・・・ここは 東京にある JR秋葉原駅
不況と呼ばれて久しい今でも 著しい開発が進められている この場所は
総武本線や山手線・京浜東北線などが連絡する非常に多くの人たちが利用する重要拠点
であり、もじどおり「アキバハラ」の表玄関である。

特に 最寄口である『電気街口』においては,終始 人の途絶えることはなく、
改札機前に 長い行列ができることも珍しくない。
そして  今そこに おなじみの五人の姿も・・・。



「同人戦隊 コミレンジャー第24話:
 萌える大捜査線!?秋葉原を調査せよっ(その2)」



・・・・・・・・・・

瑞希「・・・・・・(はぁ〜)」
詠美「ふみゅ? なによ ため息なんかついて。ようやく アキバに到着したってのに
    元気だしなさいよ♪」
瑞希「・・・う、うん 、さすがに こう人が多いと、ね・・・」

かなりご機嫌な詠美に 瑞希は乾いた笑顔で返す。
もちろん 一番の原因は到着したこと自体にあるわけだが
そのことは伏せておく。

由宇「でも 確かに平日にコノ人ごみは珍しいなぁ。まるで夏コミ開催期間や」
  「なにかのイベント・・・でしょうか?」
詠美「てゆ〜か 例の事件の えいきょうじゃない? 一応、今回の目的になってるヤツ。」

そう 今回の彼女たちの目的は 最近 新聞を騒がせている「同人誌店連続襲撃事件」
の犯人を 捕まえるための 潜入捜査、というかパトロールである。
・・・『一応』とつけてるあたり 見事に本音が駄々漏れているが

瑞希「?でも それなら 逆に人が少なくなるのじゃないかな?
    今は夜間しか襲われていないけど 危険なことには変わりないし」
詠美「チッチッ! ナニ言ってるのよっ 一応リーダーのくせに。
    いつ襲われるかわからないからこそ、今のうちに買ってくんじゃない。」
瑞希「そういうものなの?」
詠美「とーぜんよ。ちょっと前の 牛丼騒ぎの時だって 。
    危険だって 言われてる牛丼をパギュパギュ 食べてさ。」
瑞希「あ、、そういわれてみれば・・・」
詠美「でしょでしょ〜? あと、転売なんか考えてるヤツもいるのかもね
   このまま 店が襲われて本がなくなれば『きしょ〜かち』が
   あがりそうだしーーー?なによ温泉パンダ? 私は そんなこと考えてないわよっ?」
由宇「・・・いや、素直に感心しとったんや。詠美も マトモな思考ができるんやなって。・・・極たまには(ボソッ)」
詠美「ふふ〜ん♪ なんてったて 私はインテリジェントルメンなんだからっ☆」
  「・・・紳士・・・」
由宇「うん それでこそ 詠美ちゃん様やw」
詠美「ふみゅ?」
瑞希「(はぁ〜) みんな、無駄話はその辺にしてーーー」

とにかく ここで いつものヤリトリをみてても仕方がない、と
、いつものように みんなを引率しようとする瑞希・・・だったが

瑞希「・・・あれ? モモちゃんは?」

1人足りないことに気づき あたりを見まわす。

ちなみに モモちゃんとは 「桜井あさひ」の仮の名前である。
彼女は人気アイドルなので 人通りの多い場所では 正体を隠す必要があるのである。

と それは さておき

詠美「ふみゅ? まさか アイツ降りる駅を間違えたとか?」
由宇「いや 一緒に降りとったで ウチもみとる。」
詠美「まったく。それじゃあ どこに居るのよ? 」
  「・・・・発見しました。」
瑞希「え?どこなの?」

彩の指差す方向に 三人は視線を向ける。そこにはーーー

あさひ「す、すみませっ、ち、ちょっと 通しーーあ、あわわわぁぁぁ〜っ!?」
瑞希 「な、 た、大変ーーっ!?」

人波に揉まれ どんどん遠ざかっていく 少女の姿。
あわてて 連れ戻そうとする瑞希だが、その腕を 由宇につかまれる

瑞希「ち、っちょっと なにするのよ 猪名川さん!?」」
由宇「あかんて! あん娘は もう完全に人波に飲まれとるっ 行ったらアンタも まきこまれるでっ!」」
瑞希「でもーーーっ!」
あさひ「あ、み、みなさんっ! あ、あたしは、大丈夫だ、から・・・
   あ、ああ、あぁぁぁぁぁ ううううぅぅぅ〜〜〜ーーー・・・っ!」
瑞希「モモちゃーーーん!?」

ドドドド・・・・・・

・・・・・・・・

  「・・・目標物 完全ロスト・・・・」

・・・・・・・・

詠美「・・・それじゃあ 行こっか?」
由宇「そやな。」
瑞希「−−−って 放置状態ーーっ!!?」
詠美「ふみゅ? だって あのコ『私は大丈夫。だから詠美ちゃんさま達は
    アタシなんか ほっといてアキバに向かってください』って 言ってたじゃない。」
瑞希「そこまで 聞こえなかったけど!?」
由宇
「まぁまぁ☆ 心配性やな 瑞希っちゃんも 大丈夫やて 彼女も子供やないんやし。
    それに もしもの時はコレもあるしな」

といって 由宇が見せたのは 腕にはまった 『コミレンブレス』
確かに これがあれば どこに居ても連絡が取れるし
GPS内臓なので 居場所もわかる。

瑞希「そ、それは、そうかもしれないけれど」
由宇「ほな、ウチはこっち行くで。向こうのメイド喫茶が 今キャンペーン中やねん」
詠美「んじゃあ 私はコッチね。期待のゲームがデモ公開してるらしいのよね」

・・・・・・・

瑞希
「ちょっとちょっと!? そこって今回の目的地と関係ないじゃない!?」
由宇「え?・・・ホ、、ホレ  それは、あれや せっかく 五人居るわけやし 
    バラバラに 見回ったほうが効率的、やろ?」
瑞希「・・・なんで ソコで目線をそらしているよ?」
詠美「だいたい どうせ アイツら夜なんでしょ?こんな時間に張り込んでも 意味ないわよ」
瑞希「それをいうなら こんな時間にくる必要も・・・って 二人ともストップ ストーープッ!」

・・・・
リーダーの必死の呼びかけも むなしく
二人の影は あっという間に 人ごみの中に消えていった。
・・・・

瑞希「・・・(はぁ〜) 仕方ないわね こうなったら 私たちだけでも・・・て 長谷部さん?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・返事がない。どうやら 居ないようだ・・・・

・・・・・・・・・・・



瑞希「もおぅっ!みんな ホント勝手なんだからっ!!」

ノシッ!ノシッ! という擬音と共に
瑞希は 豪快に歩道を闊歩する。
歩道をふさいでいた 巨漢の外国人の団体もも、その迫力に 思わず道を譲っていく。

瑞希(確かに 怪人が現れるのは夜だし、今は好きに動いてもいいかもしれないけど
    だからって、一人にしなくても・・・)

彼女は 深呼吸のような溜息を吐き出しながら あらためて町並みを見回した。

・・・・・・
歩道には たくさんの人、人、人、周りにみえるのは電気店のビルばかり。
店頭の呼び込みやら BGMや アニメキャラの絵やら
はみ出さん限りにあふれかえり。彼女の中枢神経をグラグラと揺らす。
めまいを抑えるために 顔を上げれば 
デカデカを書かれた広告文字や カンバンが視覚をさえぎり
青い空は ほとんど見えない。

瑞希(・・・・ほんとに ここは日本なの?)

不思議の国のアリスも同じ気持ちだったのかな などと考えながらも

ふと 上を見上げれる ふと、ひとつの看板が目にとまる。
猫耳をつけた女の子のアニメキャラの巨大なカンバンが かかる
5階建てのビルディング
確か 南教授が 襲撃の危険性が高いと言われた店のひとつである

・・・・・・・・

瑞希「・・・こ、ここよね?・・・(汗)」

彼女の足が 扉に向かって3歩進み
そして 2歩下がる

瑞希「う、う〜ん・・・」

今では だいぶ丸くなったものの
ついこの間までは「オタクなんてーー!」とかなり毛嫌いしていた彼女である。
頭では わかっているものの こうしたお店に かなり抵抗を感じてしまう。

瑞希「・・・し、しかたないよね これは パトロールだし・・・そうよっ!
    これも みんな任務のためっ やましいことなんて なにもないんだから!、 うん」

誰に なんの言い訳を してるのだが いまいち不明だが
意を決して トビラをくぐろうとした、ちょうど そのとき

・・・・・ガラ・・・

瑞希「あ・・・?」

彼女の手が触れる前に かってにトビラが開き、中から・・・

??「・・・・・・・んっ?」
瑞希「・・・・・・・・・・・えっ?」
和樹「あれっ!?、珍しいじゃないか 瑞希っ。お前がココにくるなんて
    一体 どういう風の吹き回し・・・・・・・・おい、どうした瑞希?」

突如、視界に現れた 男性の姿。
それが 誰であるか頭が完全に認識したとき・・・

瑞希「−−−−−−−−−−−−☆@$¥▽□!!!!?」

・・・・・店内には すさまじい絶叫音が 駆け巡ったという・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・


(その3に続く)
HOME