同人戦隊コミレンジャー 第21話「白銀(シロガネ)の少女」後編

 

― 午後1:10時ごろ 落雷跡 周辺 ―

さて 澤田司令官より 不可解な落雷の調査指令を受けた コミレンジャー。

現場に到着した 彼女達は 早速 、由宇と詠美と彩ちゃん

瑞希と あさひちゃんの 二手に別れて 辺りの 調査を開始していた

・・・のだが・・・

 

詠美 「う〜・・・暑い暑い暑い〜っ! なんでこの詠美ちゃん様が

こんな炎天下に さらされてなくちゃいけないのよっ!」

彩  「・・・任務ですから・・・」

詠美 「ふみゅう〜・・・もういやっ! 私は家に帰るぅ〜!」

 

そう 調査から数時間経っているのだが なかなか有力な情報が

手に入らない・・・彼女達にも疲れが見え始めていた・・・

 

由宇 「まったく、ピーピーわめく暇があったら 聞き込みを続けんかいっ」

?? 「・・・おいっ 貴様等」

一同 「「「!?」」」

 

突然 背後から聞こえた声に驚き一斉に振り返る 一同・・そこに居たのは

 

雄蔵 「・・・この写真の娘に見覚えが無いか?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


― 同時刻 塚本印刷所 ―

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

瑞希 「ふ〜ん そっか それで 『行き倒れのお姉さん』だったんだ」

郁美 「はい ここで倒れているのを千紗さんに 助けてもらいました。

    千紗さん は私の命の恩人です」

千紗 「にゃあ〜 そんなこと言われると千紗恥ずかしいです〜」

 

さて こちらは現在製本作業真っ最中の塚本印刷所。 千紗ちゃんと郁美ちゃんは

遊びに来た 瑞希と あさひちゃんと そして和樹と 共に

しばしの休憩に入っていた・・・。

 

和樹 (じぃ〜〜っ)

郁美 「・・・あの・・・そんなに見つめられると私 恥ずかしいです(赤面)」

和樹 「あっ! いやその・・・ごめん(汗)

(ふぅ〜、どうやら俺のことには気付いてないようだな

・・・まあ 彼女には仮面の姿しか見せていないから当然だろうが)」

 

そう、和樹・・いや「タングス天王」は 既に彼女に会っていた・・

ハラジロシスターズ本拠地 シメキリ オトス城内で・・・
そして彼女の秘密も・・・

 

和樹 「・・・(そうかっ 昨夜アイツラ(オタク縦横)が騒いでいたのは

    このことだったのか。さて これからどうすれば・・)」

じぃ〜〜っ・・・

郁美 「あの、和樹さん?・・・(赤面)」

和樹 「あ、いやその・・・(汗汗)」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

瑞希 「ふ〜ん、和樹の趣味って・・・そうだったんだ(ジト目)」

和樹 「な、なんだよ 瑞希?」

瑞希 「別にぃ!(プイッ!) 郁美ちゃん 気をつけなさいよ

    危険な狼が あなたを狙っているみたいだから」

郁美 「!?」

和樹 「ブッ!! な、なに言い出すんだ!? お前は!?」

千紗 「お兄さん 千紗も狼さんは 怖いですぅ。」

瑞希 「そうね、 千紗ちゃんも気をつけないと 食べられちゃうかもね〜」

千紗 「にゃあああ〜っ!」

和樹 「コラコラコラッ!」

あさひ「あ・・・あの和樹さんって・・・ロリ・・・」

和樹 「ちが〜うっ!(汗)」

郁美 「・・・」

 

だが みんなが各々に騒ぎ立てるなか、郁美は一人 沈痛な面持ちに変わっていた。

 

和樹 「し、心配しないでよ郁美ちゃん 俺がそんな男に みえるかい?」

瑞希 「うん 見える」

和樹 「ふんっ お前に聞いたわけじゃ・・・」

郁美 「いえ 違うのです 皆さん・・・私 本当に狙われているのです。」

一同 「えっ?」


少女の突然の告白に 一同の顔つきも変わる・・・

 

千紗 「にゃっ!?それは どういうことなのですか? お姉さん?」

郁美 「・・・実は・・・」

 

♪ピピピッ ピッ ピッ ♪

だがその時、瑞希の右腕から 着信音が・・・

瑞希 「もおっ どうして こんな時に・・・(ピッ♪)もしもし?」

彩  『ブラックです・・・ただいま敵と交戦中 応援願いますっ!』

瑞希 「えっ!? ちょっと・・・」

彩  『場所は例の落雷跡・・・早・・・クッ!!(プツッ!)』

ザーザー・・・・・・

あさひ「瑞希さん ど、どうかされたのですか?」

瑞希 「わからない わからないけど・・・」

・・・ブラックがこんな 鬼気迫った通信をしてきた事は一度も無かった・・・

つまり それだけ 今回の敵が・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

和樹 「? どうかしたのか瑞希? なんか顔色が・・・」

瑞希 「ごめん 和樹っ! 私達急用ができちゃったからっ。

それじゃあ またね 千紗ちゃん 郁美ちゃん! 

 いくわよ 桜井さんっ!!」

あさひ「あ、その・・・は、はいっ」

和樹 「えっ? おい 一体何が・・・」

ダダダダダッ!!

・・・・・・・・・

和樹 「・・・行ってしまった・・」

千紗 「うにゃああ、どうしたんですか? お姉さん達」

郁美 「・・・」


― 落雷跡地 ―

あさひ「あ・・・あああ・・・」


・・・行く途中で コミレンジャーに変身をし 現場に到着をした

レッドと ピンク。・・・そこで まず目にしたものは・・・

 

瑞希 「イエローっ!? グリーンッ!?」

 

地面に 横たわっている 二人の姿であったっ!

 

あさひ「あ、あの、ど・・・どうなっ・・・(涙)」

瑞希 「ピンクッ! 落ち着いてっ! まずは・・・」

?? 「貴様等 こいつらの仲間か?」

瑞希、あさひ 「!?」

 

次に二人が目にしたのは そびえたつ大男であった。雄々しい体格、鋭き眼光

・・・そして 溢れんばかりの闘気・・・

 

瑞希 「あ、あなたが イエロー達をっ!(グッ!)」

雄蔵 「コイツラか・・・そうだ 俺が・・・」

彩  「シャドウ・・・ストライク」

雄蔵 「!?」

瑞希 「ブラック!?」


バキッ!

男が何かを語り始めた背後から ブラックの一撃が見事に決まるっ!
・・・しかし・・

 

雄蔵 「・・・フン、この俺の隙をつくとは見事・・・」

彩  「!?・・・(直撃なのに?)」

雄蔵 「だが非力っ!!」

 

ドガッ!!

 

彩  「キャアアアーーーッ!!!」

 

ズザザッーー!

 

あさひ「ブラックさんっ!?」

彩  「・・・・・・(ガクッ)」

瑞希 「ピンクッ!! 早く彼女達の回復をっ!」

あさひ「は・・はいっ!」 


タタッ!


雄蔵 「俺は『ハラジロ シスターズ』所属『闘神のラ・オー』・・・貴様は?」

瑞希 「・・・私は『コミックZ』所属 コミレンジャーリーダー

・・・コミパレッドッ!!(ビシッ!!)」

雄蔵 「やはり敵か・・・ならば・・・潰すっ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!


― 同時刻 塚本印刷所 ―

和樹 「!?(ピクッ!)」

郁美 「!?(ピクッ!)」

千紗 「にゃっ! どうしたのですかっ! お兄さんっ お姉さんっ!?」

 

瑞希達の飛び出したあと しばらく呆然としていた和樹達・・・

だが 彼等は感じてしまった・・・巨大な力をっ!

 

和樹 「(感じるぞ・・・この強大で荒々しいパワーは・・・まさか 奴も!?)」

郁美 「そ、そんな。どうして・・・いけないっ!」


(ガタッ!)


千紗 「にゃぁ! お姉さん何所へ 行くのですか?」

郁美 「行かなくちゃ・・・皆が危ないっ!!」


― 同時刻 塚本印刷所 ―

 

雄蔵 「グオオオオーーーッ!」ブンッ

瑞希 「キャッ!!」ヒュンッ


ドガーンッ!!

レッドが避けたラ・オーの拳は 壁をぶち抜き 柱を砕いていく・・


雄蔵 「どうしたっ!避けてばかりでは 話にならんぞっ」ブンッ!

瑞希 「クッ!」


バッ! 

続いて繰り出した ラ・オーの攻撃を間一髪で交わし 

レッドは敵から 大きく距離をとった。そしてっ!


瑞希 「必殺っ!! ウィンディー スマァッシュ!」


バキューン!!


雄蔵 「ムッ!?」


ドカーンッ!!!


瑞希 「決まっ・・・」

雄蔵 「・・・・・・フンッ!・・・」

瑞希 「・・・ていない!?だったら もう一撃ぃ!!」


バキューン!!


雄蔵 「無断・・転射っ!」ドキューン


ドガーーーン!!

レッドの放った光弾は ラ・オーの放つ光弾により あっけなく相殺される・・  


瑞希 「そんなっ! 私の必殺技が!?」

雄蔵 「必殺技だと?・・・必殺とは・・・こう言うものだっ!!」


ズオオオオーーーッ!

土煙を上げ 猛スピードで突進する ラ・オー!!


瑞希 「くっ!? ミズキャー ステッキッ!!」ズチャッ!


避けきれないと 判断した瑞希は ステッキを構え攻撃に備える!


雄蔵 「カタログ通光掌ぉぉーーー!」ブォン!


ボキッ!!


瑞希 「なっ?!」


だが ラ・オーの一撃は そのステッキをへし折り・・・そしてっ!

ドゴッッ!!


瑞希 「キャアアアーーーーーーーーーーッ!」


ズザザザザーーーーーッ!!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

雄蔵 「・・・・・・・・・・」

瑞希 「う・・うぐ・・(ヨロッ)」

雄蔵 「・・・まだ立ち上がれるとは・・・俺も まだまだだな・・・」


ズン・・・ズン・・・


あさひ「レ、レッドさん!? いま回復を・・・」(タッ・・)

瑞希 「ピンク 来ては駄目っ! それより他の皆の回復を はやくっ!」

あさひ「で、でもっ!!」

雄蔵 「己より 仲間を優先するとは・・・敵ながら あっぱれ・・・」


ドゴッ!


瑞希 「ガハッ!?」


ドサッ・・・

 

雄蔵 「・・・惜しむらくは 実力が伴っておらぬことだな・・・」

あさひ「レッドさ〜んっ!!(涙)」

雄蔵 「・・・そうだ・・・貴様等・・・この娘に見覚えがないか?」


地べたに うずくまり 倒れている瑞希 恐怖に身を震わせているピンクに

男は 一枚の写真を見せる。そこに写っていたのは・・・


あさひ「郁美ちゃん!?」

雄蔵 「(ピクッ!)・・・知っておるようだな?・・・・」


ズン・・・ズン・・・


雄蔵 「素直に教えるならよし・・・さもなくば・・・」

あさひ「あ・・・あああ・・・(ガクガクッ)」

瑞希 「ま、待ちなさいっ! あなたの相手は・・・」


ヨロッ・・・ヨロッ


雄蔵 「・・・フンッ・・・」

ブォ・・!!

 

???「銀の鎖を示し力よ・・・今 この私に 力を貸してっ!!」

雄蔵 「!?この声は・・・まさかっ!!」

郁美 「フリーーーズッ!!」ピカッ!


突然現れた 銀色の雷が ラ・オーの体を縛り付ける!


雄蔵 「なっ!? ウガアァァッーーーーーーーッ!!」


ビガガガガガーーーーッ!

 

あさひ「え!? い・い・い・・・」

瑞希 「郁美ちゃん!?」

郁美 「話は後ですっ! 今のうちに 皆さんは逃げてくださいっ!」

あさひ「そ、そういわれても、その・・・み・みなさんが・・・(汗)」

瑞希 「みんなの意識は まだ戻らないの!?」

あさひ「ご、ごめんなさい。まだ・・・」


レッドとピンク 二人だけならば逃げるのは たやすい。

しかしブラック イエロー グリーンを担いで逃げることは・・・

 

雄蔵 「(ビリビリビリ)・・・う、うおおおおっ・・・」

グググ・・


あさひ「!?あ・・・あ・・・郁美さんの魔法が破れそうに(汗)」

郁美 「いけない!みなさん はやく 私の側に集まってくださいっ!」

瑞希 「な、なんだか わからないけど・・・郁美ちゃん お願いっ!」

郁美 「はいっ!」グッ・・・


他の皆を担いだ状態で 郁美の側に集まる 瑞希達、

それを確認した 郁美ちゃんは 呪文の詠唱を開始する。


郁美 「銀の願いよ 奇跡に変われ・・・ かの地と繋ぐ 掛け橋となれ・・・」


シュオオオオォォォ〜〜〜・・・
郁美の呪文に伴って、銀色の光が 彼女と瑞希達の周りに 集まっていく・・・

雄蔵 「(ビキッ!・ビキ・・)ま・・・待て・・・」ググググ・・・
あさひ「この力・・・やはり コミックパワーですっ」
瑞希 「郁美ちゃん・・・あなたは一体!?」
雄蔵 「郁美ぃぃぃぃぃ〜!!!」

バシッ!


瑞希 「!?危ないっ!?」

魔法の呪縛を引きちぎり、郁美に掴みかかろうとする、ラ・オー!

郁美 「(カッ!)転移魔法 イー・メイルッ!!」カッ!

シュゥヲンッ!
・・・・・・・・・
だが それよりも早く 郁美達の姿は 光と共に消えていった・・・

雄蔵 「・・・逃げたのか?・・・この俺から・・・うおおおおぉっ〜〜!!」


ズガンッ!!


― 塚本印刷所 ― 

ドンガラ ガッシャーン!!!

瑞希 「イタタタタ・・・ここは?」

千紗 「にゃあああっ お姉さん達 お帰りなさいですぅ〜」

あさひ「ち,千紗ちゃん?・・・ということは/・・・えっと、その・・・」

和樹 「見てのとおり ココは塚本印刷所だよ。 

それよりも みんな 早く上からどいてくれないかな?(お、重い(汗))」

 

彩  「・・・・・(キョロキョロ)」

詠美 「ふみゅ〜ん・・・」

由宇 「アイタタタ・・・何所やココは?」

あさひ「あっ 皆さんも♪ 気が付かれたのですね♪」

由宇 「瑞きっちゃん? そうか あんた等が助けてくれたんやな、おおきに。」

瑞希 「ううん。私達を助けてくれたのは ココに居る・・」

郁美 「・・・(ハァ ハァ)」

瑞希 「郁美ちゃん?」

和樹 「だ、大丈夫かい? 郁美ちゃん」

郁美 「はい・・・大丈・・・夫・・・」


ドサッ!!


和樹 「!?」

千紗 「ニャァッ!」

瑞希 「郁美ちゃん!?」

郁美 「・・・・・・(ハァッ ハァッ)」

 

事件調査を勧めるコミレンジャーの前に突如現れた 最強の敵「闘神のラ・オー」!

更に 神秘の力を発揮する 謎の少女 「立川 郁美」!! 

 果たして 彼女達の正体は?  

そして コミレンジャー達の運命はっ!?

 

<第22話に続く>


― あとがき ―

こんばんは コミレンジャー作製委員会会長の ゴンジーと申します。

今回のお話は いつかは書いてみたい と思っていた「闘神のラ・オー」

と 郁美ちゃん の登場の お話です。郁美ちゃんの話は掲載当初から

色々な案を考えていたのですが 

(郁美ちゃんが敵の手先としてコミレンジャー基地に侵入する・・・という話とか)

結局 話的に書きやす・・・いえ わかりやすそうでしたので 

逃亡者という設定で書くことに致しました(うう、自分にもっと技術があれば・・・)

 

逆にラ・オーの場合は 郁美ちゃんを追うという シスコ・・・ゴホゴホッ!

ゆ・・雄蔵らしい設定でしたので 書くのは楽でしたね(汗)

 

・・・まあ 出来れば 戦闘シーンを もう少し書いてたかったですが

・・・マンガで描ければ なお 良かったのですが(希望)

 

この不満は 続きの話となる第22話で発散させることに致します。

・・・みなさん 期待して下さい♪
(完成が何時になるかは 断定できませんが(滝汗))

 

では この作品を読んで楽しんでいただけると幸いです。
それでは

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