同人戦隊コミレンジャー第8話 〜中編〜
その時 彼女（大庭詠美）は 眠っていた。…いや 正確に言えば 気絶していたのだが、
時間も夜遅くな出来事であったため、そのまま ぐっすり眠ってしまっていたのだった。
だから･･･
瑞希 「よいしょっと･･･ふぅ、重かった〜」
彩 「…ご苦労様でした」
由宇 「よっしゃ コレで全員乗りこんだんやな。鈴香はん 出発ＯＫやで」
鈴香 「はい、了解致しました。」
ブロロロォォ〜〜・・・
千紗 「にゃあ。 お姉さん達 いってらしゃいですぅ」
･･･っと、車に連れ込まれ 出発したことを覚えていなければ･･･
・・・・・・・・・・・・・・・・
キキーーッ
鈴香 「皆さん 到着いたしました。」
彩 「…ここが……」
鈴香 「では 私はコレで。」
瑞希 「どうも ありがとうございました 鈴香さん（ペコリ）」
鈴香 「いえ これも私の仕事ですから。では 私は2〜3時間後に 迎えに来ますので。
みなさんも これからお仕事頑張ってください」
由宇 「フフフ 任せときや♪（ニヤリ）」
鈴香 「？（なんなのでしょう？その笑みは？） 私は これで」
ブロロロォォォ〜〜〜…
…っと ある場所に置いてかれた事も 覚えていないのであった…。
瑞希 「…さてとっ、 それじゃあ そろそろ作戦行動開始ね。大庭さん、起きてっ」（ポンポン）
詠美 「…ふみゅ……」
（＿ ＿）zｚZ
瑞希 「大庭さん？、大庭さんっってば！」（ユサユサ！）
詠美 「ふみゅみゅ〜……」
（＿ ＿）zｚZ
彩 「……起きないですね」
瑞希 「う〜ん…どうしようか？」
由宇 「みずきっちゃん どいてや。ウチが 難波式の起こしかたを 試たる」
瑞希 「難波式って…！？ちょっと 待っ――」
今後の展開を察知し 思わず 止めようとした瑞希だったが…。
由宇 「くおぉぉらっ！早よ 目を覚まさんかいっ！」
…ちょっと遅かった。
バシーーーーンッ！！！
詠美 「ふみゅうぅぅぅ〜〜〜っ！？」（◎O×）
由宇 「グッドイブニング 詠美ちゃん」
詠美 「イタタタ…なに？、なにっ？ なんなのぉぉ！？」
由宇 「どや？ みずきッちゃん 難波式なら一発やろ♪」
瑞希 「…コミハリセンは 本来武器なんだから、そんな使いかたをするのは…（汗）」
由宇 「かまへん かまへん 一応手加減はしとったし、それに多少強く殴ったって
コイツの脳みそなら これ以上悪うなる心配もあらへんしな♪」
詠美 「！？ お、お、温泉パンダァーー！！(怒） いくら起きている時には勝てないからって
この詠美ちゃんさまの寝込みを襲うなんて いい度胸してんじゃ……ココどこ？」
彩 「…学校です」
詠美 「ふみゅ？ 学校？…（キョロキョロ）…なんでっ？」
由宇 「フムフム、地図のとおりコッチのほうみたいやな。ほな出発進行〜」
彩 （こくこくっ）
スタスタスタ…
詠美 「ちょっとちょっとちょっとぉぉ！？ ちゃんと きっちり詳しく説明しなさいよっ！」
瑞希 「あ、後で くわしく話すから。あっ、二人ともちょっと待って。」
タッタッタッ･･･
詠美 「ふみゅっ！？ そういうアンタも待ちなさいよってば！…まったく一体なんのなのよ〜？」
タッタッタッ・・・
というわけで 数分後･･･
瑞希 「…ココなのね？」
由宇 「ココやな？」
彩 「ココ・・・ですね」
詠美 「……」
彼女達は 最終目的地の前にいた…
時間は深夜…周りには電灯もない真っ暗闇であったが、空の満月が その建物の姿を映し出していた…
彩 「いかにも…ですね」
由宇 「まったくや。まさか 今時 ココまでお約束的な木造校舎があるなんて ウチもびっくりやわ♪
それに 壁なんか 所々崩れ落ちとって いかにもな感じやし♪」
彩 （こくこくっ）
瑞希 「あ、それは多分工事の跡よ。あの後 わたし、 千紗ちゃんに この旧校舎ことを
詳しく聞いてみたのだけど、 実はコノ建物 数年前に取り壊す予定だったらしいのよ。…だけど…」
由宇 「ほうほう♪ だけど…どうなったんや？」
彩 （ワクワク♪）
瑞希 「だけど 不景気で取り壊す費用が出なくなったから、結局そのままに なったんだって。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
由宇 「･･･そんだけか？」
瑞希 「えっ？ それだけ、だけど？」
彩 「･･･イマイチですね」
瑞希 「へっ？」
由宇 「そうやでっ アンタ。 ここはやはり 原因不明の事故が立て続けに起きたとか、
一晩で 工事のオッチャンが 全員消えてしもうたとか、そういうことを言って欲しかったわ。
それが お約束っちゅうもんやろ！？」
彩 （こくこくっ）
瑞希 「お、お約束？？」
由宇 「ハァ…（溜息）瑞希っちゃん？もう少し場を 盛り上げるちゅうことを考えなあかんで」
彩 （こくこくこくっっ）
瑞希 「盛り上げ？ えっ？えっ！？･･･（汗）」
…二人の感性に追いていけず 表情が強張ってしまった 高瀬瑞希さんであった…（＾ ＾；）。
･･･そして 先程から 表情が強張っている者が もう一人･･･
詠美 「・・・・・・」
ギギ・・・
詠美 「……イナガワユウ サン。 ヒトツ聞イテモ ヨイデスカ？」
由宇 「はいな？ 大庭詠美さん なんでっしゃろか？」
彼女は さび付いた蛇口のように首を動かし 由宇の方を向き 尋ねた。
・・・どうやら 彼女は 体まで固まってしまっているようです。（＾ ＾：）
詠美 「…ワタシタチ コレカラ 何スル デスカ？」
由宇 「ふむふむ、それはナイスな質問や♪実はな･･･ウチら、コレから お化け調査すんねん♪」
詠美 「・・・・・・」
ギギギギ・・・
詠美 「…ホントデショウカ？ リーダーノ ミズキサン」
瑞希 「う〜ん、まあ、間違ってはいない・・・かな？」
詠美 「・・・・・・・・・」
ギギギギギ・・・・・・
詠美 「･････ハセベサン･･･」
彩 （こくこくっ）
詠美 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
……････…････・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
詠美 「ふみゅぅぅーーーーっ！！」（ダッ！）
由宇 「彩っち 逃がすなやっ！」
彩 （こくっ！）
ガシッ！！
とっさに旧校舎を背に逃げ出そうする 詠美ちゃんさま！
だが 彩ちゃんは 瞬時に彼女の後ろにまわり あっという間に とり押さえていた。
詠美 「やだやだやだぁぁぁっ！！ 帰る、帰るっ、帰るぅぅぅっ！！私は お家に帰るのぉぉぉぉーーっ！」
だが、詠美ちゃんさまは それを振りほどこうと 必至に暴れまくる！
瑞希 「どっかで聞いたようなセリフ･･･じゃなくってっ（汗） ちょっと落ち着いて 大庭さんっ！」
詠美 「ふみゅうううう！！ いやいやああああああああーーーっ（TOT)」
（ジタバタ ジタバタ！）
瑞希 「だから 違うのよっ！ コレは本当はハラジロシスターズの仕業なのっ！」
ピタッ！？（←詠美ちゃんの動きが急静止した音）
詠美 「………お化け、違うの？」
瑞希 「そうっ 校舎に居るのはお化けじゃないの。 だから私達が調査に来たのよ」
詠美 「…温泉パンダ それって 本当？」
由宇 「ホンマやって♪だから な〜んも心配する事あらへん♪（ニヤリ）」
詠美 「･･･ふみゅううう…･･･」
……まだ 完全には納得はできないが、それが任務ならば 逃げるわけにはいかない･･・
彼女（詠美）も そんなコミレンジャーとしての自覚は 持っていたようだ。
詠美 「わ、わかったわよ！！ま、まあ そういうことなら し、仕方が無いわね うん。
みんなっ！！ そんな任務 パッパと終わらせて とっとと帰るよっ！！」
瑞希 「よかった・・・なんとか いつもの詠美ちゃんに戻ったみたいね」
由宇 「よっしゃっ！ ほな早速 作戦開始や♪（ニヤリ）」
〜 というわけで、更に数分後 〜
詠美 「ふみゅ〜・・・」
彩 「・・・・」
『二手に別れたほうが 効率よく調査できるやろ♪』という 由宇の意見によって
彼女達は 詠美ちゃんと彩ちゃん、瑞希と由宇の二手に分かれ、旧校舎の廊下を歩いていた・・・
ギシッ…ギシッ…ギシッ・・・
詠美 「ふみゅ〜、廊下が くずれそうだよぉぉ〜・・・」
彩 「・・・・・・・・・」
ギシ・・・ギシッ・・・
詠美 「ふみゅふみゅ〜〜とっても暗いよおおおぉぉぉ〜」
彩 「・・・・・・・」
月明かりによって 多少は照らされているものの 旧校舎の廊下は暗かった・・・
旧校舎内には 電気が通っていないらしく 頼りは彩のもつ懐中電灯の光だけ…
詠美は そんな彩に すがりつくような形で あるいていた…。
ギシ・・・ギシ・・・
詠美 「…ふみゅ〜…」
彩 「…････」
ギシ・・・ギシッ・・・
詠美 「ちょっと！ アンタも 少しは何か話なさいよっ！せっかく この詠美ちゃん様が場を盛り上げようと
こんなにもフレンドリーに お話してあげてるっていうのにっ！」
・・・ハタから見ると 怖さを紛らわせようとしているだけに見えるのですが･･･（汗）
彩 「……似てますね」
詠美 「・・・・・・ふみゅ？何に？」
彩 「さっき見た…アニメに」
詠美 （ピシッ！）
とたんに 再び体が凍りつく詠美ちゃんさま
彼女の様子に気付いているのかいないのか、彼女の話は続く・・・
彩 「…彼女達は…どうなったのでしょうか？・・・きっと…今でも、助けを求めて･･･」
詠美 「そ、それは アニメの中の話でしょっ！！そ、そんなことで この詠美ちゃん様を
怖がらせようたって そうは・・・…ムグッ？」
続けて話そうとした詠美の口は 彩の人差し指によって制せられた。
彩 「…何か･･･聞こえませんか？」
詠美 「な、ナニいってんのよ アンタ？（汗） 私には 何にも聞こえない…」
ウウ・・・ウウウ・・・・
彩 「･･･聞こえます」
詠美 「き､聞こえてないわよっ？ 私には なんにも聞こえなわよっ！？」
・・・ア・・・アアア・・・・・
ギシッ…ギシッ・・・
彩 「……近づいて･･･きます･･･」
詠美 「聞こえないったら 聞こえない！ 私にはなにも聞こえないぃぃぃぃっ！」
･･･そりゃあ 両耳を押さえ うずくまってしまっっている今の彼女では確かに何も聞こえないでしょう（笑）
･･･だが･･･
彩 「詠美さん･･･後ろ・・・」
詠美 「聞こえないったら 聞こえーーー」
ポンッ
詠美 「！？」
そんな 詠美の肩に何かに なにかが触れた感触・・・･･･そして・・・
？？？「・・・タ・・・助ケ・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・
詠美 「ふ、ふみゅうううううううーーー！！（ＴＯＴ）」
さて 同じ頃。・・・別行動をとった 瑞希 由宇ペアはというと･･･
ギシッ…ギシッ…ギシッ・・・
瑞希 「…う〜ん どうやら思った以上に痛んでいるみたいね この校舎」
由宇 「この辺なんか ちょっと重たいものが乗っただけで 抜け落ちそうやで。瑞希っちゃん 気をつけや」
瑞希 「ちょっと！？ それ どういう意味よ！？」
由宇 「ハハハ じょうだん♪ 冗談やがな♪」
ギシッ…ギシッ…
瑞希 「・・・そういえば 猪名川さん 。実は さっきから ずっと気になってたんだけど。」
由宇 「？なにが？」
瑞希 「あなたが その手に持っている袋・・・いったい 何が入っているの？」
由宇 「あ、コイツのことか？ コイツはな フフフ・・・じゃ〜ん♪」
と 瑞希の質問を待っていたかのように 袋の空ける由宇。その中には･･･
瑞希 「えっ？ なにコレ？ 釣りざおに、白い布に･･･こんにゃく？」
由宇 「できれば 火の玉や バケモンのマスクなんかも用意したかったんやけどな。
でも まあ コレだけあれば 充分やろ？（ニヤリ）」
瑞希 「充分って・・・まさかっ？」
由宇 「ほな そろそろ 詠美ちゃんさまの所に向かおうか？
いやいや あのチャン様がどんな顔するか 今から楽しみやで〜♪（邪笑）」
・・・・・・・・・・・
瑞希 「い･･･猪名川さんっ！ あなた わたし達が一体何の為にココに来ていると思っているのっ？」
由宇 「肝試しに 来たのやろ？」
瑞希 「・・・・・・・」
屈託ない表情で あっさり即答する彼女を目にして、思わず 目が点状態になる 瑞希っちゃん・・・
だが ここで退いては（一応）リーダーの名がすたる。
瑞希 「･･･あ、あのねぇ〜！？ 私たちはハラジロシスターズの調査の為にっーーー」
由宇 「またまたぁ〜♪ もう隠さんでも大丈夫やって♪ 澤田はんも詠美も 今は居らへんしことやし♪」
どうやら 由宇ちゃんは 澤田司令と詠美ちゃんを言いくるめる為の方便として
ハラジロシスターズを使用していたと 思っていたようです・・・（汗）
由宇 「それとも 瑞希っちゃん。ひょっとして ホンマに あんな話を信じとったんか？
千紗ちぃには悪いけど あの程度の七不思議話は、こんぐらいの学園には
標準オプション装備されてるもんやで。現に見てみぃ 今だけ歩くいとんのに
さっきから 幽霊の「ゆ」の字も――」
ギシッ･･･
瑞希 由宇「「！？」」
・・・この時になって ようやく瑞希と由宇は 背後に赤き光の玉のようなものが現れた。
そして 光の玉は次第にその数を増し、 ゆっくり彼女達に近づいてくるっ・・・！
瑞希 「・・・出てきたわよ？」
由宇 「そ、そうのようやな（汗）」
瑞希 「・・・猪名川さん 他に何かいう事は？」
由宇 「…すいまへん 瑞希っちゃんｍ（＿ ＿）ｍ ウチが間違っておりました」
瑞希 「うん わかればよろしい。」
戦闘員「「「ウィィィーーー・・・・」
そう 火の玉の正体は 実は オ･タークの紅く光る目玉であった！
彼らは 既に彼女達の目の前まで近づいている。
瑞希 「さて・・・でも これからが本番よ・・・」
由宇 「へっ、大丈夫や こんな雑魚。 ウチラ二人で 相手をしても お釣りがくるって♪」
瑞希 「･･･それも、 そうね♪ さあっ そろそろいくわよっ！」
二人は静かに構え始めた。 そう 相手がハラジロシスターズであればとるべき行動は タダ一つ。
それは・・・・
瑞希、由宇「「チェンジッ！ コスプレーション！」」
（後編に続く）