「ふ、ふふふ・・・計算どぉ〜りっ！！」
「ほんと、あの６人目が出てきた時は ボク、どうなることかと思ったけど 結果おーらいって感じ？」
会場内に 高らかにさけぶは 紅のミーホ。
彼女のいつもの口癖であるが 言葉どおり進んだのは珍しい
「あとは〜 最後まで、うまく行くかどうかですねぇ〜」
「それは言わない約束よ ユーカ。この作戦はぜったいに 避けられないってば」
ユーカのツッコミも これまで が これまでだっただけに もっともである
・・・だが確かに コミレンジャー達 は これまでない危機的状況に瀕していた
次々と 攻撃に繰り出すも、 怪人の動きに翻弄される コミパレッド。
敵の怒涛の攻撃に 防戦一方のコミパブラック
コミパイエローの猛虎応炎弾は 怪人のマントに弾かれ
コミパグリーンが放つ必殺技も 当然のようにあたらず。
ピンクにいたっては 降り注ぐ巨大カボチャから逃げるので精一杯・・・
ーーーそして コミパダークもーーー
同人戦隊コミレンジャー 番外編
「Halloween ｏｆ the Dark 」
＝シーン3 ＝
「キキキキッ！」
ステッキを片手に 次々と振り回す カボチャ怪人
シュバッ バババッ！
「うお、と、はぁっ とりゃっとっ」
その次々と くりだされる攻撃を
ダークは 髪一重ながらも かわしていく。
最初こそ 虚をつかれ不覚をとったが
本気で防御に専念すれば 決して避けられないものではない、
・・・・・だが・・・
「・・・でも このままじゃ ジリヒンって ヤツなのよね〜。」
そう、彼女は この戦いのカラクリに感づいていた
この勝負は 長引けは長引くほど 圧倒的にコチラの不利となる。
「ーーーーやっぱ、一か八かしかないーーてカンジっ！？」
ブオッーーーゲシッ！！
痺れを切らした 大振りの攻撃っ。
だが ダークは しゃがんで かわし、と同時に足払い蹴りを繰り出したっ！
「キキッ！？」
まともに防ぐこともできずに 盛大に地面に転がる コア・オ・ターク。
追い討ち攻撃を加えれば 勝利は確実。
相手も ソレを恐れ、転がりながらも距離をとって起き上がるーー
「・・・・キキッ？」
・・・だが 目の前の彼女の行動は 不可解なものだった
「・・・・・・・・・・・」
ダークは 怪人から かなり距離をとって構えて・・・いや 構えているように見える。
だが その両目は固く閉ざされ、その両耳は自身の両手で抑えている。
・・・・構えというのは あまりにも異様・・・
その異様さゆえに 怪人も当惑する。
「・・・キ キィ〜・・・キッ！！」
（バシュッ！）
ーーーが ソレも一瞬。再び 繰り出す怪人の電撃！
「ーーー違うっ」
ダークは かわしたっ 見えないはずの攻撃を。
「キキキィッ！」
（バシュッ！）
「ーーーーコレもっ！」
再びの遠距離攻撃、コレもかわすっ
その距離は まさに紙一重っ。 彼女の右脇腹に 大きな黒こげが付く
「キッ、キキキキーーー・・・キッ！！」
ダッ！
このままでは拉致があかないと判断したのだろう。
ジリジリと 見定めるように近づいていく コア・オ・ターク パティグッズ
・・・そして 彼女は動かない。気づいていないのかーーーー否っ
「ーーー発見っ♪」
彼女の叫びとともに 右脚に炎が宿る。
蒼い炎は輝きを増しっ 今の炎は 白銀の列光！
だが、ともに 彼女と怪人の間合いも グングンちぢまるっ
「・・・ターゲット ロック・・・シュートッ！！」
グオンッ！
先に 動いたのはダークだった。 まだ 届かぬ敵に対し、強烈な右回し蹴りっ！
その衝撃波は炎と共に大地を駆ける蒼刃となり、 怪人の体をーーーっ
「ギッ！」
シュオン！
ーーーいや当らないっ！！ 刃は怪人の横をかすめ 遥か後方にーーーっ
その時 怪人はダークの目前
心臓めがけて突き出される 斬殺ステッキッ
それを彼女は 避けることもできず・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「・・・えっ 、こ、これはっ？ 」
コミパレッドは 困惑した。
確かに 今まで自分は 怪人と戦っていた・・・はず・・・。
だが 今目の前に いるのは・・・
「・・・にゃはは・・・よ、ようやく気が付いたようね レッドちゃん・・・」
怪人ではなく、コミパダークの悲壮な笑顔。
そう、レッドの突き出した剣は・・・
・・・あと数ミリのところでとまっていた。・・・・
「・・・いや〜 今回は流石にビビッった〜・・・あと数センチバストが大きかったら やばかった・・・カモね〜」
「え？い、一体何がどうなってーー・・・？？？」
「な、なんや？ 怪人がブラックに！？」
「・・・イエロー・・・？」
「ふみゅ！？ なんで私、ピンクを攻撃を？？」
「よ、よかった、み、みなさん 気が付いたのですねっ！？」
他のコミレンジャー達も 一斉に気が付いたようだ
互いに 相手の姿をみて 動揺している。
「？？皆も？？ーーー それに 元の世界に戻ってきてるし」
「あ、あの。戻ってきたわけじゃなくて。え、えと〜ですね 」
「まぁ、私達は、ぶっちゃけアレに騙されてたってワケ。」
・・・・・・・
ダークの指差す先にあったのは 先ほどの怪人の姿。
もっとも 今の怪人に反撃する力は残っていない
その顔には大きく焼き斬られ その体は青き炎に包まれ燃え尽きる直前。
・・・誰の攻撃によるものかは いうまでもないであろう。・・・
「あ、ピンクちゃんだけは ちゃんと気づいていたんだ☆」
「は、はい でも、皆さんに こ、声も聞こえなかったみたいで、ど、どうしようかとーーー」
「ムキィ−−−！ だから 一体 コレは なにが ど〜して どうなってるのっ！？」
「グ、グリーンさん！？ え、えとですね、ま、幻 だったんです。その、見えてたのが」
そう すべては怪人の特殊能力による幻によるものだった。
怪人の目から繰り出した閃光は、思い通りの世界を見せていた。それが怪人の能力。
・・・・もっとも 幻は所詮、幻・・・・
怪人の作る幻惑は 痛みを与えることほど強烈なものではなかった。
そのため 彼はコミレンジャー達に怪人と思わせて 互いに自滅させようとしていたのだ。
「なるほど、あの時 怪人・・・じゃなくダークが目と耳にをふさいでいたのは」
「うぃうぃ、カラクリ自体は 早めに気づいたからねぇ〜☆」
彼女達に見えていたのは すべて幻覚。聞こえていたのは すべて幻聴
よって 敵をとらえるには、残りの知覚で探すしかなかったのだ。
「・・・ごめんなさい ダーク。私が 気づかないばかりにーーー」
「ニャハハちゃんと気づいたから モ〜マンタイ♪」
「・・・ダーク・・・」
「ーーーって 勝ったつもりになってんじゃないわよ コミレンジャー！」
と 二人の会話に思い切り水を差す カナキリ声
そう 敵幹部 クリスタルグリッターズは まだ残っていた。
「ふ、ふふん！ほんの少しだけ 狂ったけれど、まだまだ私の計画どおりっ！」
「そうですよ〜 あのダークまでも〜傷ついているしぃ。これは絶好のチャンス到来〜〜？」
「だよねだよね☆ 今ならボク達の力でも〜・・・」
「ーーーーくっ、シツコイわね。あなた達程度なら 私だけでも。」
「・・・レッドちゃん ちょっとどいててくんない・・・？？」
「だめよ 怪我してるのだから 貴方は休んでーーー・・・ダーク？」
ブオンッ！
次の瞬間 彼女は レッドの隣には居なかった。
突然、眼前現れた ダークの姿に３人も動揺を隠せない。
「あ、あわわわ・・・」
「ミ、ミーホォ〜・・・」
「な、な、ななによっ！？ そ、そんなコワイ顔したって 怖くなんかーーー・・・」
「・・・ほんと いい加減にしてよね アンタ達・・・。」
彼女は ３人の言葉に耳を貸さず 彼女の前に手をかざす。
「・・・いいから 5つ数える前に 帰ってくんない？さもないとーーー」
「な、ふざけないでーーー」
「・・・５・・・４・・・」
「・・・そういえばぁ〜 手負いの獣が 本当に怖いって聞いたことないですか〜？」
「な、マーユ こんな時に なにを言ってーーー！？」
「・・・３・・・２・・・」
「ボ、ボク 、いち抜けたっ！」ヒュンッ
「わ、私もぉぉ〜っ 」ヒュンッ
「な！？ ちょっ！？二人ともーー！？」
「・・・いｔーー」
「じ、次回こそ、おぼえてなさいよっ ーーーー！ ふぇぇ〜〜んっ！！」
泣きながらも いつもどおり 捨て台詞を逃げていく。
いつもどおりの クリスタルグリッターズ。
「・・・・まったく 仲間同士で 戦わせるなんてーーーー」
・・・だが そんな 彼女達を見つめるダークの目は いつもと違い・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「−−−そんなの、あたしだけで十分だっての・・・」
「さぁ〜 今日のお仕事も このグリーン様の カレェ〜な活躍で お仕事も終了〜♪♪」
「ほいほい 寝言は後で存分にな。 ほな みんな基地に行こっか。めんどいけど、報告は済ませなな。」
「・・・・・・」
「・・・レッド？・・・（くぃっ、くぃっ）」
「・・・あ、うん。 ブラック。ちょっと待ってて。」
そう言うと、レッドは もう一度 今回最大の功労者を眺める。
・・・ダークは 未だに そのまま立たずんでいた。
彼女の表情は ココからはみることはできない。
だが 背中越しからも 悲しいほどに感じ取れ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・レッド・・・（くぃくぃっ）」
「・・・ごめん、やっぱり 今日は このまま帰るね。私は」
「・・・・・えっ？」
「え？ で、でも 皆で行かないと・・・」
真面目なレッドと思えないことばに 当惑する ブラックとピンク
そんな 彼女達を尻目に レッドはダークに近づくと、その腕を強く引っ張った。
「・・・・なに？ レッドちゃん」
「なにって 早く帰って 貴方の誕生日パーティーのやり直しよ。途中で抜けてきたわけだったし」
「あ、ああ、そうね・・・でも今日はもういいわ。 な〜んか イロイロと冷めちゃったし
・・・レッドちゃんも いきなりで迷惑だったしょ？」
ダークは レッドから目線をそらし 虚空をみつめる。
それは 彼女の拒絶の意思。
「まぁ 正直言うと ちょっとだけね・・・・だけどーーー。」
グキッ
「どわっ！？」
だが レッドは 首ごと無理やり目線を自分に向けさせる。
それは 彼女の抗議の意思。そして・・・
「ーーー玲子さん。貴方は 私を どう思っているかわからないし、
私も 貴方が 何を悲しんでいるかも分からない。
だけど、私は 貴方を大切な仲間だと思ってる。友達だとも思ってるっ。
その大切な仲間が悲しんでいるってのに そのまま ほっとけるわけないじゃないっ。」
「・・・瑞希ちゃん・・・」
「ーーーそれは ウチラも同じやでっ 瑞希っちゃん に コスね〜ちゃん。」
「！？ イエロー、みんな・・・」
「ふふんっ、アンタ達だけパーティ楽しもうたって そうはトンヤがナントカよっ」
「・・・一連托生・・・二人よりたくさん・・・」
「そや、二人より 皆で騒いだ方が楽しいにきまっとる。誘わんなんてみずくさいで。」
「は、はい、私も・・・あ、で、でも 司令さん達にはーーー」
「かまへん かまへん♪無線一つで こんな所で戦わせたんや。 あの二人には そのまま待たせとき」
「そうそう 後で作戦が長引いたとでも言っとけば・・・」
『聞こえているわよ。二人とも』
「「どわっ！？」」
通信機から放たれた冷たい声に 思わずのけぞる グリーンに イエロー
「あ、いややわ〜 司令はん 今のはジョークや ジョーーク♪」
「ふみゅ〜ん・・・」
『悪いけど、あなた達を言い訳を聞いたり 悠長に待ってほど 私達も暇は無いの。』
「し、司令。すみません 今回は 私が勝手にーーー」
『・・・というわけで 私達は仕事を終えて帰るから。あなた達も 報告は明日にしてちょうだい。』
！？
「・・・司令？それは つまりーーー」
『はい、司令と私のことは気にしないで 彼女のフォロー しっかりお願いしますね。』
「あ、ありがとうございます♪ 司令 教授」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・みんな・・・ありがとう・・・。
玲子は 心の底から深く感謝し、・・・そして 謝罪した。
・・・仲間とよんでくれた 彼女の好意に・・・
・・・心配してくれた かつての・・・に
・・・・
彼女は かつて 全てを失った。
かけがえのない仲間。 愛すべき親友。 そして自身の使命さえ・・・
それは 彼女自身が招いた悲劇。
そして 許されることのない 大きな罪
・・・だから 償いのつもりだったのだ・・・
新たに生まれた 五人の『光』達を
陰ながら見守り、時には助けることによって。
・・・自らを『闇』と名乗り 暗い世界に身を潜め・・・
だが、結局 己の本質は変えられなかったようだ。
時とともに そんな誓いも薄れていき、
いつしか 彼女も再び光に溶け込んでいた・・・
罪が消えたわけではない
闇を捨てたわけでもない
ーーーだけど、それでも もし許されるなら 今夜だけはーーー
ペシッ！
「アイタッ！？」
「ほらほら☆ホケっと しとったら 日付が変わってしまうで 今夜はアンタが主役なんやで コスね〜ちゃん。」
「え？ ニ、ニャハハ メンゴメンゴ。 んじゃ みんな コノまま瑞希ちゃん家に直行ーーーっ♪
今夜は朝まで盛り上がるわよぉ〜〜♪」
･･････・・・・・・・・・・・・・・・・
こうして コミパダークの活躍で 勝利を手にしたコミレンジャ−
敵は 更に狡猾かつ卑劣になっても、
彼女達には 強き心と絆の力が残っている。
大切な仲間と力を合わせ これからも 戦え 同人戦隊コミレンジャー！
・・・・・・・・・・・・・・・・
〜コミレンジャー 番外編 ２完 〜
あとがき
というわけで 今回はコミパダーク こと 芳賀玲子ちゃん誕生日記念ＳＳです。
もっとも 最初は誕生日記念ＣＧの構想（コミパダークＶＳかぼちゃ怪人）で考えていたのですが、
考えているうちに妄想が広がり 気が付いてみると一つの話に
というわけで 急遽ＳＳに変更してみました。
で、折角なので 本編に加えても問題なかったのですが、
実は 他の作品の構想は決まっていますし
また この話をドコに加えるか 整合性を考えるのが難しかったので
結局 番外編ということに してみました。
本編では立場上、 出番が少なかった彼女の活躍と その内面を
うまく描きたかったのですが いかがでしょうか？
では 今回も乱文で恐縮でしたが この辺で
もし ご購読いただき 少しでも楽しんでいただけましたら恐縮です。
それでは
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