【前回までのあらすじ】
秘密結社「ハラジロシスターズ」との死闘をつづける我らがコミレンジャー！
そしてついに！
塚本隊員、風見隊員、南博士たちによって
敵本拠地「シメキリオトス城」への入り口を発見！
いよいよせまる最終決戦にむけて
コミレンジャー達は決意と友情を
新たに固く誓い合うのであった！！
同人戦隊コミレンジャー
第３２話「大ピンチ！コミパダーク！！」
「ここやな・・牧やんのゆうてた場所は」
夜のとばりもおちて、街をいろどるネオンも消えた夜遅く・・
５人の少女達が閉園した遊園地の前に集まって・・・
途方にくれていた。
「こ・・こ、こんなとこからはいるんですか？」
「木は森の中にかくせといいますが・・・・」
「だけど、どないしてはいりこむんや？ウチここの見取り図ないで」
「マキちゃんがなんとかするっていってたけどぉ？」
「遊園地の特設ステージが入り口なんて、趣味まるだしじゃない」
５人が次々に口をひらき、最後に瑞希があきれたようにため息をつく。
すると・・
「みなさん、こっち、こっち」
閉園したはずの園内から鈴香が手招きをしている。
「「「「「鈴香さん？」」」」」
「はやく、はやく。ここからはいれますよ」
「なんでそんなとこにおるねん？」
「警備員と警備システムにちょっとねむってもらいました」
おそろしいことをさらりといって、１つウインクをする。
「いったい？どおやって？」
「それは企業秘密ですよ、瑞希さん」
「・・・・」
よく考えればとんでもないことを、
さわやかな笑顔と「企業秘密」の一言でかわされてしまって、おもわず沈黙する。
「さあさあ、はやくしないと、みんな目をさましちゃいますよ」
「・・・・・・・・・」
よくよく考えれば、自分たちはとんでもないことをしてるんじゃないだろうか？
このまま入っていいものだろうか？という不安が頭をよぎる。
が・・詠美は胸をはってあっさり園内にはいりこむと
「さっすが鈴香さん、くびおはじょおじょおのよおね」
と、くぃーんらしくのたまわれる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
さらに増幅する不安。
すると彩と由宇が続いて入園し、彩がぱたぱたと詠美のそばにかけよった。
「なーにトロトロしてんのよぉ☆詠美ちゃんさまを待たせる気ぃ？」
詠美がのこる２人にぶーたれる。
「でででで、でも・・・・」
「不法侵入・・・・・」
なおも躊躇する瑞希とあさひ。
そんな２人に由宇と彩が小さく鋭く言い放つ。
「ばれなええんや、ばれな」
「大事の前の小事・・・」
しーーーーん
夜の暗闇が静寂をさらに強調する。
が、ここに２人とりのこされるのもいやなので、不安と不満を顔にたたえ、
しぶしぶながら瑞希とあさひも歩をすすめる。
「これで・・全員ですね」
かしゃぁぁぁん
５人が園内に入るのを確認してから鈴香はゆっくりと門をしめる。
「じゃあ、みなさんがんばってくださいね」
「鈴香さん？」
瑞希が声に反応して振り向くとひらひらと手を振る鈴香の姿は園外にあった。
あわてて門にかけよる５人。
もちろん鍵はかかってる。
「ちょいと！鈴香はん、どういうこっちゃねん」
「ふみゅう☆おきざりぃぃ？？」
「ひひひひ、ひどいですぅぅぅ」
「人非人・・・・」
「鈴香さん？説明してください」
血相かえる５人組にちょっとひきながら鈴香は
帽子をかぶりなおしながら残念そうな顔をする。
「司令の・・命令なんですよ」
「マキちゃんの？」
「ええ、私もみなさんの力になりたいんですが
私はここの警戒と外部との連絡係のようです」
「・・・・・・・・・」
鈴香のすごくつらそうな表情におもわず言葉を失う５人。
「ですから・・・・・・
ですから、みなさん、警備員が目をさます前に突入してくださいね♪」
どがっしゃぁぁん！
「警備員にみつかるとやっかいですからね
・・ってどうしたんですかみなさん？うずくまってしまって？」
「・・ふ・・ふみゅぅぅん」
「け、結局ウチらでなんとかせぇ・・ちゅーこっちゃな」
「さ、最近、鈴香さん・・南さんに性格が似てきたんじゃぁ・・」
こくこく。
「あ、あ、あたしたちってば・・不、不幸ですね」
・・・・こうして、コミレンジャー５人は
立ち直るまでの貴重な数分間を門の前ですごすのでした。
「ついにきたか・・・」
深い闇の中、男は１人唇をうごかす。
男の眼前に３つの影にがうかびあがる。
「天王さま・・・」
「おまえらか・・・」
「コミレンジャー・・私たちにまかせてもらえないでしょうか？」
「かならず阻止してみせます！」
「・・・・いいだろう」
わずかな沈黙のあと、男は遠い眼のままで答えた。
「やったーーーー♪ありがたきしあわせ！」
「ゆけ・・クリスタルグリッターズ」
「「「はっ！！！」」」
ふたたび闇にとりのこされる男。
そして、彼がさびしげな表情でかすかに呟いた言葉は
本人にしか認識できないほど小さな呟きだった。
「はたして・・俺のところまで来れるか？瑞希・・」
「この先に、カリスマンがいるんですね・・」
「ふん！真の世界の支配者はこの詠美ちゃんさまだってゆーことを
きょーいくしてあげないといけないわね」
こくこく。
何をうなずいてるのかはわからないが、とりあえず瑞希たち５人は
「飛竜戦隊ドラゴンファイターショー」という看板が
かかげられた屋外特設ステージ前に来ていた。
昼間はこどもたちでいっぱいだったであろう会場も、
今はもちろん５人をのぞいて人っ子１人いない。
そんな中を５人は南さんたちが発見した
シメキリオトス城へつづくという通路へむかっていた。
「けけ、けっこう広いですねぇ」
「・・・・・・・」
あさひが瑞希に話しかけるが、瑞希の反応がない。
「あああ、つつつ、ついに・・いい、いよいよですね、瑞希さん」
「・・・・・・・・」
またまた瑞希は無反応。
瑞希に無視されたと思ったあさひはたちまち泣きそうになる。
「みみみ、瑞希さん、ああああたしなにか
わわわわ、わるいことししたでしょうかぁ？」
「・・・・・・・え？あ、ごめん。あさひちゃん。
なに？あたしぼーっとしてた」
あさひの声に一瞬われにかえる瑞希。
しかし目の前にはすでに半泣きモードにはいったあさひがいる。
「ほほほほほほ、ホントですか？
あ、あたし瑞希さんにきらわれたんじゃないかって・・」
「そ、そんなことないって」
「ほほ、ほんとですか？」
「ホント。ホント」
こうなるとあさひをなだめるのはホント一苦労だ。
瑞希が必死にあさひをなだめてると・・・
「あ〜レッドがあさＰいじめてる〜〜」
「ん〜〜？なにやっとんのや瑞希っちゃん」
「・・・・・・」
他の３人がやってきた。
「あ・・あたしはべつになにも・・」
うろたえる瑞希。
そんな瑞希に由宇は「はっはーん」というような笑みをうかべて
「ぽん」と肩に手をまわす。
「あかんでぇ瑞希っちゃん。いくらオトコのことが心配でも
あさＰにやつあたりはいかんでぇ」
「・・あ、あたしはそんなわけじゃ・・・・」
「・・・・・・・・・」
赤くなりながらうろたえる瑞希を彩がジト目でにらんでる。
「ちょっと！レッド！いっとくけどね！」
「な、なに？」
「いいこと！？あいつをはじめ全人類、この『せーきまつくぃーん』
詠美ちゃんさまのしたぼくでポチポチなんだか・・」
どげしっ！
「ふみゅ〜〜〜〜ん☆ぐーでぶったぁぁ」（涙）
「・・あほやっとらんで、いくで・・ったく・・・」
歩み始めた由宇がふいに立ち止まる。
「どうしたのよ、ぱんだ。急に立ち止まったりしてぇ」
由宇にぶつかりそうになって文句を言う詠美をよそに、
由宇の声に緊張がはしる。
「詠美・・」
「ふみゅ？」
「きたで・・」
「みなみで？」
「東で西で・・・・・・」
「なにゆーとんねん彩Ｐも！ちゃうわ！敵っちゅうことや！！！」
由宇の叫びとともに、とたんに露骨になる３人の気配！
と同時にスポットライトが舞台にのびる。
つづいて踊り出る３つの影！！
「「「よく気づいたわね！ここから先はとーさない！！！」」」
「白きマーユ！」
「紅きミーホ！」
「翠のユーカ！」
「３人あわせて・・」（すすすすす）←３人寄ってます
「「「クリスタルグリッターズ！！！！」」」（びしぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ！！）
・・・・・・・・・
目が点になる５人。
「キメポーズ・・・」
「スポットライトにスモークまで・・・・」
「ここ、効果音も・・」
「むかつく、むかつくぅ！悪役のくせにぃ！！ちょおなまいきぃぃぃぃ！！！」
「出よったな！ウチらの邪魔する気かい！
甲子園浜に埋められる覚悟できとるんやろな！！」
「みんな！変身よ！」
「「「「うん！！！！」」」」
負けじと変身するコミレンジャー。
しかし、クリスタルグリッターズが狙っていたのはそこだった。
「ふっふっふっ☆マチカネていたわこの時を！」
「ワラウカドにはフクキタル☆」
「掟破りの必殺技☆変身途中で攻撃しちゃいましょう♪」
「「「くらえ！タキオンストレート！！！」」」
赤、白、翠。３つの光が１つになり、
巨大な光の奔流がコミレンジャーに襲いかかる！
が、変身シーンはとまらない。
「そんな！？」
「ずるい・・」
「いやぁ、やるなぁ」
「ふみゅぅぅぅぅぅぅぅん」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
お約束やぶりの攻撃にとまどう５人。
光の柱が眼前にせまり・・
ばしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ！！！！
コミレンジャーたちを襲ったのは激しい衝撃音だけだった。
「・・あれ・・？なんとも・・ない？」
もうもうとたちこめる煙の中、不思議そうに自分の両手を見やる。
「にゃはははは☆だいじょぶだった？５人とも？」
無傷で変身が完了したレッドが聞きなれた軽快な声に顔をあげると、
凛々しい蒼い影が視界にうつる。
「おまえは・・・・・コミパダーク！！」
「あ〜〜〜もーすこしだったのにぃぃぃぃ。バリアをはるなんて、ずるい×６☆」
「きっと出てくるチャンスをうかがってたんですわ」
「ダーク・・どうしてここに？」
「そんなことより・・みんな、ここはあたしにまかせてくれないかな？」
「ふみゅう！どーしてよ！？」
コミレンジャーをかばうようにクリスタルグリッターズを視線でとらえながら、
ダークは口をひらいた。
「わけありでね・・３人とも・・操られてるだけなんだ・・・」
「知り合いですか・・？悪の組織と・・」
ぴくぅっ。
ブラックの言葉に一瞬言葉が詰まるがダークは話をつづける。
「あたしたちは昔、１つのチームだった。仲間だった。
そして大切なともだち・・・・」
「ダーク・・」
「あたちたちは一緒に戦ってきた・・・特殊工作班『ＩＫＫＡＴＵ』」
「『ＩＫＫＡＴＵ』！？あの作戦遂行率１００％の・・伝説の！？」
「そう、でもそれは昔の話・・・・現にあたし達は作戦に失敗し
散り散りになった・・その作戦が・・」
ごく・・・・
５人が息をのむ。
「『ハラジロシスターズ壊滅作戦』」
クリスタルグリッターズ。いや、かつての仲間をみつめるその瞳には、
やるせない想いがあふれていた。
だれもコミパダークにかける言葉を見つけられないでいた。
「・・そんなわけだからさ☆ここはあたしにまかせて、みんな先へいってよ」
「でも・・・・・」
「『でも』じゃなくて！・・・おねがい。あたしの問題だから」
ダークはとびきりやさしくて、それでいてさびしい笑顔を
レッドに・・・瑞希にむける。
そんな笑顔に瑞希は胸がしめつけられる想いでいっぱいになった。
「ハナシはまとまったのかしら？」
「こっちをシカトしないでほしいわね」
「自分たちだけで世界をつくってもらってはこまりますわ」
「にゃははははは☆ごめんごめんご」
なかば無視された感じを受け、怒り爆発寸前の３人。
しかしダークが視線と意識をクリスタルグリッターズに集中させると
そんなものは一瞬にしてふきとんだ。
「くっ・・・」
そのあまりの威圧感に３人はおもわず圧倒される。
（これが・・コミパダーク！）
（なんて威圧感なの・・・！）
（さすがはタングス天王さまやラ・オーさまと
互角にわたりあっただけのことはありますわね）
そしてそれはコミレンジャー５人も同様に感じていた。
「すごい・・」
「・・・まさかここまでとはなぁ」
「ななな、なかなかやるよおじゃない」
「戦闘力はタングス天王と五分とみました・・・」
「ああ、あたしたちより強そうですね」
状況をみてイエローが決断をくだす。
「せやったら、ダークのいうとおりここはまかしたろやないの」
「でも・・・」
「そおね、やりたいってゆってんだから、
このあたしのどっとはらいぐらいやらせてあげよおじゃないの」
「露払い・・」
「地、地域的にはそおともゆうわね」
「でも・・・・・」
なおも躊躇するレッドに業をにやしたイエローがむなぐらつかんでひきよせる。
「レッド！あんたダークの気持ち無駄にする気かい！
あんたやったらどないする？もしあれが和樹だったらどないや！」
「・・・・・・っ！」
言葉を失う瑞希を彩がいざなう。
「いきましょう、レッド・・・」
ステージの奥へと疾走する５人！
「まちなさい！」
３人はわきをすりぬけステージの奥へ突入するコミレンジャーを追おうとするが、
コミパダークの存在感がそれを許さない。
「おっと・・きみらの相手はこのあたしさ☆」
「「「くっ・・・」」」
コミパダークの宣戦布告ともとれるセリフに
クリスタルグリッターズはおもわずあとずさる。
しかし、そんな３人を尻目にダークは舞台の影を見やった。
「・・と、その前に・・出てきなさい！そこにかくれてる２人！！」
暗闇の中からあらわれる特徴のある２人組。
「どうしてわかったんだな」
「ただものではないでござるな、お主」
「んにゃ☆ただヤマかけてみただけ♪そ・れ・よ・り・も！」
どげしっ！！（２ＨＩＴ）
ダークの攻撃がオタクたてよこに炸裂する。
「い、いきなり何するんだな！」
「ぼ・・ぼうりょくはんた・・」
どかばしぐしゃっっっ！！！（５ＨＩＴ）
オタクたての言葉をさえぎるかのようにダークの連撃がはいる。
「とっとと、あんたたちが持ってるコントロールクリスタルをだ・し・な・さ・い」
「そ・・そんなもの・・」
「・・しらないでござるよ」
びしばしどげごがっっっ！！！！（８ＨＩＴ）
・・・どちゃっ。
ダークの華麗な連続蹴りに、たてよこは宙に舞い・・・・落ちた。
「調べはついてんのよ！ミーホ達３人は
あんたらにうめこまれたクリスタルチップで操られてるということも！
そして、命令を出しているのが
あんたらの持つコントロールクリスタルというのともね！」
「な・・なぜそれを・・」
「うらぎりだ！うらぎりものがいるでござるよ！！」
ずがががががががががががっっっっっっ！！！！（１６ＨＩＴ）
驚きさけぶたてよこに、怒りゲージＭＡＸの容赦ない必殺技が披露される。
「クリスタルを出すの？出さないの？」（こめかみけいれん中）
「ひぃぃぃぃぃぃぃ」
「これっ！これでござるよぉぉぉぉ」
たまらず懐から透明の石をとりだすオタクたて。
「よこしなさい！・・これね、これさえこわせば・・・・・」
ぱりぃぃぃぃん
ダークはひったくるようにクリスタルうばい、破壊すると、
はじかれるように仲間のもとへ走った。
「ユーカ！ミーホ！マーユ！あたしよ！玲子よ！わかる！？」
しかしその時、涙とともにミーホを揺さぶるダークの腹部を衝撃が貫いた。
ダークが信じられない表情で視線を下にすると、そこにはミーホの左拳。
「くふっ・・・・・ミーホ・・・・・なぜ・・・？」
ミーホの不意の一撃に崩れ落ちるダーク！
それに呼応するかのように次々と襲いかかる３人！
「ふわははは！ひっかかったでござるな！我々が持っていたのは
ただの増幅装置でござるよ！」
「城の近くだから・・とくに命令波を増幅する必要はないんだな・・」
「クリスタルはカリスマン様が持っているでござるよ！ふわはははははは！」
「そ・・そんな・・・不覚」
さきほどの一撃で思うように体に力がはいらない。
だがそれだけではなかった。
ダークには友を攻撃することは出来ず、ただなすがまま、
きゅーりがぱぱにされていた。
「い、いい気味なんだな・・・」
「このままくたばるでござるよ！ゆくでござる！クリスタルグリッターズ！！」
「死んでもらうわよ！スプラッシュオブカラー！」
「御命頂戴！オーロラホワイトマズル！」
「最期です・・グリーンデザート！！」
ダークにせまる３人の必殺技！
「・・・・くっ・・・・・（おねがいみんな、眼をさまして）」
その時走る三本の銀色の閃光！
ばたばたばたっ！！！
あいついで倒れるマーユ、ミーホ、ユーカ。
「・・みんなっ？！」
「安心してください。気絶させただけです」
「なにやつでござるか？」
「愛の戦士・・コミパシルバー・・・・大丈夫ですか？ダーク」
闇夜に浮かぶ銀の影。
だがダークは自分をたすけてくれたありがたみよりも、
友を傷つけられたいたみの方がつい口にでてしまった。
「シルバー！あなたなんてことを・・・！」
「大丈夫です。彼女達なら、当身をあてただけです。
それよりも、あいつら・・・逃げます」
「・・・・にゃにゅ！？」
「や、やばいんだな」
「に・・にげるでござるよ！！」
シルバーの指差す方向に顔をあげると、
のろのろもたもたと逃げようとするたてよこの姿が！
・・・ダークの中でなにかがはじけた。
ダークは照準をあわせると、おのれの体を矢と化した。
「この期におよんでぇ！逃がさないわよ！ダークネスアロォォォォォォ！！」
どがしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん！！
「い・・痛いんだな」
「後ろからなにをするでござる！！」
時速１００キロのＢＭＷにひき逃げクラッシュをくらったような衝撃にひきつづき、
強攻撃のコンボがたてよこを襲う。
どかばきぼけっっ！！！（５ＨＩＴ）
「なにをいまさらいっているのかなぁぁ」
「「ひっひぃぃぃぃぃぃぃ」」
それまでのダメージに顔をゆがませながら静かにせまるダークに迫力に、
生命の危機を感じたたてよこはおもわず命乞いをはじめる。
「ちょちょっとまつんだな」
「じじじ、実は我々もカリスマンに操られているだけでござる」
「ふぅぅぅん、へぇぇぇぇぇ、ほぉぉぉぉぉぉ・・・で？」
おもいっきり冷たい眼。
「だ、だから今回は見逃してほしいんだな」
「い、いまので正気にもどったでござるよ」
すると、冷たい眼でたてよこを見下ろしていたダークの口から
意外な言葉が流れでた。
「・・だったらチャンスをあげよかな？」
「チャ、チャンス？」
「あたしが、これからキミ達をどっちの手からなぐるか？
もしあてたら見逃がしたげる☆」
ダークの心やさしい提案にオタク２人は色めきたつ。
「み、右なんだな」
「ブーーーーッ！」
「左でござるよ！！」
「ブッブーーーーーッ！！」
かたまる２人。
しばしの沈黙。
「「・・・・・ひょっとしてぇぇぇ！？両方ですかぁぁぁぁぁぁぁぁ！？」」
たてよこの恐怖あふれる悲痛なさけび。
あああ、だがしかし、駄菓子菓子。
そこにあるのは蒼き戦士コミパダークの天使のような魔性の笑顔。
にっこりわらって
「ううん☆蹴り」
刑の判決と執行がいいわたされた。
「「・・・・・・・ず、ず、ずる・・」」
どきゃぁぁっっ！！
問答無用で蹴り飛ばされ、宙に浮くおたく。
ダークは胸元で十字をきると、両腕のアームに光をたたえ天空高く舞いあがる。
「汝に、神のご加護があらんことを！一閃炸裂！超必殺クリムゾンクロス！！」
「「うきゃぁぁぁぁぁぁ！！！！！」」
たてよこの絶叫がひびく空をコミパダークは振り向かない。
「オペレーションは完了した。ここをお前達の本当の死に場所とするがいい」
「やりましたね、ダーク」
「ありがとう☆たすかったよ・・来てくれたんだね、シルバー。
と、でもどうしてここに？」
「はい、それは南博士が・・」
「南さんが？」
「ええ、鈴香さんがいれてくださいました」
どことなく聞こえる玲瓏な声にダークがまわりを見渡すと、女神のような女性の姿。
「瑞希さんたちは・・突入できたようですね」
南さんはダーク達ではなく、
たおれているクリスタルグリッターズのところへすすんでゆく。
そうして３人の近くまで行くと、ひざまずいて両手をかざす。
「南さん？」
南さんの予期せぬ行動に戸惑うダークの耳にそれこそ予期せぬ言葉が流れこむ。
「じゃあ、おねえさんがもとにもどしてあげましょうか」
「・・・・・へ？」
南さんのいきなりのセリフに目が点になるダーク
「だってそういう約束だったじゃありませんか」
「・・・は？」
「ですから、瑞希さんたちのてだすけをしていただけるなら、
『ＩＫＫＡＴＵ』のみなさんをもとにもどすのを手伝ってさしあげますよって」
「にゅ・・？き・・きいてませんよ？」
「あらあら、そうだったかしら？おかし〜わねぇ」
南さんは目が点のまま固まり硬直してるダークを見て不思議そうに、
こくんと首をかしげると、なおも言葉をつづけた。
「では、私の『ヒーリングエスカレーション』で
彼女たちのクリスタルチップを浄化・・・」
「ええええええええええ！？そんなことできるんですか！？」
これまたはじめて聞く言葉にダークは声を大にする。
「ええ、できますよ」
「じゃあじゃ、どうして今までだまって・・・？」
「だって・・・きかれませんでしたから」
南さん天使の微笑みにっこり攻撃。
・・・・・・勝負あり。
ダークはどっと疲労感をおぼえると、その場にぱたっとへたりこむ。
「あらあら、どうしちゃったんですか？うずくまっちゃったりして」
ダークも瑞希たちと同様に立ち直るまで数分間必要でした。
「じゃあ、私たちはここでこの娘たちを介抱してますね」
鈴香の案内でミーホ達を安全な場所に移動させると玲子は深々と頭を下げた。
「南さん、鈴香さん。３人を・・よろしくおねがいします」
「やだなぁ。そんなかしこまらないでくださいよ」
「私たちのほうこそ瑞希さんたちをよろしくね」
そう言われて、みんなすこし照れ笑いがはいる。
「にゃはははは☆じゃ、シルバー。あたしたちもいきましょか☆」
「はい！」
特設ステージに向かいならんで歩く。１歩１歩歩きながら決意をかためてゆく。
「それにしてもホントにきてくれたんだね。シルバー」
「はい、兄と・・いえ『ラ・オー』と対峙する決意がようやくできました」
そういって「きっ」と顔をあげるシルバーにダークはやさしく肩に手を乗せ
「無理をすることはないよ郁美ちゃん。
あたしが・・いや、みんながついてるから☆」
「玲子さん・・・」
そう言うとダークも顔をあげ、
ここ特設ステージで瑞希たちコミレンジャー５人が進んだ方向へ視線をむける。
「いこう・・！シルバー！！みんなのところへ！」
「はい！」
走り出す２人。そして玲子はちらっと振り返ると心の中でつぶやいた。
（南さん・・。ミーホたちをおねがい・・・あたしは・・あたしは
あたしみたいな思いをするヒトをふやさないために・・たたかう！）
同人戦隊コミレンジャー３２話「大ピンチ！コミパダーク！！」 Ｆｉｎ
【次回予告】
いよいよカリスマンの本拠地に突入したコミレンジャー！
しかし、その前に立ちはだかるタングス天王！
運命の決戦せまる！
和樹と瑞希・・交錯する２人の想いは？
次回、同人戦隊コミレンジャー３３話
「宿命の対決！レッドＶＳタングス天王」 おたのしみに！！