同人戦隊コミレンジャー　第6話「甘い罠・・・バレンタインにご用心！」【中編】

ミーホ「見ろ、者共。愚民達のあの様を！俗世に毒された者の最後だ！アハハハ！」
戦闘員「ウィ――ッ！！ウィ――ッ！！」
怪人「カ〜カオンッガァ〜〜〜〜！！」

　計画が始まってから既に２時間が過ぎた。
　街のあちこちが、無残に破壊されている。
　街の住人達の手によって…だ。

ミーホ「この調子で進めば、この街は機能を停止しよう。さすればアヤツ等とて…」

　勝利を確信したミーホ。
　既にその気分に酔いしれている。

ミーホ「ふんっ…バレンタインなどというものに浮かれているからだ。」

　そう言うと、足元に転がる食いかけのチョコを拾い上げた。
　チョコを握る手に、力をこめる。

　―――が…！！

　ヒュンッ――ビシィ！！

ミーホ「グゥ！？な、何ぃ〜！き、貴様等は…！」
？？？「女性達が想いを寄せている男性に作ったチョコ。
　　　　それを手にするには少し手が汚れているんじゃないかしら！？」
怪人「カカオ…ンガァ〜！？」
ミーホ「ま、まさか…こんなにも早く」

　ミーホの顔を凍りつく！
　計算よりも早く彼女達が現れたのに驚愕した！
　その、彼女達の名は…？

彩　「コミパ・・ブラック」
詠美「コミパグリーン！」
由宇「コミパイエロー！！」
あさひ「コ・・コ・・コミパピンク♪」
瑞希「コミパレッド！…同人戦隊……」

「「「「「コミレンジャー！！！！！」」」」」

　既に全員、変身を完了させていた！
　続けざまに一斉に構えを取る！

ミーホ「ウッ…クゥ！『コミレンジャー』めぇぇ〜〜〜！行け、オ・ターク達！」
戦闘員「ウィ――ッ！！」

ダダダダダ…

レッド「無駄よ！サーブ＆ボレー！」バシィ！！
戦闘員Ａ「ウィ！？ウィ〜〜〜〜！」
ブラック「私の後ろ…に回っても…定規ブーメラン…」

ヒュルルル〜ザクゥ！

戦闘員Ｂ「ウィウィ〜〜〜！！？」

　早くも優劣の差が出始める！
　コミレンジャー達の技は今日も冴えていた！
　歯噛みするミーホ！
　その手は怒りと悔しさに震えていた！

ミーホ「何をしている！タングス天王が見ているんだぞ…かかれぇ〜！」
戦闘員達「ウィ…ウィ〜〜〜〜！！」

　尻ごみする戦闘員達をミーホが一喝する！
　少しばかり勢いを戻す戦闘員達！
　だが、それは何の意味も成さないのだ！

グリーン「ブラッディ・ナックル！」ドグシャ〜！
イエロー「無段・電力驚級弾〜〜！！」バリバリバリ〜〜〜！！
ピンク「マスタァ〜！カァ〜ドッ♪」シャシャシャシャ！スパ！スパ！
戦闘員達「ウィィィィ――ッ！！」ドサドサドサ…

　アッという間の早業！
　自分達の１０倍はいよう戦闘員達を難なく撃滅する！

レッド「後はアンタ達だけよ？さぁて、どうする？」
ミーホ「…フッ。いつもながらやってくれるな、コミレンジャーよ。」
イエロー「はん。強がりはよしといた方がええのとちゃうんか？」
ミーホ「強がり？？…さて？…」

ミーホはさも心外そうに言った。

ミーホ「後ろに見えるあの亡者どもが見えんのか？」
グリーン「モージャ？なにいきなりモ○ャ公のことなんか…」
イエロー「アホ！チョコ食った連中のことや！」バシ！
グリーン「ふみゅっ！！い、いったいわねぇ〜〜〜！！」
ブラック「もしかして…人質に…！」
ピンク「ひ、卑怯です！そそそんなことをしてまで…私達に…！」
ミーホ「人質？そんな質面倒な真似を私がする必要は無い。やれ、カカオンガー！」
怪人「カカオンガー！！」ビシュシュ！！

　怪人は叫びを上げ、コミレンジャー達に攻撃を開始する！
　煮えたぎった熱い何かをとばす！
　だが、全員軽くガードするだけであった！

レッド「無駄ね。このくらいの温度、コミテクターには通用しないわ！！」
ミーホ「フッフフフフ…ハハハハハ！。つくづく貴様等はお目出度い。」
グリーン「な、なんですってぇ！アンタ何様なワケ！？ちょおむかつくわ！」
ブラック「！？…皆さん、待って下さい！…今、飛ばしてきた物は…！」
ミーホ「もう遅い！そぅら、亡者どもに踏み潰されるが良いわ！」

クルリ…クルリ…

暴徒Ａ「この匂い…チョコか？」
暴徒Ｂ「ククク食ワせろ〜〜！チョコが食いタいィ〜〜〜！！」

　ドドドドドドドドド…

レッド「そ…そんな！？」
グリーン「ふみゅうぅ〜ん。パンピー相手に手を出せるわけ無いじゃないのぉ〜！」
イエロー「二重の罠とは…１本取られたっちゅうワケや！」
ブラック「まさに…私達…は、一網打尽…です。」
ミーホ「アハハハハハ！！コミレンジャーよ！絶望に染まるが良い！！」
レッド「どうしよう！このままじゃ…このままじゃあ！！」

『――待って下さい！！』

　突如、大きな声が響く！
　この状況にあっても冷静な一同は、その声の主に振り返る！
　それは、コミパ・ピンクであった！

ピンク「大庭…いえ、グリーン！これを…」
グリーン「へ？なに…コレ。」
ピンク「マイクです。張り切って歌ってください！」

　マイクを渡すピンク！
　冗談とも思える行為だが、その表情は真剣である！

レッド「こんな時に…冗談をやってる場合じゃないのよ！？」
ピンク「じょ、冗談ではないです！私に考えがあって…！」
ミーホ「ハハハハハハ！気でも触れたか？いきなり歌を歌うなどと…！」
グリーン「この私の歌声で、狂った連中を元に戻す…とか？」
イエロー「！？…グリーンが歌う…元に戻す…そうか！！」

　念仏のようにブツブツと呟いたイエロー。
　何かを悟ったようだ！

ピンク「そんなところです、グリーン。それでは、ミュージック・スタート！」

　♪♪♪
（チャッチャラッチャ♪チャチャッチャチャッチャッチャ〜ン♪）
　私はえいみ〜
　こみパの女王〜
　天下無敵の作家なの
　♪♪♪

　大声で歌い出す詠美！
　マイクを片手に大熱唱する！
　だが、その歌声は…！

　パリーン！ガッシャーン！ガランガラン…
　キャイン！キャイン！キャイ〜ン！！

暴徒達「おああああああああ！！？頭が割れるぅ〜〜！！」
ミーホ「うああ？！何だっ、この歌声は！？」

　♪♪♪
　和樹やパンダは目じゃないの
　壁際スペースどんと来い
　ネタもうまいの  まかせてよ〜
　♪♪♪

怪人「カ、カカオンガー！！！」ボンッボンッ！！
ミーホ「いけない？！電波発生装置が…！！」

　ここでようやく、音楽が停止した！
　暴徒達は皆、歌の影響か電波の消失か。
　糸が切れた人形のように倒れてしまっていた。

ピンク「これが秘奥義『ミラクル・ヴォイス』です♪」
イエロー「そやった。これがあったんや！カラオケ行った時に地獄見た歌声や！」
レッド「さすがはグリーンね。こんな凄い特技があったなんて。」
ブラック「レッドは…まだ聴いて…ませんでしたね…。」

　グリーンの奥の手である歌。
　アッという間の逆転劇に、メンバー達は賞賛の声を上げる！
　すこし、問題のある発言だが。

グリーン「…今、端的にこき下ろされた気が…」
レッド「さ、さあ！仕上げよ、みんな！」
ピンク「はい♪」

　そういうや否や、全員がフォーメーションを取る！
　この独特の構えは、敵が何度も辛酸を舐めさせられた、必殺の構えだ！

ミーホ「しまった！ちぃ、もう遅いか！」
レッド「はぁぁぁぁ…」
ブラック「知と…」
グリーン「技と！」
イエロー「力と！！」
ピンク「愛と♪」
レッド「正義のパワー！…受けなさい！コミパワー、究極の力を！！」

　ブゥゥ〜〜……ン！！

『ハートフル・ブラスタァァァーッ！！(♪)』

　フォーメーションの中心より放たれた究極の技！
　最強の技、ハートフル・ブラスターの光が、奔流となって怪人に突き刺さる！
　眩く温かい閃光が、辺り一面を呑みこんだ！

怪人「カカオンガァァ――」

　ズッ……ドッカァァ〜〜〜〜〜〜ン！！

　ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

　奔流が消え去った後、そこには怪人の姿は消えて無くなっていた。
　恐るべき必殺技、ハートフル・ブラスターによって。

ミーホ「くっそ〜！だがまだだ！出でよ、ナンダーナフ！ゴッザール！」

だが、いつものように、勝負は終わっていなかった！

縦「わ、わかったんだな。」
横「拙者達は今回出番無しかと思ったでござる。」
縦「冷や冷やモンだったんだな。」
横「まったくでござる。」
ミーホ「え〜い！早くせんか！！」
横「わわわ…わかったでござるから、その手を戻して欲しいでござるぅ！」
縦「は、早くするんだな。」

　お互いが目配せをすると、横に並び、何やら怪しげに踊り出す。
　すると、異様な力場が発生し始めた！

『ムゥ〜ヌリャ！桃色毒電波ァ〜〜〜〜〜♪』

　ムオンムオンムオン〜〜バチバチッ…！！

　桃色に染まった電波らしきものが怪人の残骸を包み込んだ！
　見る見るうちに怪人が復活する。
　そして…巨大になっていくではないか！！

レッド「ああ！何てこと…」
イエロー「アカン！ディープ化（巨大化）しよったでぇ！！」
グリーン「だったら…こっちも『カイザー』で応戦よ！」
ピンク「早速鈴香さん達を呼びましょう！」
ブラック「聞こえ…ますか、本部。こちらブラック。至急ビッグ・グリフォンを…」

　遂に敵を追い詰めたコミレンジャー！
　だが、巨大化した敵。
　彼女達は巨大化した敵を、見事に倒す事が出来るのか！？
　戦え、コミレンジャー！
　頑張れ、ソクバイ・カイザー！

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