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・・・夢・・・そう私は今 夢を見ていた・・・悲しき夢・・・つらい悪夢
・・・そして・・・苦き思い出・・・
郁美 「・・・お兄ちゃん ここはどこ？」
兄 「・・・・・・」
兄は何も答えない。まあ それはよくあること・・・なのに、
なんとなく・・・なんとなく様子がおかしい・・
郁美 「・・・ねぇ？お兄ち・・」
和樹 「お嬢ちゃん ようこそ 我等がハラジロシスターズ本部へ」
郁美 「えっ？」
大志 「ククク、コイツがお前のリトルシスターか。
なるほど 確かに 強いコミックパワーを持って居る・・・（ニヤッ）。」
郁美 「あ、貴方達は誰っ！？」
兄 「・・・・・・」
・・・兄は相変わらず答えない
その顔にどのような表情を浮かべているのか 私には見えない・・・
大志 「よかろうっ！ こやつは吾輩達が なんとかしてやる。だから安心するがよいぞ マイ同志」
兄 「頼んだぞ・・・カリスマン」（くるっ）
郁美 「えっ？」
ズン・・・ズン・・・
郁美 「お兄ちゃん？ どこへ・・・」
ガシッ！
郁美 「！？」
和樹 「『立川 郁美』、おまえは ここに残るのだっ！」
郁美 「そ、そんな どうしてっ！？」
雄蔵 「・・・・・・」
ズン・・・ズン・・・ズン・・・
郁美 「ど、どうなっているの！？ どこに行くの お兄ちゃんっ！？
待って・・・待ってよぉぉぉ～っ！！！」
ズン・・・ズン・・・ズン・・・
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― １６：００頃 塚本印刷所 ―
ここは「千紗ちゃんの家」こと「塚本印刷所」
謎の落雷事件の調査中、突然 強敵ラ・オーの襲撃にあったコミレンジャーは
この事件のカギを握る少女『立川 郁美』ともに 一時この家に避難していた。
・・・だが・・・
郁美 「・・・（ハァッ ハァッ）・・・」
瑞希 「桜井さん どう？ 郁美ちゃんの具合は？」
あさひ「は、はい・・・その・・・えと・・・身体的には異常が無いですから
・・・だ、大丈夫じゃないかな？・・・と」
身に付けていたメガネを外しながら あさひちゃんは答える。
彼女のメガネには あらゆる状況を調べることの出来る
スキャニング システムがついている
今 これを利用して 郁美ちゃんの様態を調べた所なのである。
瑞希 「そう・・・（ホッ）」
あさひ「た、ただ・・・」
詠美 「ただ？ ただ何なのよっ！」（ズイッ！）
あさひ「え！？ あ・・・あのその・・・（汗）」
ポカッ！
詠美 「イタ！？ な、何すんのよ このパンダッ！？」
由宇 「なに 仲間をびびらせてんのや このドアホッ！・・・で なんや？」
あさひ「は、はい・・・その、力の消耗が 激しいみたいで
し・・・しばらくは 目を覚まさないのではと・・・」
詠美 「しばらく！？しばらくって どれくらいよっ！？」（ズイッ！！）
あさひ「え！？ い、いえ その・・・（大汗）」
ポカッ！
詠美 「ふみゅっ！ ま、また ぶったわね！？ この暴力パンダッ！」
由宇 「やかましい！何べんも同じこと言えば わかるんやっ この鳥頭！」
詠美 「ふんっ！人と鳥の区別もつかないの！？ 所詮パンダはパンダよね～」
由宇 「なんやてっ！？」
詠美 「なによ！？」
ギャー！ギャー！ギャー！
瑞希 「・・・もうっ！ 二人とも また・・・」
ガラッ！
和樹 「コラ！ 由宇 詠美 いい加減にしないかっ！ 少しは 迷惑を・・・」
ドカッ！！
和樹 「グヘッ！」
由宇 「まだ 入ってくんやないわっ！ アホンダラ！」
詠美 「そうよ そうよ！乙女の秘密はプライバシーなのよっ！」
瑞希 「か、和樹ごめん もう少しだけ 外で待って いてくれない？」
彩 「・・・（ペコリ）」
和樹 「あ、ああ・・・」
ガチャ・・・
あさひ「ち、ちょっと かわいそうですね。和樹さん」
瑞希 「仕方が無いのよ 桜井さん。
私達の正体は 一般人には 秘密にしないといけないのだから・・・」
由宇 「まっ これも正義の味方の宿命ってもんや。 ほな 話を勧めよか」
和樹 「ふぅ～・・・（ポリポリ）・・・」
千紗 「にゃあ？ どうかしたのですか？ お兄さん」
和樹 「あっ 千紗ちゃん。いや ちょっと皆に追い出されてしまって・・・」
千紗 「にゃああああ～ お兄さん かわいそうですぅ」
和樹 「ハハハ これも仕方がないんだよ 千紗ちゃん・・・俺は招かざる客なのだから（ボソッ）」
千紗 「にゃ？」
和樹 「あっいや なんでもないよ（汗）。それより 千紗ちゃんも郁美ちゃんのことが心配だろ？
少しの間 俺が仕事を代わってあげるよ」
千紗 「にゃあ♪ ありがとうございます お兄さん。 お兄さんはやっぱりいい人です♪」
和樹 「ハハハ・・・そんなことは」
千紗 「それではお願いしますです（ペコリ）」
和樹 「ああ、行っておいで 千紗ちゃん」
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和樹 「・・・いい人・・・か（フッ）」
千紗ちゃんの言葉をお思いだし 失笑する和樹・・・
その笑みの意味する物は 和樹本人すら わからない・・・。
詠美 「にしても 全く何者なのよ？ このオコ魔女は？」
瑞希 「多分、いえ間違いなく 昨夜の落雷を生み出した張本人ね」
詠美 「へっ？ そうなのっ？」
彩 （こくっこくっ）
あさひ「わ、私もそう思います・・・。か、彼女の力は その、凄かったですから」
瑞希 「そして だからこそ ハラジロシスターズは郁美ちゃんを狙っている・・・」
詠美 「そうなの？」
（（（（こくっこくっ））））
詠美ちゃんを除く 彩達４人は一斉にうなずく
由宇 「あのオッチャンも はじめコノ娘のことを聞いてきてたんや。」
瑞希 「やっぱり」
あさひ「あ・・・あの・・・そのあと いきなり襲ってきたのですか？」
彩 「（ふるふる）」
由宇 「いや 『知らん』と答えたら そのまま帰ろうと しとったんやが。
このアホが要らん事を言うもんやさかい・・・」
詠美 「ふみゅっ！ なによ なによ なによぉっ！
わたしは ただ「聞きこみ」した だけじゃないのっ！」
由宇 「『あんた ハラジロシスターズの手下でしょっ？』ってな・・・」
・・・・・・・・・・・
あさひ「え・えとその・・・すごいですね♪正体を見破るなんて・・・」
詠美 「ま、まあね♪ あたしのような クィーンなら そのくらい・・・」
由宇 「アホッ そんなことウチ等もわかるわ。あないな格好で街中を歩くんは
相当のコスプレマニアか 奴等ぐらいのもんやからな」
瑞希 「あんな格好・・・」
瑞希は ラ・オーの姿を思い出していた。
・・・一昔前の番長が身に付けるようなガクランに
世紀末伝説的なアクセサリーを身に付けた その姿を・・・
瑞希 「・・・確かに そうよね（汗）」
彩 「（コクッ）その場は 一時しのいで、瑞希さん達に連絡
その後 何とかしようと考えていたのですが・・・」
詠美 「ふみゅう～・・・」
あさひ「と・とにかく その、みなさん 無事で良かったですね。」
彩 「（フルフル）・・・無事でないです」
あさひ「う・・・（汗）」
実は 彩の言う通りなのである。あの 強敵ラ・オーとの戦いの後、
ピンク（あさひちゃん）の「ヒーリング ボイス」のおかげで
傷や怪我回復したものの 内部ダメージを治すまでには いたらなかった・・・
彼女達が まっすぐ基地には向かわずに
ココ（塚本印刷所）で休んでいるのも そのためなのである
あさひ「え・・えと・・その。皆さん これから ど・・どうしましょうか？」
瑞希 「そうね・・・さっき 通信機で司令とも相談したのだけど、
とりあえず 力が回復するまでは この場で待機。
それから 郁美ちゃんを本部に連れて行こうと思うの。」
由宇 「コミックＺ本部にか？ まあ ココで匿うよりも安全やし 当然やな。
でも それやと また途中で あのバケモンが立ち塞がりそうやで？」
瑞希 「うん 多分そうなるわね。 だから・・・」
彩 「次は・・全滅ですね」
一同 「「「「！！！」」」」
・・・・・・・・・・・・・・
彩の一言が 一同の表情を凍りつかせる・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
詠美 「フ、フンッ！ あの時は ちょっと油断をしただけよっ。（汗）
あんな ガクランのオッサンなんて 次に会ったら
もうコテンパンのケチョンケチョンにしてやるんだからっ！！」
彩 「・・・無理です」
詠美 「！！さ、さっきから、何いってんのよ！ アンタはっ！」（怒ッ）
思わず 彩に掴みかかろうとする詠美っ！
ガシッ！
詠美 「ふみゅ！？」
だが それを止めたのは 意外にも 由宇であった・・・
由宇 「落ち着くんや 詠美。 いまは仲間割れしとる場合やないやろ。
彩、アンタもやでっ 」
彩 「・・・・・・」
あさひ「・・・で、でも わたしも・・・彩さんの言うとおり・・・だと」
詠美 「コパンダ マークⅡっ？ あんたまでっ！」
あさひ「ご、ごめんなさいっ！（涙）で、でも 私 スキャンしたのです。
あああの戦闘力を・・・そ、そしたら・・・（ブルブル・・・）」
瑞希 「さ、桜井さん・・・」
あさひ「その数値は・・・わ・・・私達と比べて、はるかに・・・はるかに・・・
だ、だから わたし 急に怖く・・わたし・・だから・・（ガクガクガク）」
由宇 「・・・あさぴー？」
あさひ「無理なんですっ！ 私たちが 勝てるわけが無いですっ！
いや、私・・・私 もう戦いたくないっ！！」
詠美 「コ、コパンダ・・・（汗）」
・・・・・・・・・・
瑞希 「・・・そうよね 桜井さん・・・正直言うと
私も 怖い。 あのラ・オーとは 二度と闘いたくない・・・」
あさひ「えっ？」
詠美 「な、なによアンタまで！？一応リーダーくせに そんな・・・」
瑞希 「だけど・・・それでも 私は闘うっ！」
彩 「！？」
あさひ「瑞希さん・・・どうして？」
瑞希 「・・・だって 今私たちが闘うことを 放棄したら、
郁美ちゃんを救えないもの・・・
彼女は 自らを犠牲にしてまで 私たちを助けてくれた・・・
そんな郁美ちゃんを・・・私は絶対 守りたい！」
彩 「・・・」
彩は ふと 郁美ちゃんをみつめる。
・・・彼女が目を覚ます様子は まだない・・・
由宇 「それに今は五人おるんや。一人一人の力では かなわなくても
皆の力を合わせれば ナントカなるもんやで、 あさぴー♪」
あさひ「・・・瑞希さん・・・由宇さん」
彩 「・・・・・・」
詠美 「そうよそうよっ♪ パンダも たまには いいこと言うじゃない♪
この私の超絶パワーに あんた達シタボクパワーが加われば
もう天下無敵の・・・」
むぎゅううううう～っ！
続けて 何か喋ろうとする詠美の口は 由宇によって 横に広げられる・・・
詠美 「ふびゅっ！？ふぁ、ふぁにすんふぉよ？ふぉんふぇんぶぁんば！
（訳：ふみゅ！？ な、なにすんのよ 温泉パンダ！）」
由宇 「そのシタボクって 誰なのかな？ 詠美ちゃん？（ニヤリ）」
詠美 「ふぃふぁふぇん ふゃふぁい！ ふぁんふぁふぁふぃ・・・
（訳：決まってんじゃない！ あんた達・・・）」
由宇 「そないなアホなことを 言っとんのは この口かぁ？」
むぎゅぎゅううううう～～～っ！
詠美 「ふぎゅぎゅ～～～っ！！（涙）」
瑞希 「・・・どうして うちはシリアスが続かないのかしら？（汗）」
あさひ「（クスッ）・・・で、でも 私は好きです こんな皆さんが・・・」
彩 「・・・（コクッ）」
瑞希 「！？ 桜井さん、長谷部さん・・・」
あさひ「（ペコリ）み、皆さん どうも すみませんでした。
私、また 弱音を・・・。そうですね
皆さんで力を合わせれば・・・き、きっと大丈夫ですよねっ」
彩 「（コクッ）・・・彼女の・・・為にも・・・」
詠美 「そ、そうよ そうよ そうなのよ♪ あんたらシタボク達も
や～っと この詠美ちゃん様の言葉を理解・・・ふぎゅっ！？」
由宇 「理解しとらんのは この口やないかぁ？」
むぎゅぎゅううううう～～～っ！
詠美 「ふぎゅぎゅ～～っ！！（大涙）」
瑞希 「い、猪名川さん もうその辺で・・・」
由宇 「（パッ！） そうやな こんなアホは ほっておいて
さあ みんな これから早速 作戦タイムやっ！」
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― 同時刻頃 落雷跡付近 ―
雄蔵 「・・・・・・」
オタク縦「ラ・オー様～～！！」
雄蔵 「・・・・・・」
オタク横「や、やっと見つかったんだな。 ぼく達 かなり探しちゃったんだな」
雄蔵 「・・・・・・」
オタク横「ラ、ラ・オー様？」
雄蔵 「何だ？」
オタク縦「は、はいっ！ え、え～と ラ・オー様の御命令どおり 早速
人に化けさせたオ・ターク達を 辺りに配備させましたでござる。」
雄蔵 「・・・・・・」
オタク横「こ、これで 彼女達は もう逃げられないんだな♪
見つかるのは 時間の問題なんだな。」
雄蔵 「・・・・・・」
オタク縦「そ、それにしても さすがラ・オー様でござる。
あのコミレンジャーどもを あっさり捻り潰してしまうなんて（揉み手）」
雄蔵 「・・・・・・」
オタク横「さ、さすがなんだな これで や、やつらも・・・」
雄蔵 「見つけたら 知らせろ」
オタク縦「へっ？あ、あの・・・」
ズン・・・
オタク横「ど、どちらに行かれ・・・」
ズン・・・ズン・・・ズン・・・
オタクズ「「・・・」」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雄蔵 「郁美・・・次は逃さぬ。」