これまでのあらすじ
歩行者天国にて繰り広げられた コミレンジャーとハラジロシスターズは
コミパピンクのミラクルヴォイスによって 今回もコミレンジャーの勝利に終わった
しかし 戦いのあと コミパピンク突如たおれてしまう
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「にゃあ〜 早くしないと 席が埋まってしまうですぅ♪♪」
「あらあら そんなに急がなくても 大丈夫ですよ 千紗ちゃん。 ココは予約席ですから。」
「ふ〜ん なによ。ＴＶの試写会て聞いたけど 小さな映画館じゃない。」
「当たり前や 詠美。大勢で一つの画面を見るんや。普通のＴＶなわけないやろ」
「ふみゅーーっ！？」
「はいはい ストップストップ 皆、席はコッチよ」
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・・・そして 先日の戦いから 数日後・・・
コミックZの面々は 某アニメTVスペシャルの 特別試写会に来ていた。
「でも よろしかったのでしょうか 南さん。私たちが来ても。」
「フフフ、 大丈夫ですよ瑞希さん。無関係という話でもありませんし。
今回は皆さんも がんばったご褒美も兼ねてるんです」
「そやな この作品には ゲストキャラとして あさピーも出演しとるわけやし」
「・・・本人・・・来てませんが」
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長谷川彩のつぶやきは 彼女達の表情に陰りをみせる。
そう 今コノ席に 桜井あさひの姿は、・・・出演声優として呼ばれていたにも関わらず、
・・・どこにも見当たらなかった・・・
同人戦隊 コミレンジャー 第１６話
「さよなら コミパピンク！？ 覚悟必死のミラクルボイス！」 ＝エピローグ＝
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「牧やん 今日も来られんちゅうことは あさピーの様態は・・・」
「い、いえいえっ、既に回復してますので 心配されなくても大丈夫ですよ。
ただ むこうの事務所とも相談して 今回はお休みということになったのです。」
「そうよね 彼女にとって仕事になってしまうし。大事をとって休んだ方がいいわよね」
あの後 コミパピンクこと桜井あさひは そのまま病院へと運ばれていった。
事情は 後日 澤田司令と 牧村南教授から説明された。
彼女は それまで過密スケジュールで疲労が溜まっていた所を
先の戦いでパワーを使い果たし、一気に噴出してしまったのだろうと。
もっとも、命に別状があるわけでもなく、順調に回復してるので
心配はいらないと付け加えられ、瑞希たちを安堵させた。
「ええ、大丈夫♪あと２、３日したら 元気に退院して顔をみせてくれますよ」
「・・・それ ほんと？」
・・・しかし、詠美は南に疑念の眼差しを向けていた。
彼女は聞いていたからだ。 あの時 医務室で 南が桜井あさひに何を話していたかを
「ええ 大丈夫ですよ☆ 詠美ちゃん」
「ほんとのほんとに！？」
「え？ええ・・・きっと・・・」
「ほんとのほんとの ほんと〜に！？？」
「え、ええっと・・・」
ペシッ！
困ってる南さんに 変わり 飛んできたのは 由宇のハリセン
「ええかげんにしいや 詠美。牧やんも困っとるやないか。」
「・・・ふんっ！」
「−−−て コラ なんやねん その態度・・・んぐっ？」
「ストップストッーープ。もう もうすぐ始まるわよ。」
言いかけた由宇を口を 瑞希の手が抑える。
高瀬瑞希の言うとおり、 関係者たちの話も終わり 部屋も薄暗くなっていった。
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この作品は 異世界を舞台し 仮面の主人公の活躍を描いた王道な戦記アニメ。
放送は既に完結しているものの、当初の予想以上の評価を受けてスペシャル版放送となった。
ちなみに 今回の内容は本編から放れた番外編。
同盟を結んだ水の国 クォロギの危機を聞きつけた主人公が
ヒロインや仲間達と共に 邪悪な敵と隠された陰謀から守るという お話らしい。
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『お初にお目にかかります。 クォロギ国が巫女 サトミと申します。』
主人公達の前に 桜井あさひが演じるキャラクターが登場する。
水の国の住人ということで その姿は 人魚に近い。
「え？この声が桜井さんなの？」
アニメ関係には疎い 瑞希が感嘆の声を漏らす。
流れた声は いつもの声とは 全くの別人。
凛として 冷静沈着で 冷たさすら感じる 大人の女性の声を
桜井あさひは 完全に演じていたのである。
・・・そして 物語は続く・・・
彼女は 魔を払い 敵を惑わし 天候すら操る歌を持つ『呪歌使い』。
この能力によって これまで ずっと敵国から民を守り続けられてきたのだという。
「ふみゅぅぅ、・・・似てるね、ピンクに・・・」
「まぁ あさピーは歌手でもあるからな。製作者も そのへん考慮したんやろ。」
詠美の言葉に 由宇の もっともな説明が入る。だが 詠美が似てると思ったのは そこではない
そんな すごい力を持ちながら、彼女は驕ったりすることはなかった。
彼女はいつも 国や民のことを案じ、。
ただ自分の役目を全うするため これしか出来ないからと言い放ち、
いつも矢面に立ち、戦場で歌い続けていた。
・・・そう、彼女も いつも 人一倍がんばり 人一倍苦労していた
そして誰もが認める名声を手に入れた。
だが、それでも彼女は自分を誇ることなく、みんなのために 歌っていた。
それなのに 彼女の歌や言葉に 何度も助けてもらったあの歌声は・・・・・・・・
『そんな・・・嘘ですっ！ 今までにだって これぐらいのことはっ！ 今だってっ 喉だって 元通りに』
『いいえ 治っていないわ。今は薬で一時的に抑えただけ。危険な状態なのは 変わっていないの。』
「・・・ふみゅ？？」
詠美の意識がスクリーンに戻る。
物話はすでに終盤 戦いに傷ついた サトミとヒロインとの会話
呪歌の使用を禁じられ 今まで冷静に振舞っていた彼女が 初めて取り乱している場面だ。
いや それより気になったのはーー
『だ、だけど それでも ワタシには歌がなければーーー』
『わかってるわ。 貴女の歌は 力のこもった特別なもの。私たちもソノ歌に何度も助けられてきました。
でも、だからこそ その反動が、喉にかかるダメージも大きかったのよ。 度重なる力の行使による疲労が蓄積して・・・』
「にゃっ！？お、お姉さん！？」
隣にいた千紗も気づいたようだ。
間違いない あの時 医務室で話していた内容そのまま。
二人は更に隣に居た隣の南さんに問いかける。
「南お姉さん。 前に 同じセリフ話してなかったですか？」
「ええ、以前 あなた方が聞いてた 声あわせの場面ですから♪」
「ふぉみゅーーーー！？・・・ムグッ」
珍しく周り視線 を気にしたからであろう。
詠美は叫んだ自分の口をふさぐ。
「で、でも それなら みんなにナイショにしていた理由って（ボソボソッ）」
「ちょっと 恥ずかしかったですし。それに放送が始まる前に 話の内容がわかったら つまらないですよね？（ボソボソ）」
「・・・つまり あの娘が まだ休んでる理由って・・・（ボソボソ）」
「・・・はい？ ですから あさひちゃんは過労でお休みと・・・詠美ちゃん？ もしもし？聞こえますか〜？」
いや もはや 彼女の耳に もはや南の声も作品の音も聞こえない。
・・・画面の物語は いよいよクライマックスを迎えていた。・・・
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・・・そして 更に 数日後・・・
「ふぁわ〜 みんな こんち〜・・・わ？」
「あ、う、え、詠美さん おお、おおひさしぶりですっ」
「ふみゅっ！？」
いつものように コミックＺ ブリーフィングルームに入ってきた詠美
彼女が一番遅かったらしく 既に部屋には
瑞希、由宇。彩に 千紗 ・・・それに 桜井あさひの姿があった。
詠美の姿をみるなり あさひは駆け寄っていく。
「・・・な、なによ？」
「詠美 そんな言い方するもんやないで」
「桜井さん これから仕事なのに貴方を待っててくれてたんだから。」
「え、詠美さんっ！その、こ、今回 本当に色々とお世話になって その、パトロールとか戦いとか いいいいいろいろとーーー」
「ふ、ふみゅ！？そ、そそそそれはーーー」
「そ、それに あの時も私のこと 大切だって わ、わたし嬉しくてーーー」
顔を赤らめ 潤んだ大きな瞳で 上目使いで見つめる 桜井あさひ
相手が男ならイチコロでやられそうである。 女性である大庭詠美もたじろぐ
「だ、だだだから、その・・・ありがとうございます♪ 私達これからずっと大切な仲間です♪」
ギュッ♪
「ふみゅみゅ！？」
そんな詠美の両手を あさひちゃんの両手が包む。
何時の間に 回り込まれたのだろう
背後に由宇に 瑞希に 彩まで取り囲んでいた。
「ふみゅ！？ ち、ちょっと離れなさいよ 温泉パンダッ」
「何 顔を真っ赤にしとるんや 詠美♪ 仲間なんやろ」
「そうよ 私達は大切な仲間 これからも皆で心と力を合わせれば どんな困難でもーーー」
「相変わらず固いな瑞希っちゃんは こういう時は もっと簡単に言えばいいんや」
「・・・私達・・・なかよし♪（ニコッ♪）」
「にゃぁ〜っ 千紗も なかよしにいれてください〜っ」
「は、はい わたし達 なかよしです♪♪」
「ふみゅみゅーーーーっ！」
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最後に響いた叫びは 歓喜か 悲鳴か。
ともあれ 桜井あさひも 無事復帰し 5人揃ったコミレンジャー
これからも なかよしこよしで ハラジロシスターズと戦うのだ
同人戦隊 コミレンジャーッ！
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〜コミレンジャー 第１６話 エピローグ 完 〜
あとがき
ご一読いただきましてありがとうございます ゴンジーと申します。
というわけで 今回は あまり日の目をみないキャラ・・・（ゴホン）
影で活躍しているキャラ中心に スポットを当てたつもり、でしたが
あさひちゃん 思ったよりも 目立たなかったですね・・・（＝ー＝；；）
いつも サポートや回復役ばかりのピンクに前線で活躍させてみたかったのですが
あ、もう一人のキャラ 詠美の活躍は予想通りですｗ
三枚目な活躍ばかりの彼女にカッコイイ活躍をさせたかった・・・
・・・まぁ 終わってみたら いつもどおりな彼女みたいですがｗ；；；；
では 相変わらずつたない文章で恐縮でしたが
もし 少しでも楽しんでいただいたら恐縮です。
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