そして ここはとある にぎやかな繁華街。
駅前近くということもあり、人の往来は耐えることもない・・・ものの 若干まばら。
道端には 手作りのアクセサリーであろう品物を売る露店商や
ストリート ミュージシャンの姿は まだ少ない状態だが。
とはいえ 先週起こった 『街頭騒音テロ（ＢＹ新聞見出し）』と比べれば
まだ 回復してきたほうであるのだが。
瑞希「もしもし こちらレッド。こちらは異常なしだけど、そっちはどう？」
・・・そして そんな中 ベンチに腰掛け、迫る軟派師を軽くあしらいながら
携帯を かける女性が一人・・・
現在 極秘パトロール任務中の コミパレッドこと高瀬瑞希である。
由宇「ほいほい こっちも異常なしやでっと。人ゴミも ほとんど戻ってきとるし
熱さも 喉元過ぎたらなんとやらって ヤツやな（ハフッ ハフッ）」
聞こえてきた声は コミパイエローの猪名川由宇。
ちなみに 彼女が話してるのは 腕にはめた通信機から。
瑞希のもつ携帯は牧村教授の特別製で、コミックZの通信も可能。
街中では こちらの方がかけやすいという 彼女の要望によるものである。
瑞希「（はぁ〜・・・）今日も このまま空振りになりそうね。」
由宇「まったく アイツラは いらん時に騒ぎまくっといて（ムグムグッ）。
ウチラが待っとるんやから とっとと 攻めてこい ちゅうねん。（ゴクンッ）」
いいがかりとも 八つ当たりとも言える 由宇の言い分だったが、瑞希も同意に相槌をうった。
これでダメなら 今日で一週間も無駄骨ということになるのだ。
そんなわけもあって （おそらく たこ焼きを）買い食いしてるだろう 由宇に対しても黙認してしまっているリーダーの瑞希
いつものなら 『まったく任務中なのに・・・』と 注意していたところである。
由宇『ま、あさピー参加せんかったのは ホンマに幸いや。
今回は アイツ（詠美）の言うてたことが的中正したわけや。 かなり珍しくけど』
瑞希「・・・その大庭さんのことなんだけど。 最近ちょっと変だと思わない？」
由宇『ん？（ﾊﾌﾊﾌｯ） アイツが変なのは いつものことやないか？』
ベタな答えで返した由宇だが もちろん彼女の言いたいことは よくわかっている。
瑞希は詠美の あさひに対する態度のことを言ってるのだ。
瑞希「まぁ 仲が悪くなったわけじゃないから 問題ないといえばないのだけど。猪名川さんは なにか知ってる？」
由宇「そやなぁ １０日ぐらい前に何かあったんは確かなんやが。あさピーは全く身に覚えがないちゅうし
詠美も千紗ちぃも 頑として口を割らへん。」
瑞希「えっ？これ 千紗ちゃんも 関係してるのっ？」
由宇「おお 瑞希っちゃんは そん時居らんかったな。 実はーーー」
ピピーーピピーーーピピーー♪
と ここで割り込んできたのは キャッチホン・・・いや コミックZのエマージェシーコール。
千紗「にゃぁっーーー！？お姉さん 大変です 集合ですっ。 怪人さんたち発見しましたですっ！」
・・・・・・・・・・
同人戦隊 コミレンジャー 第１６話「さよなら コミパピンク！？ 覚悟必死のミラクルボイス！」
千紗「にゃーーーっ コミレンジャーのお姉さん達 コッチですーーーっ！」
詠美「ちょっと 遅いわよ レッド」
逃げ惑う人たちをかきわけ 千紗の声を頼りにしながら
瑞希（変身済）が現場に到着したのは 詠美とほぼ同時だったらしい。
現場には ほとんど人が残っていない
やはり 前回の影響があって 大多数は逃げだしたようだが
それでも 逃げ切れなかった幾人か倒れていた。
瑞希「くっーーー！ マタ間に合わなかったのっ？」
千紗「大丈夫ですっ みなさん まだ アソコにいるですっ」
千紗ちゃんの言うとおり。少女の指差す方向には 怪しい一団がたむろっていた
間違いなく ハラジロシスターズである。
撤収作業に気をとられ コチラの様子に気が付いていないようだ。
瑞希「他の皆は？」
千紗「黄色と黒のお姉さんは もうすぐ到着するはずです。 ピ、ピンクのお姉さんは・・・」
詠美「ふみゅ！？アンタ まさか彼女に教えたんじゃないわよねっ！？」
千紗「にゃあ！？ 千紗は連絡してないですよっ？ でも司令のおねえさんがーーー。」
瑞希「グリーンッ！ 彼女の仕事の邪魔したくない気持ちもわかるけど 今は緊急事態なんだし。」
詠美「そういうことじゃなくてっ −−−ああっ もうっ！こうなったら アノ娘の来る前に いちどうだじんよっ レッド！！」
『いちどうだじん』でなく『一網打尽』。・・・という ツッコミすら許さないほどの グリーンの闘気
そして ソコまで騒げば流石に向こうも気が付くわけで
オタク横「ダナッ！？アレに見えるは コミレンジャー！？ も、もう嗅ぎ付けられたんだなっ！？」
オタク縦「おのれぃコミレンジャー。 またもや拙者達の 綿密かつ完璧な作戦の邪魔する気でござるなっ」
瑞希「当たり前よ 罪もない人たちのコミックパワーを奪うなんて許せないっ！」
詠美「今回もコテンパンのケチョンケチョンにしてあげるわっ！！」
千紗「にゃっ！ 悪い人達を やっつけるですっ！」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
瑞希「・・・えっと 千紗ちゃんは 危険だから ここから離れてくれないかな？いい子だから」
千紗「はいですっ 千紗いい子にしてるです☆」
トテテテテ・・・・
詠美「・・・（こほんっ） そ、それじゃあ行くわよっ！ ハラジロホニャラカ！」
オタク縦「ええぃ ヤツラのパワーも吸い取ってやれでござるっ キャラーソン！」
怪人「キケエエェェェ−−−ッ！」
瑞希 詠美「！？」
ザッ！
現れたコア・オタークは 例えるならギターを背負った渡り鳥ならぬ
エレキを抱いたニワトリのような怪人だった。
ド派手に塗られた 顔のメイクや ちりばめられたパンクなアクセサリーに身を包んだ姿は
なにを奏でるか 想像させる。
ジャジャジャジャーーーーン！！！
怪人「キケキケキケーーーーェイッ ！！（ジャジャ！ジャッ！）」
そして 流れてきた今日はやはり メタルでロックな 電波なメロディ
一週間前 街に流れたもの と同質のもの。
オタク横「グフフゥ〜〜♪ どうでござる？ この曲は コミックパワーを吸い取られてるん・・・ダナッ！？」
・・・だが ゴッザールとナンダーナの目にしているのは 平然と立ってる彼女達。
オタク縦「なんと！？ 『ドレイン シャウト』が効かぬでござると！？」
詠美「フフンッ このわたしを 誰だと思ってるのよ！コミパグリーン様よっ♪」
瑞希「一般市民ならいざ知らず。その程度の攻撃 私達には効果がないようね。」
オタク縦「お、おのれ〜〜・・・」
予想外と見えた展開に 思わずたじろぐ ハラジロ幹部。
・・・しかも・・・
由宇「うしっ！ 見せ場には間に合ったなっ」
彩 「・・・すみません 遅くなりました。（ペコリッ）」
遅れていた二人も到着。これで戦局は 更にコミレン有利。
詠美「ふん 遅かったわね。私たちだけで 片付けちゃうところだったじゃないの。」
瑞希「そうね ピンクは居ないけれど このまま 私達だけで かたをつけるわよっ」
オタク横「グ、グフフフフフ・・・コ、コイツラ楽勝とか いってるんだな ゴッザール」
オタク縦「スイーートッ ベリースイートでござるな コミレンジャ−！ さぁ お前等 出番でござるよ！
バッ！！
その時 彼らの背後に隠れていた一団が一斉に姿を現す。
羽織っていたマントを 脱ぎ捨てて現れたのはーーー
？？？「「「「「ウィーーーーー！！」」」
由宇「・・・って なんや いつもの戦闘員やないか。まったく毎度毎度ワンパターンを。」
オタク縦「それは どうでござるかな（ニヤリッ）」
オタク横「キャラーソン！曲名変更っ『ドーピング シャウト』ナンダナ！」
怪人「キケエエエエエエエーーーーィッ！」
ギャギャギャギャーーーン！
詠美「ふふーん♪ その曲はわたしたちに 効果ないってのわかんないのッ？」
オタク横「グフフフ あたりまえナンダナ 効果が有るのはーーーグフッ！？（ボコッ！ボコボコッ！）」
オタク縦「キタキタキタキタキタアアアアァァァーーーーーで ゴザルゥゥゥゥ！（ビキビキッ！）」
戦闘員「「「「ウウウゥゥゥウウウウイイイイイイィィｲｲｲィィｨｨｨーーーーｯﾂ！！！！（ベキベキベキッ！）」
全員 「「「「「！？」」」」」
・・・次の瞬間 彼女達は 目をみはった・・・
ゴッザールの肉体は いつもの二倍以上に膨れ上がり。
ナンダーナの皮膚は 赤黒い 不気味な皮膚に
更には 貧弱な体つきであった戦闘員達までも 血管（？）の浮き出た屈強な肉体に変わっていくではないか！？
彩 「・・・こ、これは・・・」
詠美 「ふみゅ！？なによ なによ なによっ？これも曲の力 なのっ！？」
オタク横「『ドーピング シャウト』はああぁ〜 闇のコミックパワーが増長ナンダナあああぁぁぁっ・・・（ズシンッ！）」
オタク縦 「セセセセ、拙者達マデェ パワーアップで ゴザルゥゥウウウウウーーー！（ギロリッ！）」
怪人「キケッ キケッ キケェェェイーーーーーッ！！」
戦闘員『ウウウウウリリリイイイイイッィイ！！」
ギャギャギャギャーーーン！
瑞希「！？み、みんな 怪人の演奏を止めるのよっ！ そうすれば 元にもどるはずっ！」
オタク横「そんなことぉおお させないんだなあああーーっ」
オタク縦「戦闘ぉぉぉ開始でゴザルウゥゥゥーーーーーーッ！」
戦闘員「「「「ウウウウリイイイイイイイイィィィーーーッ！！！」」」」
ドドドドドドッ！
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〜コミレンジャー 第１６話 その３ 完 次回 その４につづく 〜