『同人戦隊 コミレンジャー』
それは 世界の平和を守るために結成された 5人の戦士達のことである。
普段は 同人活動にいそしむ 普通の生活（？）を おくっているが
ひとたび事件がおきれば
奇跡の力『コミックパワー』を駆使し、日夜 悪の組織と戦うのである。
さぁ いけ！すすめ コミレンジャー！
秘密結社『ハラジロシスターズ』の野望から みんなの平和を守るのだ！
「同人戦隊 コミレンジャー
第2話：萌えを力に・・・ 召還！ ハートフル ブラスターッ！（前編）」
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・・・場所のわからぬ暗黒の闇の中・・・
・・・そこには 不敵な顔で そびえたつ一人の男と・・・
・・・ボロボロに倒れた 五人の姿があった・・・
瑞希「み、みんな大丈夫？」
あさひ「は、はい なんとか・・・」
由宇「あたっり前や この程度で終われるかいっ！」
彩 「・・・（こくっ）」
詠美「ふみゅ〜 ムカツクムカツクーーー！」
五人は 再びたちあがり 眼前を睨みつける。
視線の先にあるものは不敵に微笑む九品仏大志・・・
・・・いや ハラジロシスターズ首謀者『総統カリスマン』の姿！
瑞希「今度こそっ・・・いくわよ！」
一同「「「「おうっ！」」」」
4人も 携帯のようなものを 重ね 一斉に唱えた
一同「「「「召還！ ハートフルブラスター！」」」」
次の瞬間！ 彼女の重ねたその手5色の光があつまッたかと思うと
白く巨大な大砲が 姿をあらわす・・・かに 見えたが。
ドカーーーーン！
一同「きゃぁああああ〜〜」
5色の光は再びわかれ 五人の姿は 轟音と爆煙のなかに 消えさってしまった・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
南 「・・・あらあら, 今回もしっぱいですね（＾＾；；）」
澤田 「・・・もう いいわ 南、照明を戻して」
南 「はい 了解です。」
南の指先がスイッチに触れると、天井の照明は 本来の光を取り戻し、
射撃練習場の外壁と 爆発の煤まみれになった 5人の姿を ありありと照らしだした。
・・・更にいうならば 標的代わりに置かれてた『カリスマン 等身大ポップ』は
その役目を果たせぬまま、無傷の状態で、つっ立っている・・・。
瑞希「・・・ごほっ！ごほっ！」
由宇「くぅ〜〜 また 召還失敗かいっ！」
詠美「ふみゅーー これで5回目よーーー もう ちょーむかつくぅーーっ。」
彩 「・・・（溜息）」
あさひ「は、はぅ〜（TーT）」
思い思いに 五人達が愚痴をこぼす中、 コミックZ司令官『澤田真紀子』の声が響きわたる。
澤田 「みんな、今回の練習は中止。体の汚れを落としたら そのままブリーフィングルームに集まってきなさい。」
舞台は変わって ココは コミックZ秘密基地に設けられた『ブリーフィングルーム』
主に 彼女達はここで作戦指令を受けるわけなのだが、
澤田「・・・・・・・失望したわよ あなたたちには」
開口一番 今回の真紀子氏の言葉は これであった。
一同「「「「「ぐっ・・・」」」」」
南 「まぁまぁ 司令 まだ はじまったばかりですし・・・（＾＾；）」
シュンとしたまま うなだれる5人に代わって南教授が弁明する。
詠美「そ、そうよ そうよ！私たちだって 言われた通りやってるんだからっ
なのに さっきから爆発ばかりで・・・ふみゅ〜っ もう一体どうなってるのよっ！？」
南 「そうですねぇ、 では もう一度 技の説明をしましょうね。」
南教授は 白衣のポケットからリモコンを取り出しスイッチを押すと。
壁の一面から 巨大なスクリーンがあらわれた。
南 「皆さんもご存知のとおり、私たちの使っているコミックパワーとは 人間の持つありあまる情熱・・・
・・・私達は『萌え』とよんでますが・・・を原動力として生み出される 特殊エネルギーのことです。」
あさひ「え、 えっと・・・わ、私たちが 変身することができたり ふ、不思議な力が使えるのも
このおかげ・・・なのですよね？」
南 「はい その通りですね あさひちゃん。 ですが 前回の戦いで わかった通り、皆さんは まだまだ能力不足。
このままの状態では 敗北も目に見えてます・・・。（−＿−；」
一同「「「「うぐっ・・・」」」」
この前のコミパでの戦闘を思いだし さらに沈黙する五人。
前回の『コミパ襲撃事件』の先、、総統であるカリスマンを 追い詰めていながらも、
あっさり ねじふせられてしまった事は 未だに堪えていた。
南 「・・・というわけで そんな皆さんの為に考えた新必殺武器が こちらの『ハートフルブラスター』です♪」
南教授のメガネがきらりと光る。と同時に 画面に巨大な砲台のCGが 写しだされた。
南 「『ハートフルブラスター』は あなた方が パワーをあわせることにより、それぞれの装備武器
『コミレングリップ』を触媒・・・ここでは コミックパワーの反応上昇固定装置のことをさしますが・・・
それによって まずコミックパワーを融合させ 全長数メートルの砲台形状に変換します。
更に砲身内に コミックパワーを臨界状態まで溜め込んでいき それを瞬時に砲口から放出、
こうして 放たれたエネルギーは 高密度のモエネルギー弾となって・・・。」
由宇 「ようするに「五人の力を合わせた巨大キャノン砲」なんやろ？これ」
詠美 「戦隊ヒ−ローの お約束ってヤツよね？」
南 「あらあら 二人とも 実も蓋もない言い方されますねぇ（＾＾；；）
ですが あなたがた最強の必殺技になることには かわりはありません。
これさえ決まれば もうどんな敵でも、それが例えカリスマンであっても、バタンキュ〜なのです♪」
彩 「・・・決まればですね・・・（ボソッ）」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・なごみかけていたた空気が 再び静まる・・・
悪気があるわけではないのだが、彼女の冷静なツッコミ癖は 困り者である。
澤田 「・・・コホンッ」
軽く咳払いをして、真紀子は話をすすめた。
澤田 「・・・で、南？ 召還失敗の原因について 解明できたのかしら？」
南 「ええ・・・ それが私も あの後 色々調べてなおしてみたのですが・・・
コミレングリップの召還システムにも、あなた方各々の能力にも まったく問題が見えないのですよ。」
あさひ「え？ そ、そそれじゃあ どうして？？？」
南 「そうですね こうなると 考えることは・・・」
詠美 「技のネーミング？」
バシッ！！
詠美 「ふみゅ！？」
ボケボケの発言をかます 詠美に対し、由宇は 関西特有のハリセンツッコミを見せた。
・・・彼女のツッコミは 精神的ダメージが少ないかわりに 肉体的ダメージが高い。
由宇 「どアホッ 『各々の能力』に問題が無いちゅうことは『全体』に問題がある
と牧やん（南教授）はいいたいんやっ。そうなんやろ？ 」
南 「はい 実は そのとおりです（＾＾；」
瑞希 「・・・つまり私達のチームワークがバラバラだから 力を合わせられないということですか？」
南 「ええ そういうことになるのですが・・・でも 不思議ですよね〜？
みなさん こんなに 仲よしさんですのに」
詠美 「ふんっ なによ！ つまりパンダたちが原因ってことなのねっ？」
由宇 「コラまてぃっ？ なんで そうなるねん！？」
詠美 「だから このクィーンの私が せっかく ガンバッテるのに
あんたたちが 足を引っぱてるから うまくいかないってことでしょが？」
あさひ 「はぅ！？ そうですね・・・きっと わ，私が未熟だから・・・（涙）」
彩 「・・・・・・・（トクトクトク）」
・・・彩は 静かにお茶をいれていた・・・
由宇 「詠美・・・アンタ 人の話 全然きいとらんやろ？いや 聞いても 理解でけへんノーミソやったか？（ｗ」
詠美 「ふみゅ！ なんですって〜！？（怒）」
あさひ 「はぅ はぅごめんなさい〜 私が 私が・・・はぅぅぅｌ〜（Ｔ△Ｔ」
彩 「・・・・・・・（ズズズ・・・）」
・・・彩は 静かにお茶を飲んでいる・・・
瑞希 「・・・・・・仲良しさん・・・でしょうか？（・。・；）」
南 「あらあら？」
澤田 「確かに、それが原因のようね・・・」
やれやれ といった感じで苦笑する真紀子氏。が、すぐに顔を引き締めた。
澤田 「とにかくっ時は一刻を争いますっ！！前回の戦いは 彼等（ハラジロシスターズ）の
宣戦布告とみるならば、近いうちに 再び彼等は活動を起こすはず、
その時に 技が完成してなかったでは遅すぎるのですっ！！
みんな、そのことは 肝に銘じて置くように、 いいわねっ！？」
・・・・そして・・・・・
表向きの仕事（出版関係）のために 真紀子と南さんが立ち去ったあとも、
五人は そのまま部屋に残り、今後のことを話し合っていた。
詠美 「・・・ ふみゅ〜っ！ なによなによっ！ 編集長（真紀子）ってば 早く完成させなさいって
大体 そんな技なんかなくても 私は じゅ〜ぶん 強いんだから問題ないわよっ」
彩 「・・・カリスマンでも・・・ですか？」
詠美 「ふみゅっ！？（大汗）」
瑞希 「・・・でも ほんと どうすればいいんだろ？これから・・・（汗）」
あさひ 「あ、あの、も、もう一度練習しませんか？・・・さ、さっきの技の・・・」
瑞希 「うん、そうよね。 やっぱりそうやって 地道に練習するしか方法が・・・」
と、その時・・・
由宇 「フッフッフッ・・・」」
詠美 「なによ パンダ？ いやらしい笑み なんかうかべて きもちわるいわねぇ」
由宇 「人聞き悪いなぁっ 、今のは ひらめきの笑みやで。」
瑞希 「えっ！？ ということは 猪名川さん、 なにかいい考えが？」
由宇 「モチのロンやで 瑞希っちゃん♪」
親指を つきたて 答える由宇。そのメガネは 先程の南教授と同様 怪しく輝く。
由宇 「ようするにや。ウチラは もっと団結力を高めなあかんちゅうことやろ？」
彩 （こくこくっ）
瑞希 「うん、だから 皆で技の練習を・・・」
由宇 「ちっちっちっ。 それより もっと効果的な方法があるんやな これが♪」
瑞希 「もっと 効果的？」
由宇 「しかも コミックパワーも向上するっちゅう おまけ付きやっ。」
瑞希 「そ、それは 一体？」
由宇 「（ニヤリ）・・・同人誌や。」
瑞希 「えっ？」
由宇 「ウチら全員で 同人誌を作ればええんやっ♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
瑞希 「えっと・・・ドウジンシって・・・ あの同人誌のことよね？」
由宇 「他になにかあるんか？」
瑞希 「・・・ないけれども・・・・・・」
あさひ 「あ、あの？全員て・・・わ、わたしもですか？？」
由宇 「当然やっ！ ウチラの萌えを一つにあわせて 一つのモンを生み出す。
まさに同人誌作業がうってつけやないかっ♪ ウチラにコレ以上相応しい方法があるかいっ！？」
一理あるような ないような・・・とにかく 拳を振り上げ力説する由宇。
瑞希 「・・・でも それって いつも やってることじゃないの？」
由宇 「いや、今回は創るんは ホンマモンや」
瑞希 「本物？」
由宇 「そや♪ 真の同人誌ｗ」
瑞希 「じゃあ いつも 猪名川さん達が 創っている漫画はニセモノだったの？」
由宇 「いや アレも一応は同人誌なんやけど、 なんちゅうか いつものは・・・えっと・・・」
彩 「・・・個人誌・・・」
由宇 「そやそや いつものは個人誌っ。 厳密には 同人誌ちゃうねん」
瑞希 「？？？？個人誌？でも いつものも同人誌って・・・えっ？えっ？」
完全に混乱状態になった瑞希、いま彼女の周りにはたくさんの？マークが浮かんでいる。
由宇「・・・そっか、 瑞希っちゃんは そこから 説明せなあかんか（汗）。
まぁ、確かに最近は同人誌ゆうたら、単なる『自費出版』の意味になっとるわけやが、
元々、ウチラのように一人で描いたアマチュア本は 『個人誌』いうて、本来の『同人誌』とは違うものなんや。」
瑞希「じゃあ 本来の同人誌っていうのは―――」
彩 「『同人誌』・・・主義・志などを同じくする人たちが、自分たちの発表の場として共同で編集発行した本・・・。」
由宇「同じ志の人達が集まって 創った雑誌、せやから『同人誌』と言うんや。」
瑞希「・・・知らなかった・・・そういう意味が あったなんて・・・（・。・；）。
・・・あっ、そういえばお店のことを『サークル』って呼んでるけれど あれも？」
由宇「ああ、アレも まだ本を創っとるのが『同好会』だった時代の名残やな。」
瑞希「なるほど・・・」
大きな相槌を打って一人納得する 瑞希
彼女は 即売会を知ってから 日が浅いので、まだまだ知らないことが多いのである。
詠美「・・・ふみゅ〜 そんな意味だったんだっ！？ なるほどねぇ〜（・。・；）」
由宇「って 詠美！？ アンタも 知らかったんかい！？（裏手ツッコミ）」
・・・ちなみに 詠美の即売会歴は それなりに長いはず・・・（＾＾；
詠美「ふみゅ！？ い、いいじゃない別に！ わたしのサークルは 売り子達とかお客さんが
たくさんいるから そんなこと 関係ないのよっ！」
・・・その答えのほうが 関係ないと 思うが・・・（汗）
・・・と それはともかくとして
瑞希「つまり 今回の同人誌は バラバラにでなく 五人で一冊の本を作ろうということなのね？」
由宇「そういうこっちゃ♪ 理解してくれたところで どや みんな？」
詠美「・・・そうねぇ パンダの意見ってのは ちょっとひっかかるけど、面白そうじゃない♪ いいわよ やってあげても。」
と、いつも反発する詠美が めずらしく賛成の挙手。
詠美 「彩、アンタは？」
彩 「・・・意義なしです・・・」
続いて 彩も賛成の挙手。残りは二人・・・
瑞希「・・・・・・・・う〜ん・・・」
由宇「なんや？話は わかったんやろ？なに悩んどんのや？」
瑞希「・・・だって・・・、みんなと違って 私や桜井さん は マンガなんて 描いたことないし・・・」
詠美「なんだ そんなこと？ だったら 私たちを手伝いなさいよ。」
瑞希「え？ それでもイイの？」
由宇「そやな、今回は一緒にやる事に 意味があるわけやしOKや。」
瑞希「うん。そういうことなら・・・」
ということで 瑞希も承諾の挙手。
瑞希 「じゃあ 残るは桜井さんだけど・・・」
彩 「・・・聞くまでも無さそうですが・・・」
瑞希「え？」
あさひの様子に目を向けた 瑞希は一瞬たじろぐ。
・・・彼女は その大きな瞳をキラキラさせていた・・・
瑞希 「・・・もしもし？、桜井さ〜ん？」
あさひ「わ、私が 詠美さんや み、皆さんの執筆のお手伝いが で、できるなんて♪♪（感涙）」
瑞希 「・・・確かに、聞くまでもなさそうね（＾＾；」
由宇 「少女漫画なら バックに花が咲き乱れとるとこやな。（笑）」
詠美 「そんじゃあ アンタも賛成ってことでいいわね？（←でも訊いている）」
あさひ「は、はい♪ふ、ふつつかものですが よ、よろしくお願いします♪♪（挙手）」
かくして 投票結果はーーー
彩 「・・・満場一致・・・」
由宇 「決まりやな♪（ニヤ）」
こうして 必殺技の完成のために 同人誌つくりを 初めることになった 五人
さてさて 一体どうなることやら・・・
由宇「やるでぇ〜 超必殺技完成特訓計画っ。
名付けて！『ドキッ☆ ウチラの初めての共同作業さくせん♪』 開始やーーっ♪」
瑞希「・・・そのネーミングは ちょっと 嫌・・・かな？（＾＾：）」
（中編に続く）
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