【前編のあらすじ】
「ちょ、ちょっといいかな？」
「牧村南女史でござるな？」
久々の休日を楽しむ南さんにせまる「あやしい２人組」！
一方、和樹とのデートを満喫？してる瑞希。
そんな中、南さんの身に危機がせまっていることを察したコミレンジャー司令部は、
南さんの所在を懸命に模索していた！
どうなる？南さん！
あやうし！南さん！！
くわしくは【前編】を読んでくれ！
今ならサービス満点だ！（爆死）
【アイキャッチ】
（コミレンジャー司令部）
「コ・・コミパピンク出撃準備Ｏ．Ｋ．です」
「装甲指揮通信車『コマンダーインチーフ』いつでも出れます」
「ブラック到着しました」
次々と出撃態勢がとられてゆく中、千紗は懸命に南さんの所在
・・・すなわち、妨害電波が一番強い所を限定していた。
「グリーン準備できたわよ」
「イエローもＯ．Ｋ．やで」
「千紗ちゃん・・！まだなの！？」
いつまでたっても、なかなか場所を特定できないでいて、
真紀子司令が思わずいらだちの声をあげた時
「にゃぁぁぁぁ☆ わかりましたぁ！
妨害電波が一番強いのは池袋のサンシャインですぅ」
「サンシャイン！？」
「サンシャインね！ わかったわ！ それで高瀬隊員の現在地は！？」
「えと、えと、にゃ☆ 瑞希おねーさんは後楽ガーデンですぅ」
その頃・・基地のモニターが示すように後楽ガーデンで遊んでいた瑞希達は・・・・
案の定、瑞希が和樹を振り回していた。
「ふぅ・・・・しっかしお前元気だなぁ」
「なにいってんのよ☆ あんたが軟弱なの」
「ううう・・しかしなぁ、絶叫マシン５連発はさすがにきついぞ」
「もぉしょーがないわねぇ・・だったら今度はアレにしよ☆」
そう言ってあたりを見まわした瑞希が指し示した先には
コーヒーカップがまわっていた。
「えっ！？ あれか？」
「アレだったらいいでしょ？」
観覧車との双壁を織り成す「カップル用アトラクション」。
しかし和樹の脳裏には恥ずかしさよりも別の思いが去来していた。
（瑞希のやつ絶対思いきり回すにちがいない）
その時、瑞希の右腕についてる通信機がけたたましく鳴った。
着信メロディーは「ＡｓＴｉｍｅＧｏｅｓＢｙ」４和音ｖｅｒｓｉｏｎ。
「おーい、なんか鳴ってんぞ瑞希」
「もぉ、またこんな時にぃ」
そういって、しぶしぶ回線をひらくと千紗のあわてふためいた顔がうつしだされた。
『あ、瑞希おねーさんですぅ』
「千紗ちゃん？どうかしたの？」
『南おねーさんが・・南おねーさんがぁ』
「南さんがどうかしたの！？」
千紗の泣きそうな声につられて、自然と瑞希の声にも緊張がはしる.
『高瀬さん。緊急事態よ。』
「あ、澤田司令。南さん・・どうかしたんですか？」
『まだわからないわ。でも・・敵の攻撃を受けてる可能性がたかいのよ』
「それじゃあ・・・」
いやな予感が瑞希をおそう.
『おやすみのところ悪いけど非常呼集よ。池袋のサンシャイン前公園を
集結地に指定するから ただちに前進してちょうだい。
みんなもう向かってるわ』
「・・・・わかりましたぁ」
がっくりと肩をおとす瑞希。
『ごめんなさいね。でも事は一刻をあらそうのよ。わかってちょうだい』
「わかってます。南さんを失うわけにはいきませんものね」
『おねがいね、高瀬さん』
プツッ・・・
「・・・・・・」
「瑞希ぃ？」
「きこえた？いまの」
「ちょびっと」
「・・・・というわけで和樹ごめん！あたし行かなきゃなんなくなっちゃった」
「南さん、どうかしたのか？」
「わかんない、ごめんねぇ。また今度うめあわせするからさ☆」
「そうだなあ・・じゃあこのカリは・・・・体ではらってもらおうか♪」
にやりと笑った和樹の意地の悪いセリフに瑞希はおもわず真っ赤になる。
「ななななにいってんのよ。このバ・・・」
「なにあかくなってんだ？瑞希に俺の部屋掃除してくれって頼んでんのに」
「・・・・・・・・・バ・・バ・・バ・・バカーーーーーーァァァァ！！！！！！！」
半径５０メートルに響こうかという叫びとともに
強烈な平手がうなりをあげて飛んできたが、
和樹はあっさり身をかわすと瑞希をせかすかのようにぱたぱたと手をふる。
「ほら、急がないとみんなまってるぜ」
「・・・・（ぐっ）覚えときなさいよ和樹！」
「ほらほら、とっとと行った行った」
「ふん！じゃあまたね！！」（どんっっ！！）
すたたたたたたたた・・・・・・
走り去る瑞希をだまって見送ってから和樹は・・唸った。
「いっつ〜・・・あいつおもいっきり人の足ふみやがってぇ・・・・」
うずくまったまま十数秒動かない。
そしてふたたび立ちあがった時、そこには千堂和樹ではなく、
ハラジロシスターズ最高幹部タングス天王としての顔があった。
「はじまったか・・・さて、俺も向かうとするか」
そうして彼の足も池袋の方へと進みはじめた。
すたたたた・・・
瑞希がサンシャイン前公園に着くと、
ちょうど由宇、詠美、あさひ、彩が公園に集結していた.
「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・」
「はやかったなぁ瑞希っちゃん」
「駅から・・走ってきたから・・・それよりも南さんは？」
ふるふる、と彩が首を横に振る
「まさか・・・・！？」
いやな考えが瑞希をとらえる。
「まだ・・・さがしはじめていません」
どがっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！
盛大にこける瑞希。
「え・・えとですね。
そ・・その司令が瑞希さん来るまで待てって言っててその・・・・・」
「２組にわかれてこの一帯を捜索するそうです・・」
「ウチと瑞希っちゃんでペアや。
んでもって彩と詠美とあさＰでもう一組。牧やんを見つけ次第保護。
通信機は妨害電波でつかえへんさかい３０分毎にここに集合。Ｏ．Ｋ．？」
「お・・おっけぇ」
瑞希はつっぷしながならもかろうじて応えるとその時!
「そうはさせない！！」
５人を止める声が公園内に響く！
「だれよ？」
「あ・・あそこです」
すると噴水をバックに１人の男があらわれる！
「あーーーーっ！！あんたは！・・・えとえと、えっとぉ・・・」
「タングス天王です」（ぽそっと）
「あーっそうそう♪だいふくてんおう」
「タングス天王だ」
「わかってるわよ、だんご天丼」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
公園をなんともいえぬ脱力感、無力感が漂った。
「あー・・えーっと天王はん。ウチらにいったい何の用や？」
「貴様らには用はない」
「・・・だったら帰ってくれんか？うちらいそがしいねん」
「勘違いしてもらっては困るな。 貴様らには用はないだけだ。『貴様ら』にはな・・」
「まさか？！あんたらのねらいは・・！」
「そう、南女史だ」
「どどど・・どうして・・でで・・ですか？」
「彼女の頭脳。 そして科学力だ。 世界一と評される美貌も魅力的だがな」
「ふみゅぅこのひきょーもん！」
「褒め言葉としてうけとっておこう」
「南さんをどうしたの！？」
「答える必要はない」
「刑法第２８１条・・不法に人を逮捕し、又は監禁した者は５年以下の懲役・・・」
ぱきぃっ。
彩の言葉にそれまで余裕をもって返答していたタングス天王の動きが止まる。
「刑法第２８５条・・営利目的の誘拐は１年以上の懲役・・・・」
ぱきぱきぃ。さらにかたまる。
「・・・・・・・犯罪者」（ぽそっと）
しーーーーーーーーーん
空気までもが漂白され固まったかのような感覚が公園内を支配する。
「今のうちに・・変身・・・・」
タングス天王が固まったままでいる隙に変身するブラック。
そしてそれにつられるように４人とも変身する。
「しまった！！」
気づいた時にはもう遅い。すでに５人とも変身が完了していた。
「コミパ・・ブラック」
「コミパグリーン！」
「コミパイエロー！！」
「コ・・コ・・コミパピンク♪」
「コミパレッド！同人戦隊・・・・」
「「「「「コミレンジャー！！！！！」」」」」
「・・・やるな！ だがここから先は通さない！」
タングス天王の腕が閃き、５本のＧペンが放たれると
５人を星型で囲むかのように地面に突き刺さる。
そして５本のペンがタングステンで結ばれると、
その端末を丸ペンで結び、街灯へと放った！狙いは街灯の中の電線！！
「くらえ！サンダーパヒューム！！」
バリバリバリバリッッッ！！！
「「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」」」」」
丸ペンが街灯に突き刺さると、
タングス天王によって増幅された電撃がコミレンジャーを襲う！
電撃にともなうあまりの熱に丸ペンの先が焼け落ちる。
「どうだ？電撃の味は」
コミレンジャーを見下ろすタングス天王がゆっくりと近づいてくる。
コミレンジャー達は必死に体を動かそうとするが、
電撃のダメージでまったく体がうごかない。
「あ・・あかん・・・」
「こ・・こ・・こ・・このままじゃ・・・」
「ふみゅぅぅぅ」
「・・・・・」
「う・・う・・和樹・・」
レッドと目があい一瞬ためらうタングス天王。
しかし、かぶりをふると意を決したかのように叫んだ。
「いくぞ！」
（やられる！）
５人がそう覚悟して身をすくめた時、
突如飛来したトーンナイフによってタングステンの鋼線が次々と切断されてゆく。
「なに！？」
「にゃはははははは☆どうやらまにあったみたいだね」
鋭い眼光で四周を見渡すタングス天王。 すると植えこみの中から蒼い人影が現れた。
「・・・貴様！何者だ！」
「おまえに名乗るななどない！ ・・だがあえていうなら蒼い戦士！」
そう言って謎の戦士はタングス天王におそいかかる！
ガシィィィィィィィッ！！ 激突する２人！
「それそれそれそれそれそれそれぇっ！」
「くっ・・！」
蒼い戦士のラッシュをなんとか捌くタングス天王。
戦っていてタングス天王は突然あらわれた謎の戦士の強さに驚愕していた。
（強い！この俺と互角・・！？）
タングス天王がバックステップをして間合いをとると、右の拳が輝き出す。
そしてそれに呼応するかのように蒼い戦士の左脚も光を帯びはじめた。
「砕け散れ！スタンナックル！！」
「ダークネスアロー！！！」
タングス天王と蒼い戦士の必殺技がぶつかりあう。
すさまじい衝突音とともに２人ともはじきとばされる。
「やるな！」
「・・・・やるわね」
２人は目をそらさずに不敵な笑みをうかべる。
するといきなりタングス天王は大きく後ろに跳ぶと構えをといた。
「・・！？逃げる気？」
「今日のところはひいてやるよ。 後ろの５人が復活しそうなんでな」
蒼い戦士が後ろをふりむくと、
それまで電撃のダメージで動けなかった５人がよろよろと立ち上がっていた。
その隙にタングス天王はさらに大きく距離をとる。
「しまった！！」
「さらばだ、蒼き戦士にコミレンジャー。今度逢う時がお前達の命日だと思え」
「逃げられたか・・・・」
そう言って唇をかむ蒼い戦士にレッドが後ろから声をかけた。
「あ・・あの、助けてくれてありがとう・・で、あなたは・・・」
「にゃははははははは☆だいじょぶじょぶ？」
タングス天王と対峙していた時のきびしい表情からは想像もできないような
あかるい笑顔できりかえされて レッドはちょっとあとずさる。
「いやー助けてくれて、おおきに☆」
「いちおー、礼はいっとくわよ」
「ありがとうございます・・・」
「あ、あ、あの、そ、そ、そそれでですね・・・・」
「にゃに？」
「「「「「あなたいったい誰？」」」」」
声をはもらせ、ずずっとつめよる。
「にゃははははは☆そ・れ・は☆」
「「「「「それは！？」」」」」（さらにずずずいっと）
「ヒ・ミ・ツ♪」
・・・・・・・
「「「「「えーーーー！？」」」」」
蒼い戦士はくちびるに人差し指をあて、ないしょのポーズをとると
ひらりと宙に舞った。
「ちょいとまち−や！」
「なに？」
「あんたも『ハラジロシスターズ』とたたかっとんのやろ！？」
「だったら・・仲間」
「そーよ！そーよ！この詠美ちゃんさまにきょーりょくするぎむがあるわよ」
「おねがい！あたしたちに力をかして！」
しかし、そういわれた蒼い戦士は「ふっ」とさびしそうな顔を見せると
「ごめんね」といいのこして去っていった。
「い、い、いっちゃいましたね・・」
「あーあ、やっぱ詠美のアホの言い方がまずかったんやろなぁ」
「ふみゅーん☆なによ×６」（泣）
「あの・・そんなことよりも・・・」
「なんやねん？どないした？彩Ｐ」
「南さん・・・・・・」（ぽつり）
ひゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
ふきすさぶ風。
しーーーーーーーーーーーーーん
漂白する空気。
「「「「すっかりわすれてたーーーーーー」」」」
「やっぱり・・・」
彩の一言で一番重要なことを思い出した４人は
一気にパニックにおちいってしまった。
「牧やーん！牧やんどこやーーー！？」
「ふみゅぅぅぅぅん☆南さーん」
「ど・・どうしよう」
「あわ、あわ、あわわわわわわわ」
「呼んだかしら？ 由宇ちゃん」
ぴたっっ。 動きがとまる。
大騒ぎする５人の耳に背後からききなれた声がながれこんだ。
「あらあらまあまあ。 こんなところでばったりあうなんて♪」
ぎぎぎぎぎぃっと首をまわす。
「こんなぐうぜんがあるものですねぇ」
・・・・・・・・・・・
「「「「「南さん！？」」」」」
「はい☆」
そこにあるのは天使の微笑み。 まぎれもなく正真正銘、南さんだ。
南さんにかけよる５人。 するといきなり・・
「南さん！ なんともなかったの！？」
「だ、だいじょうぶですか？」
「なにもんかに襲われなかったんかい？」
矢つぎばやに質問をあびせる。
すると南さんはまたまた天使の微笑みをうかべると・・
「ええ、おそわれましたよ☆ ハラジロシスターズさんに」
「「「「「それで！？」」」」」
「髪を蒼くした方達にたすけていただきました」
にっこり微笑む南さん。しかし５人は南さんの言葉に、はっと顔をみあわせる。
「まさか・・？」
そのころシメキリオトス城・・・・
「どういうことだ・・？」
怒りをはらんだタングス天王の声が城のホールに響いていた。
そしてその怒りの鉾先と視線の先には、
タコ殴りにあい瀕死の重傷を負ったオタクたてよこの姿があった。
「きさまら・・・俺がコミレンジャーを抑えている間に
南女史をさらうこともできないとは・・とんだ役立たずだな」
「ひ、ひどいんだな。 きいてないんだな」
「話がちがうでござるよ天王殿」
「・・？ どういうことだ？ 説明しろ」
「ぼ、ぼくらはいわれたとおりに南女史に声をかけたんだな」
「そ、そ、そうしたら、いきなりワケのわからない連中がでてきたでござるよ」
「ぼ、ぼくは髪を蒼くしたやつになぐられたんだな！」
「拙者なんか火のついたタバコをおしつけられたでござるよ！！」
「た、たしかＬＡＲＫってタバコだったんだな」
「どういう事だ。マイ同志」
オタクたてよこが泣き言をわめいてるところへカリスマンがあらわれた。
「俺達にさからう奴が増えたってことさカリスマン」
「そうか・・だが我らが野望の前に立ちはだかる者は消去せよ！」
「ああ、わかってる」
なおも、わめきつづけるオタクたてよこを尻目にタングス天王は笑みをうかべた。
「蒼き戦士か・・フフフ、おもしろい」
「蒼い戦士・・」
一方、こちらコミレンジャーも突如あらわれた謎の戦士に思いをはせていた。
が・・・
「ではみなさん、こうしてそろったことですし
美味しいパフェでも食べにいきませんか？
かわいいお店をみつけたんですよ」
何事もなかったかのように南さんは、またまたまた天使の微笑みを５人にむけた。
「・・・・・・・」
一気にそれまで張り詰めていた緊張感が崩れ去る。
「あらあらどうしたんですか？ みなさん？ だまっちゃったりして」
南さんが困ったような仕草をみせると、由宇がはじけたように笑い出した
「あははははは、かなわんなぁ牧やんには」
「い、猪名川さん？」
「あはははは☆ええやん、ええやん。余計なこと考えてもしゃーないし、
ここは牧やんのゆーとーりパフェでも食いにいこか」
こくこく。
彩がうなずく。
「ふみゅぅ☆ パフェなんてくぃーんのたべものじゃなーい」
「あら詠美ちゃん☆おひつじ座からうお座まで１３種類ものパフェがあるのよ」
「ごく・・・」
「あーっ♪ 詠美ぃ、今ツバのみこんだやろ。ガマンはあかんでぇガマンは」
「な・・なにゆってんのよパンダ。あ、あたしわねぇ・・」
「なーなーなー♪ も・ち☆ 牧やんのおごりやろ？
うちら今あんまもちあわせないねん」
「あらあらあら、しょうがないわねぇ。ん〜☆
それじゃあお姉さんがごちそうしてあげましょうか」
「え？いいんですか？」
「やりぃーーーー♪」
「いただきます・・」
「ど、どーしてもってゆーんなら、いってもいーわよ」
「あ、あ、あ、あたし・・パパパフェ大好きです」
「じゃあ、意見がまとまったところでいきましょうか♪」
「「「「「はーーーい♪」」」」」
（ＥＤ「恋わずらい」イントロＳｔａｒｔ）
＜同人戦隊コミレンジャー１７話「南さん危機一髪！？」Ｆｉｎ＞