徐々に迫る決戦の時…！
敵、味方共に新たな戦力、新たな力が加わる中
激化する戦闘に緊張の高まる我らがコミレンジャー！
それは、各々口にはせずとも、全員が『総力戦』を
意識し始めた証でもあった！
固い決意と友情！
同人戦隊コミレンジャー！
今日も5人で悪を討つ！！
「チェンジ！コミック・パワー、コスプレーション！！」
同人戦隊コミレンジャー 第27話
『決戦への前奏曲（プレリュード）！ 命を賭した縦と横！！』
徐々に迫る決戦の時…！ 敵、味方共に新たな戦力、新たな力が加わる中 激化する戦闘に緊張の高まる我らがコミレンジャー！ それは、各々口にはせずとも、全員が『総力戦』を 意識し始めた証でもあった！ 固い決意と友情！ 同人戦隊コミレンジャー！ 今日も5人で悪を討つ！！ 「チェンジ！コミック・パワー、コスプレーション！！」 同人戦隊コミレンジャー 第29話 『決戦への前奏曲（プレリュード）！ 命を賭した縦と横！！』 …シメキリ オトス城。その、総統の間。 通常ならば総統であるカリスマンが一人で居ることの多いこの場所。 しかし、今は違っていた。 総統カリスマン。 タングス天王。 無数のオ・ターク。 そして……。 「何故我輩がお前達をココに呼んだか…わかるか？」 響くカリスマンの声。 その声は、オ・ターク3人ほどに囲まれた2人の人物に向けられていた。 オ・ターク達は、その二人に槍を向けている。 「な、な、何故なんだな…？」 「こ、こここここここの様な扱いをされる覚えは無いでゴザルよ！」 そう。 それは紛れも無いゴッザールとナンダーナであった。 「ウィーーーー」 オ・タークが声を上げる。 「ほう…。この2人は覚えが無いそうだが…。 どう思う？我がブラザー、タングスよ？」 「別に、どうも思わないさ。」 ことさら『興味なし』の顔を見せるタングス天王。 「ならば我輩が説明しようか。」 「ウィーーーー！！」 カリスマンの声に答えたのは、2人では無くオ・ターク達だった。 ゴッザールとナンダーナはプルプル震えて縮こまっている。 「お前達も、我輩は同志だと思っているのだが… 一体、コミレンジャー相手に、何をしているのだ？ 同志ゴッザール、ナンダーナよ？」 「な、何って、頑張って、作戦立てて、倒そうとしてるんだな。」 「ひ、必死で、頑張っているんでゴザル…。」 「でも…成果は、明らかに0だな。 以前の拷問室も…まるで効果無し、か？」 やる気なさげに呟いたのはタングス天王だった。 「ぎくっ！」 「ギクッ！」 同時に萎縮する2人。 「まさにその通りだ。さすがはまいぶらざぁ。」 「ま、まままさか総統はボク達を…。」 「しょ、しょ、処刑にするつもりでゴザルのか！？」 「…お前達が、まい同志として あまりに使えないようならば…な。」 言い放つカリスマン。 微妙に、その目は普段とは違っていた。 「た、た、たたたたたたっっ…！ 助けて…なんだな！」 「つ、次はちゃんとやるから、殺さないでほしいでゴザルよ！！」 必死に懇願する2人。 しかし。 「オ・ターク達よ。その2人を連れて行くのだ！」 「ウィーー！」 「あーーーーれーーーーーー！！」
一方その頃。 秘密組織『コミックＺ』作戦室。 「……以上が、今後の私達の動向となります。 最高幹部であるタングス天王が表に出てきた以上 もう、これしかありませんから。」 コミレンジャーの5人を前にそう言うのは南。 「確かにな…。あの力、正直ごっつぅキツかったわ。 やられるまえにやる、これしかないわな。」 「……澤田司令が来てくれなかったら… 今頃は、きっと…。」 「私達…ここに、帰って来れなかった…。」 「な、なによなによみんな暗くなっちゃって！？ あいつのバケモノはやっつけれたんだし、ちょお楽勝に決まってるのに パンダまで沈んだ顔して！」 「黙らんかい、この大馬鹿詠美！ その後、うちら全員であいつ1人に全く歯が立たんかったん忘れたんか？」 「だ、誰が大馬鹿よ、このパンダ！ あんなポチポチ、このちょぉクイーンな詠美ちゃんサマが本気を出せば いつだってケチョンケチョンに出来るんだからぁ！」 「アンタの御託は聞き飽きたっちゅうねん！ ええ加減にせんと、ホンマこの先なぁ…！」 「やめてください2人共！」 大声で由宇の言葉を制したのは、あさひだった。 「あ…わたしってば、ごめんなさい。 急に大きな声出して…でも。」 あさひは一呼吸置き、この場の全員を見ながら言葉を続けた。 「あ、あの恐ろしい怪物だって、わたし達が力をあわせたら倒せたじゃないですか。 彼の…タングス天王の力は確かに強大ですけど、だからこそ わたし達はケンカなんかしないで力を合わせないといけないんです！」 その言葉と瞳には強い決意が宿っていた。 その姿は、彼女もまた平和を愛し、悪を許さない心の持ち主である事を 改めて全員に認識させるものであった。 「…ふふ、まさに、その通りですね。」 南が、にっこりと微笑む。 「澤田司令が聞いたら、とても喜んだでしょうね。 今日はお休みなので、少し残念ですね。」 「あ、いや…あの… は、恥ずかしいです…。」 すっかりいつもの調子のあさひ。 「照れる事ないやん。 正直、ウチは恥ずかしいわ…。 ゴメンな。」 「本当に…。今後も、力をあわせて頑張りましょう。」 「あたしなんか1人でもすっごいんだから 皆で力合わせたりしたら、ちょームテキよね！」 詠美がそう言ったと同時に、作戦室のドアが開け放たれる。 「にゃあ…千沙もとっても感動しました！ 少しでもお役に立つため、街のパトロールに行くですぅ！」 千沙は言いたい事を言ってしまうと、全力で駆け出した。 そして… 「にゃ、にゃあああああああぁぁぁぁぁ〜〜！！！」 どんがらがっしゃ〜ん… しかし…。 その騒ぎも全く意に介さず、一人窓の外に目をやる人物がいた。 …瑞希である。 （…タングス天王…。あなたは、誰なの？ 和樹…あなたは本当に和樹なの…？） （わからない…。） （………和樹。） （あの時…和樹の様子は、どこかおかしかった…。 あの時は気付かなかったけど、普段と… 何かが違った……。） 「瑞希…さん…？」 南の呼びかけも耳に届かず。 瑞希は、ただあの時見た『運命のタングス』の素顔を想っていた…。
そして。 場所は新宿中央公園。 そこにいたのは、コミックＺオペレーター 塚本千沙その人であった。 先程作戦室を出た際に派手に転んで窓ガラスに突っ込み そのまま外に飛び出して全身を強く打ちつけていたが それでも彼女は元気だった。 「千沙は…みなさんに比べて何も出来ないから 出来る事は全力で頑張るです！」 周囲を警戒しながら公園を歩く千沙。 「いつまでも、怪人さん達の思い通りにはさせないんですぅ…！」 彼女の決意は固かった。 今までは、ハラジロシスターズの怪人たちが騒ぎを起こして、それを退治に行くという いわゆる受身型の戦いが多かった中 少しでも被害を抑えるために、怪人誕生の瞬間を叩ければ… 千沙は、オペレーターとして、いつからかそう思っていた。 さらには、可能であれば敵の本拠地の 入り口でも発見できれば…と。 …だが、その思いは何とも皮肉な形で実を結ぶ事となる。
【後編へ】
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