あらすじ
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ある日 『日曜日に大事な話がある』と 言われた高瀬瑞希。
当日 環状線に乗り込んだ 二人の向かう先は・・・
瑞希「ーーーって 決めてなかったのっ！？ これ アンタから 誘った デ・・・デートなのにっ」
和樹「いや、そういう意味じゃなくって。 いつも こっちの要望ばかりで悪いから
今日はお前の好きな場所に付き合ってやるって ことでだな。」
瑞希「う〜ん、 そういうことなら・・・しっかり 付き合っていただおうかしらね」
和樹「へいへい 覚悟してますよ 瑞希さん。」
人口密度の高い 東京都心
通勤ラッシュとは外れた時間帯であるものの 乗客はかなり多い。
周りの乗客に押され 息もかかるほど 二人の顔も近い。
・・・・ちなみに そこから 少し離れた場所には
二人の後をストーｋ・・・ もとい 隠れて見守る彼女達の姿あった
彩 「・・・・・・・・・・・・」
詠美「ムキー あいつらアンナにくっついてぇーーっ！！」
由宇「騒ぐなっ 詠美っ！気づかれたら どないすんねんっ！」
詠美「ふみゅー アンタことうるさいぃー」
あさひ「あ、あの、み、瑞希さん達 降りるみたいですが？」
由宇 「と あかん 追うで みんなっ！」
ドアの前に群がる乗客を押しのけ 4人は なんとかドアの閉まる前に下りた。
詠美「ちょ、あいつらは！？」
彩 「・・・あちらに・・・」
あさひ「は、はぅ〜・・・ち、ちょっと待って」
由宇「ほれほれ 疲れとる暇ないで あさピー。 さて どの駅で降りたんや・・・」
現在地を確認しようと 駅看板を眺めた彼女。一瞬こわばる
・・・その看板には『渋谷』と書かれていた・・・
同人戦隊コミレンジャー 第２９話 その２
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そして舞台と時間は 過ぎていき、
場所は 雑誌にも紹介されたことがあるという 御洒落なカフェテリアでランチタイム。
瑞希「ふぅ、 こんなに のんびりと ウィンドウショッピングしたのも久しぶり♪」
和樹「ん？ 最近は きてなかったのか？」
瑞希「うん、色々と忙しかったからね。 和樹のエサも作らないといけなかったし。」
和樹「ペットか俺は。 でも だったら さっきの店の服、買えばよかったのに。お前 かなり気に入ってたみたいじゃないか」
瑞希「いいのいいの 今回は見て回るのが目的だもの。それに あたしが欲しがっているのを、
アピールすれば、後で誰かがプレゼントしてくれるかもしれないでしょ？誰かが☆」
和樹「こっち指差して 誰かいうな。誰かと 」
瑞希「フフフッ♪」
美味しいと評判のランチセットを味わいながら
独り者に殺意を抱かせるような 甘い空気をかもしだす二人。
・・・・・・ちなみに その頃 四人の追跡者はというと ・・・・・・・・・・・・・
あさひ「あ、あぅ・・・・・」
詠美 「ムキー 大体 人の数が 多すぎなのよっ！ あいつらドコいったのよっ」
完全に 二人を見失っていた。
由宇「・・・面目ない ウチが立ちくらみを おこさんかったら。」
彩 「由宇さん・・・もう大丈夫、ですか？」
詠美「ふん。 田舎でダサダサな 温泉ﾊﾟﾝﾀﾞには 都会のセレブな空気が合わなかったみたいね」
由宇「ホンマやな、すまん詠美。」
詠美「ふみゅ？・・・あ わ、わかればいいのよ わかれば・・・」
詠美が思わず 拍子抜けするほどグロッキー状態な 猪名川由宇
もちろん それには ちょっとしたワケがある。
・・・・・・個人差はあるにせよ。同人作家などを生業とする者達は
四六時中 アニメ、マンガ、ゲームに囲まれ おしゃれとは ほとんど無縁の生活をすごす。
そんな人物達にとって 流行の最先端と呼べる この場所は かなり居心地の悪いある意味 別空間。
特に 由宇の場合 オタク指数も高く 東西の文化の違いも加わり
アウェイに取り残されたかのような 極度の精神的負担がかかり・・・。
彩 「・・・瑞希さんがアキバに赴いた時の症状に似てるわけ・・・ですね。」
由宇「ん？ なん話や？」
彩 「（フルフル）・・・別に・・・」
詠美「でも、これからどうするの？ これ以上探すなんて あたしもう嫌だかんね。」
由宇「いや、あきらめるんは まだ早い。 あさぴー スキャニンググラスや。」
あさひ「あ、は、はい♪ ちょっと待ってく、ください」
メガネの縁に隠されたスイッチを入れる。こうすれば センサーがコミックパワーに反応して
高瀬瑞希の居場所がわかる・・・はずだが・・・・
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瑞希「ーーでさ そろそろ聞かせてくれてもいいじゃない？ アンタの大事な話て・・・なんなの？」
和樹「そうだな・・・・・・いや やめとく。 それは出来れば もっと静かな 誰もいない場所で話したいんだ。」
瑞希「人気のないところって？・・・・・・な、何考えてるのよっ バカッ！」
和樹「はぁっ？ お前こそナニ考えてるんだ？顔赤くして」
瑞希「あっ・・・（コホン）な、なんでも ない。つ、つまり人の少ない場所なら いいわけね。だったらーーー」
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詠美 「・・・どう？ 見つかった？」
あさひ「あ、はい、は、発見し・・・あ、あれ？ ・・えっと してな・・・あれれ？」
詠美 「ふみゅぅ〜！？ 見つかった？ ダメ？どっちなのよっ？」
あさひ「はぅ！？ え、えとえと そ、それがは、反応があるのですが、ひ、ひとつだけじゃなくて。」
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由宇 「それ、『実はウチラの反応でした』なんてボケやないやろな？」
あさひ「（ブルブルッ）そ、それはないですっ はい でも 反応は結構近くて
そ、それに あたし達と同じか そ、それ以上のものも」
詠美「ふみゅ！？ ちょっとちょっとちょっと！？あたし以上って そんなのあり得ないわよ」
彩 「それ以前に 私たちの他に居るということはーーー」
由宇「・・・まさかと思うが」
ピピピッ♪
千紗『もしもし お姉さん〜っ！ 聞こえますか〜っ！？至急 基地に集合してくださいですっ』
由宇「おっ ちょうど良かった。こっちも 緊急事態や 瑞希っちゃんにも連絡とってくれ。」
千紗『にゃ？でもでも 瑞希のお姉さんは 今回は自由にさせて置くようにと お姉さんが・・・』
由宇「あん お姉さん？って それ ドコのお姉ちゃんや」
澤田『私よ。』
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通信機から 流れた上司の声に一同は凍りつく。
もちろん 今回の4人の行動は 彼女にはナイショにであったし ハッチャンも無断で借用していたものだ。
由宇「・・・あ〜・・・ちゃうねん。コレちゃうねん。ウチら ただーー」
南 『由宇ちゃん 早く きてくださいね。これは命令ですから☆』
由宇「はぅっ！？ あ、い、いや ホンマ大変なんやてっ。瑞希っちゃんの側に 別のコミックパワーの反応がーー」
澤田『命令です。 早く本部に集まりなさい。今回の件も含めて 少しお話があります。』
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南 「先輩、和樹さんは やはり・・・」
澤田「ーーーだとしても、問題ないわ 少なくとも今回は・・・ 」
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・・・・・・そして 更に時間はながれ 二人が訪れた場所は・・・・・・・・
４つの三角錐が組み合わさった特徴的な シルエット
イベントでは 文字通り 人で埋まってしまう この周囲も
時期を外れた今、夕日は建物と二人だけ姿を照らしていく。
瑞希「思ったとおり・・・この時間なら 人もほとんど 居ないわね。」
和樹「ああ・・・けど意外だな お前がココを選ぶなんて」
瑞希「そうね でも ここは アンタ・・・ ううん、アタシ達にとって 特別な場所でしょ。」
オタクは嫌いと 口ではいいながら 何度も赴き さまざまなイベントに出会った場所である。
瑞希にしてみても ココは 思い出深い場所になっていた。
瑞希「・・・まさか こんな気持ちで この場所を来るなんてね。
初めて来た時には 思いもよらなかったけど」
和樹「そうそう そうだったよな。 俺もお前も 初めて大志に つれてこられた時には
なんじゃココはーー！？って 感じでさ。」
瑞希「そうそう アイツ いつも 勝手に行動して 私を勝手に振り回して」
和樹「けど お前なんて 高校に入った頃からだったろ？ 俺なんて 幼稚園どころか
生まれて間もないころから アイツにふりまわされっぱなしで・・・・どうした？瑞希」
瑞希「あ、ううん 久しぶりだなって思って。 和樹からアイツの話が出るなんて」
和樹「そりゃお前 大志の名前がでると すごい不機嫌な顔してたろ。」
瑞希「そうだったかしら？」
ごまかし笑いで 引きつった顔を背ける瑞希
しかし 大志が『行方不明』になって以来、和樹は意図的に彼の話題をするのを避けていた気がする。
そう カリスマンとなって 会場に襲撃してきたあの時ですら、その名が口にしなかったというのに。
和樹「？？・・・どうした？」
瑞希「（ハッ） う、ううん別に。さてと ここなら 他に人もいないし アンタの条件にも ぴったりでしょ。
さぁ いい加減にもったいぶらずに 話というのを聞かせーーー」
和樹「・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだな・・・わかった・・・瑞希。」
瑞希「！？・・・和樹・・・」
和樹は 真剣な表情で 瑞希を見つめる。
その瞳は悲しげで この告白が自分が望むような内容でないことを瑞希は理解した。
和樹「・・・実は、俺は 今までお前に黙っていたことがある。いや 騙していたと言ってもいい。」
瑞希「・・・・・・・」
和樹「ーーー俺、実は ーーー」
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？？？「今でゴザルよッ！！！！」
？？？「ガエェェェーーー！！！」
二人「「！！？」」
・・・・まさに不意打ちだった・・・
今まで コミックＺに属し コミパレッドと名乗るまでになったから
今まで 彼女達自身が狙われえることはなかった。
しかも この一瞬、彼女は目の前の彼だけに意識が集中していた
目の前に迫りくる 危機に対しても 彼女は なにも反応ができず・・・
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・・・しかし 彼女は無事だった・・・。
間一髪避けたわけでも 怪人の攻撃が反れたわけでもない。
彼女に当たる瞬間 別の者が その身をもって 攻撃をさえぎったからである。
・・・そう その彼の名は・・・
瑞希「・・・・・・・和・・・樹？・・・」
和樹「・・・・・・ぐっ・・・（ヨロッ・・・）」
寄りかかるように 倒れこむ 彼を抱きとめる高瀬瑞希。
彼女の手を 生暖かい液体が濡らし、足元には 赤い水たまりが広がっていった・・・
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