀さん」
「にゅ？ なんでキミが あやまんの？ ・・・ああ、ダイジョブジョブ 気にしていないから
それに 芳賀さんだなんて 他人行儀な、玲子ちゃんていいってば☆
ちなみに事情に関しては シークレットだかんね。なんてったって 私は謎の戦士なんだから、にゃはは 」
「は、ははは・・・」
・・・・
事情がなんなのか 気になる瑞希。だが なんといって声をかければいいのか 思い浮かばない。
かける言葉も 思い浮かばないまま 気まずい沈黙と共に ただ時間だけが経過する・・・
プルルル♪
そんな沈黙を破ったのは 瑞希の通信機から流れるメロディー、
防衛組織コミックＺ からのエマージェシーコールだった。
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