同人戦隊コミレンジャー 第３０話 プロローグ
同人戦隊 コミレンジャー 第３０話 プロローグ
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【シーン１：ハラジロシスターズ 本拠地 シメキリオトス城 内】
「同志 千堂和樹よ。貴様には 感謝せねばならぬ。」
その言葉は 不意に彼にかけられた
声の主は 友であり仕えるべき男。総統カリスマン。
唐突な言葉に 仮面の男は怪訝な顔を示す。
「ん？。我輩の言葉が そんなに不服か？」
「いやーーそちらの名で呼ばれるとは 思わなかったからな。」
そのまま理由を言うことは 良しと思えず タングスは 思わず別の理由を口走る。
そう、今は アノ時から・・・自らの正体を明かし 表社会から決別してから・・・
既に数日が月日が経っていた。
「これは失敬、つい昔のくせがでな。」
そういうカリスマンの顔には 薄ら笑いが張り付いており 意図的であったこと示している。
いつもは 主従関係上 形式ばった会話をおこなう 二人だが、それ以外の場では 砕けた会話も多い。
別段 目くじらを立てることでもなかったので 彼も軽く流す。
「・・・それに 今のは『もったいなきお言葉』と いうやつだ。俺は お前の計画に 何一つたってはいない。」
「謙遜するな いまや我が元にコミックパワーは充分確保され、人類は我等が存在に恐れっ！怯えっ！
世界は負のオーラで包まれておるではないかっ！誇るがよい。 これも 汝の努力の賜物ぞっ。」
「だが 最終的には全て失敗に終わっている・・・コミレンジャー、ヤツラの手によってな」
彼の脳裏に あの五人の戦士の姿が 次々と鮮明に浮かび上がる。
・・・中でも コミパレッド、高瀬瑞希の姿が大きく浮かび・・・・タングスはその記憶を振り払う。
「気に病む必要などない。それは部下が無能たる所以。アレラの性能差を考えれば充分な成果。」
「ーーーとにかく 彼女達が最大の障害となっていることに変わりはない。
いい加減 手を打たなければ お前の目的もーーー」
「フッ 心配症だな マイ同志・・・だが お前の言うことも 至極もっとも。
新たなる門出の前には ゴミはキレイに片付けたほうがよい。誠にしかり」
「・・・まぁ、な」
・・・なるほど そういうことか・・・
男は ここにきて ようやく友の意図を汲み取った。
つまり これからはじまるのだ。総統カリスマン、彼の彼による彼のための真の世界征服計画が。
「・・・ハラジロシスターズ№２ 運命のタングス天王・・・ お前に授けたいものがある。」
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「こ、これは まさか ディープ・オ・ターク・・・なのか？」
「おいおいっ、あんな水増しモノと一緒にするな。甚だ不本意だ。」
明らかに気分を害した彼の声。だが気持ちはわかる、だから疑問系だったのだ。
確かに コイツとディープ・オ・タークと 呼ぶのは軽自動車とＦ１と同一視するか
最新ゲーム機をファミコンと呼ぶがごとき 愚行である。
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カリスマンに連れられ 訪れた場所・・・そこには 巨大な像があった。
禍々しき鎧を身にまとい 悠然とそびえたつソレは まさに魔神。
外観で 一番目を引くものは三組の腕。しかも 三組とも同じではない。
人間と同じ形状は硬く腕を組んでいる中間の腕のみ。
肩口より生えし上腕は 例えるならば猛き豪腕。体と同じく太く巨大。
脇より伸びし下腕は 例えるならば妖しき触腕。ワームのごとき うねりを見せる。
・・・だが なにより恐ろしいのは コレに籠められたコミックパワー・・・
・・・こんな巨大な力 自分に手ですら余るーーー
「安心しろ マイブラザー。コレの魂は弱めに作ってある
お前は ただ中にのりこみ念ずればよいのだ。さすればコレは お前の新たな手足となる。」
「・・・要はロボットのようなものか・・・」
タングスは 改めてその 巨大な魔神を見定める。
巨大ロボットならば タングス自身かつて具現化したことがある。
だが、アレは修羅場モードを使った状態で、しかも 数分ほどしか形を維持することができない不安定な代物。
ここまで現世に安定はしていなかった。
生命すら玩具のように作り出す 我等が総統の力に 彼は改めて恐ろしさを感じる。だが・・・・
「どうかね 同志？ これなら お前の悩みの種も たやすく取り除くことができよう？」
「・・・ああ、・・・確かに、これなら コミレンジャーも・・・・・・・」
仮面の男は像へと一歩を踏み出した。
そう もはや後戻りは許されない 行くは目の前の修羅の道のみ。
像の胸元は 魔物の口のように開く、まるで 地獄の底へと向かえ入れんとするように。
最後に 和樹は振り返り尋ねた。
「そういえば、コイツはなんと呼べばいい？名はもう付いているのか？」
「フッ 無論。 これこそ 我が力をもってして創りあげた至高の兵器。 術者が意のままに動く もう一つの肉体ーーー」
「ーーーその名も 同神使。『同神使 ダイジェス』」
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～コミレンジャー ３０話 その１に続く ～