プロローグ
「う、うわあああぁぁぁーーーっ」
ガラスまどの明かりの 消えたビル街で
二人の男たちの悲鳴が 響く。
一人が やけくそ気味に放ったをはなった銃弾も,
その相手には 威嚇にもならない
「タ、助けてくれlぇぇーーっ！」
たまらずに 一人の男が 一目散に逃げ出し
もう一人もあとつづいて逃げ出した
本来は こんなはずでなかった。
なぜなら 彼らは市民の平和をまもる立場の者、
そう 彼らは警戒パトロール中の 警察官だった。
・・・だが 同時に 仕方のないことでもあった
彼等は 人間を取り締まる職業なのだから・・・
・・・そう 相手は人ではなかったのだから・・・
・・・・・・・・・・・
「同人戦隊 コミレンジャー第24話：
萌える大捜査線！？秋葉原を調査せよっ（その1）」
瑞希「・・・これって・・・」
ここは もはや おなじみのコミックＺ基地のブリーフィングルーム。
そこで おなじみの彼女達５人は モニターに映し出された映像に注目している
由宇「あ〜 コア・オ・タークやな こりゃ」
（（（・・・（こくっこくっ）））
由宇の答えに のこりの三人もうなずく。
電波の影響によるものか画像は乱れており、 はっきりとはわからないものの
映ってるのは 明らかに人間の形状ではない
南「ピンポ〜ン♪ 正解です。」
あさひ「あ、あの？これって 一体っ？」
澤田「先日襲われた○×ビルの防犯カメラに映っていたものよ。付近で複数の目撃証言も 取れているわ。」
瑞希「先日？・・・○×ビル！？ ということは まさか・・・ 『連続同人誌強奪事件』の映像ですかっ！？」
澤田「その通りよ。公では発表されないようだけどね。」
コミパレッドこと高瀬瑞希の質問に
コミックＺ司令こと 澤田真紀子は 肯定の頷きをみせた。
・・・ちなみに 『連続同人誌強奪事件』とは 最近 ＴＶを騒がせている
文字通りの同人誌書店荒らし事件のことである
犯行の手口は 店のシャッターを巨大な刃物のようなもので破り
なかから同人誌やゲームが 根こそぎ奪われるというもの
そのくせ、レジのカウンターや金庫などには まったく手を付けられていないため
警察やマスコミでは 一部のオタクの愉快犯による犯行ではないかと
騒ぎ立てていたのだが・・・
瑞希「それが まさか彼らの仕業だったなんて・・・」
由宇「そうか？ やりかねんと思うで、あいつらなら。」
彩 「違う可能性も・・・ありました」
牧村「だから 捜査は警察に任せていたのですけど・・・」
悪い予感が当たってしまいましたね。と、かるく溜息をついたのは 牧村南教授。
別に人間による犯罪のほうが 良かったわけでもないが、彼女にしてみれば やっかい仕事が増えたことになる。
詠美「ふ〜ん それで この詠美ちゃんさまたちに 捜査の手が伸びてきたってわけね」
・・・
あさひ「・・・あの？、それだと ま、まるで私達のほうが・・・」
由宇「伸びてきてどうする ウチラが犯人かっちゅうねん。もう一度日本語の勉強しときや あんたは。」
詠美「ムキィィーッ！」
瑞希「はいっ 二人ともストッーーープッ。話を進めるわよ」
いがみ合ってる二人を 軽く抑える瑞希.。毎度のこともあって 仲裁も慣れたものである。
あさひ「え、と、それで、私たちは その、どうすれば？」
由宇「そら いつものごとくやろな。見つけ次第ブッコロ、てな」
彩 「サーチ アンド デストロイ（ボソッ）」
澤田「ワザワザ物騒に表現しないの 二人とも」
その通りだけどね。と コトバをつなげ、 司令は画面をモニターを切り替えさせた
次に映ったのは 東京都心付近の地図である。ところどころに 白い点や、赤い点が点滅してる。
瑞希「赤が事件現場ですよね？ということは白い点が、・・・・えっと・・・・オタクショップ？」
南「はい そして狙われる可能性のあるお店です。とりあえず 同人誌を取り扱っている店をピックアップしてみました。」
詠美「ーーって それでも いっぱいあるじゃないっ これ全部回ってくワケっ！？」
彼女の言うとおり、さすが首都というわけか 問題の白点は 地図のそこかしこに点滅していた。
地方の者には うらやましいと思えるかもしれない。
南「いえいえ それでは さすがに大変でしょうから。今回は 集中している地域に限定することにしました☆」
瑞希「どこですか？」
澤田「ここよ。秋葉原ね。」
瑞希「えっ！？」
ザワッ・・・
その地名が 口にされた瞬間
少女達は一様にざわめき。視線が 白点の密集するその場所にあつまった。
・・・秋葉原、通称アキバ・・・
東京都千代田区にに位置するコノ商店街.は戦後 最大規模の電気街として栄え
その後 コンピュータ部品を扱う 世界に知られる電脳都市へと発展している。
澤田「では あなた達には これから 秋葉原及びその周辺付近の調査に向かってもらいます。いいわ・・・」
由宇、詠美、彩、あさひ「「「「ラジャーッ！！」」」」
澤田「・・・や、やけに 元気いいわね？」
基地内に響き渡るほど 威勢のよい返事に 思わずたじろぐ司令官
・・・ちなみに この秋葉原・・・
近年においては アニメとゲームの氾濫する萌都へ進化（？）を遂げており
かの 夏コミ、冬コミ会場の『聖地』に並んで オタクにとって 重要な巡礼地となっている。
彼女達の気合も違うのも無理はない。
瑞希「う〜ん、任務とはいえ 気が進まないな。」
・・・まぁ、一人を除いて ではあるが。
南 「あら？なにか問題があるのですか？」
瑞希「いえ、そういうわけでは・・・」
あさひ「ア、あたし アキバ ひさびさです♪」
彩 （こくこくっ）
詠美「そろそろ新刊が出る頃だし ちょ〜楽しみ〜♪」
由宇「ほな 善は急げやな♪ はよ行かんと 時間がのうなってしまうで」
瑞希「・・・みんな？ 今回は パトロールにいくだけ、よね？」
・・・・・・・・・・
瑞希「ナニ その沈黙ーーーっ！？？？」
由宇「ほな 司令はん、牧やん。ウチらはこれから 正義と平和のため、ちょっくら行ってきま♪」
詠美「レッツゴーーー！！」
あさひ、彩「「ゴォーーッ♪」」
瑞希「だから みんなこれはパトロールで・・・キヤャァァーー！？？」
ドドドドッーーーーーーーーー・・・・・・・
・・・こうなった状況では
サスガのリーダーも引き止められない
かくして4人は意気揚々と
残る１人は ひきづられるように席を離れ
あっという間に部屋の外へ消えていくのであった
・・・・・・・・・
澤田「いつもの事とはいえ・・・大丈夫かしら？ 彼女達」
牧村 「はい。いつもの事ですから☆・・・ それよりも先輩 実は ちょっと気がついたことが・・・」
・・・・・・・
澤田「・・・そう。 わかったわ 早速調べてみて」
牧村「わかりました」
教授は 珍しく神妙な表情で うなづくと
もう一度先ほどの防犯カメラの映像を巻き戻し、一時停止した。
・・・映像には 怪人の映像の影に もう一つ、別の人影が映っていた・・・
（その2に続く）
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