プロローグ

「はいっ　収録ＯＫですっ」

ガラスの向こうのディレクター達から収録終了の合図がでる。
同時に　彼女、桜井あさひの口から　安堵の吐息がもれる。
ここは　とあるスタジオ内。
今回の彼女は　とあるラジオ番組のスペシャルゲストだった。

「お疲れ様　あさひちゃん」
「今回は　ありがとうございました　あさひさん。」

先ほど収録の終了したラジオのパーソナリティをつとめる二人からも
ねぎらいの言葉がおくられる。　あわてて　お辞儀する　彼女

「あ、え、えと　お疲れ様でした。今日は　すみませんでした　
　わ、わたし　うまくアドリブができなくて　な、なんども　どもっちゃて　その・・・」

ちなみに　彼らは　某戦記アニメの主役とヒロインであり、
このラジオ番組も　もともとは　そのアニメの広報が目的のインターネットラジオだったのだが
二人のやりとりが　予想以上に好評を得たため、アニメの最終回後も続いている

そんなわけもあり　アニメのほうもＴＶスペシャル版の放送が決定。
桜井あさひもゲストキャラとして出演するため　この場所に呼ばれたわけである。

「いやいや　お互い様ですよ　あさひさん。　僕も収録中は　いつも汗がでるは声が裏がえってしまうわで
　それに　どもってるアナタも　とても可愛かったですよ。（ニコッ）」
「そうですねっ。収録中にも　なんども　あさひさんカワイイって　連発してましたね　ほんとなんどもなんども」
「え？イヤイヤ　ソンナコトナイデスヨ？」
「ありましたっ　私にたまには　可愛いっていってくださいよ。　じゃないと　刺しちゃいますよっ　もぉっ！」

・・・顔こそ笑っているが　フォークを握り締める彼女の姿は　まったく冗談に見えない。
二人のやり取りに狼狽する。桜井あさひ

「ハハッ、そ、そういえば　これから　あさひさんは　これから別のお仕事なのかな？」

・・・が　そんな彼女の態度を　強引かつ見事にスルーしてしまう彼
　ただものではないと言うか　番組そのままというか・・・。

「は、はいっ　あ、じゃなくて、お仕事というか・・・（ケホッ）」
「あれ？　ひょっとして風邪なの？　あさひちゃん。」
「い、いえ　さ、さ最近ちょっと　その、喉を使いすぎで・・・（ケホッ）」
「それは気をつけたほうがいいですね　。先に病院で見てほうがいいですよ。あさひさん
まだアニメの収録も終わっていないわけですし、僕達にとって　声は命と同じくらい大切なのですから。」
「で、ですね　気をつけますです。はい（ケホッ）」

・・・・・・・・・

最後に　お二人に　もう一度挨拶をして　桜井あさひはスタジオから離れた。
喉の調子が　少し気になるが　特に問題ないであろう。

次の彼女の目的地は　仕事といえばそうでもあるような　そうでもないような　特別の場所。
彼女と同じ特殊な能力をもった仲間と集い、平和のために戦っていく　大切な場所である。

・・・そう　彼女が　次に向かう場所は・・・

・・・・

同人戦隊コミレンジャー　第16話　プロローグ

「さよなら　コミパピンク！？　覚悟必死のミラクルボイス！」

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〜コミレンジャー　第１６話　プロローグ　完　　次回　その１につづく　〜

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